暗室③
次の日の夜中、日付が変わってすぐのAM二時頃。
昼寝から目を醒ました自分は、既に飽きを覚えはじめていた映像の確認というルーティーンを仕方なく済ませようと、頭から毛布を被ってその狭い世界の中で映像を観ようとしていた。
煌々としているディスプレイの鋭い、静寂を切り裂くような光りが外に漏れないようにしながらいつも通りファイルの選択画面に辿り着く。
「なんなんだ……これ」
まったくの静寂の中だからか、自分が思っている以上に自分の独り言は大きかった。自分は頭から被っていた毛布を一度取り、胡乃葉と部屋の様子を確認した。
よし……起きてない。
改めて、わざとらしく、現実をちゃんと認識するために自分はもう一度心の中で呟いた。――なんなんだ……これは。
いつものファイル選択画面に一つ、新しいファイルが表示されていた。
こうも突然気持ちの調和を乱されると反応に困る。が、強い好奇心がその目の前の新しいファイルに向いていることは確かだった。自分はカーソルをその新しいファイルの上に置いた。
「まあ、選択肢なんて自分にはないんだけどな」
自分は小さく小さく呟いた次の瞬間には、カーソルを置いていた新しいファイルを開くことをしていた。
突然、闇を、静寂を切り裂くような光りがディスプレイの中から解き放たれた。
自分は咄嗟に手で遮ったがそのときにはもう時既に遅しだった。眩く光る身体を貫くような暴力的なその光りは自分を、この部屋ごと飲み込み始めていたのだ。
反抗することなど無理なことだった。身体が熱くなる、意識が朦朧とする。そしてそんな感覚が突然プチっと途切れる瞬間を迎える頃には、自分は現実から消え去っていた。




