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久しぶりの帰還

遅れてすいません。他の小説などを書いていました。投稿は頑張りますが暖かい目で見てください。

帝国 ???にて


「ほぉ・・・クルスが堕ちたか」


広いが中には一筋の空間も無い部屋で男がポツリと言う。


「これで長年の宿敵を倒せましたな」


男の部下だろうか、もう一人が暗闇から出てくる。


「いや、喜ぶのはまだ早い。次なる目標へと目を向けねばならぬ」


「とおっしゃいますと?」


男の発言に顔をしかめる部下。それを可笑しく思ったのか、男は静かに笑った。


「分からぬか。先祖が長年争ってきたクルス王国が我が領土となったのだ。そうなれば・・・・目指すが一つ」


彼は世界地図を見る。その男の笑みはさらに深まり、狂気を帯びているようにも見える。それを見た部下は男の目論見に気が付いたのか、ポツッと呟く。


「世界ですか・・・・」


「そうだ。我が帝国なら行けるはずだ!まずはこの大陸を!そして世界を我が帝国のもにしてみようぞ、”彼ら”がいればな。ハハハハハッ!!」


その笑いはこの部屋に彼の感情が治まるまでいつまでも響いていたのであった。









「ようやく帰ってきた」


俺はそう呟いて、久しぶりになる国を眺めた。


「随分と時間をかけちまった上に大所帯になって帰ってきたな」


俺は背後を見つめるとそこには女の子たちがはしゃぎ回っていた。あの神様との出会いの後、


「次はこれであそぼーー!!」


「お嬢様、いくらこの船が広くても海に落ちたら!」


「メリアさん、少し落ち着きましょう」



メリアをアリシアとミルシアが宥めている。他の人間達もそれぞれが自分の感情に従って動いていた。まぁ、それを頼んだのは俺なんだけど。

こんな感じだが現代では小説みたいな現象なんだけどな。輸送艦に美少女多数。う~ん、絵にならん。いや、無理をすれば絵になるか、美少女は背景がどんなのでも絵になるって聞いたことあるし、元男の俺にしてみれば元の世界では夢ようなんだけどな。


「まっ、楽しければいいけどね」


そう言って視線をもう一度、王国に向けた。だがある異変に気が付いた。


「ねぇ、クニサキ!遊ぼうよ」


ミルシアとアリシアの制止を振り切って国東を遊びに誘ってきたメリアに国東は尋ねた。


「ねぇ、メリア、この王国って今日何かあるの?」


「えっ、よくは知らないけど今日は何もないと思うんだけど」


「そうなんだ。なら何であんなに騒がしいだろうね」


「さぁ?行ってみれば分かる事じゃないの?」


そうなんだけどね、意外の現実的な言葉が帰ってきた。それは俺も考えていたことだけど恥ずかしいから言うのはやめてくれ。


「まぁ、行けば分かるか」


こうして俺達は輸送艦で王国へと入港した。







「よく来てくれたの」


おかしいと国東は思った。輸送艦で国に入港したと思えば急に馬車がこっちまで来て、王宮まで急いで来てほしいと言われ、来たところいきなりハミエール王女がいて、現在の状況に至ると言う訳だ。


「例の物は?」


例の物___つまりロックドラゴンの鱗で加工した物の事を言っているのだろう。それにミルシヤが顔を青くするが俺は顔色を変えない。


「これですか?」


俺は神様が加工した物が入った袋をエミエールに出した。


「ほぉ・・・・・」


「おぉ・・・・」


ハミエールが目を細め、家臣達が感嘆の声を出す。対してさっきまで顔を青くしていたミルシヤは何が何だか分かっておらず困惑していたようだった。


「出してもいいかの?」


「どうぞ、お好きにしてください」


俺の許可を取ったハミエールが袋の中から一つの剣を取り出した。しかもきちんとロックドラゴンの鱗で造った鞘に入っている。俺も何が入っているかは分からないので興味はかなりあった。


「中々、良い剣じゃな。お主、これをどこの職人が作ったのっじゃ?ぜひとも我が王国に招きたいのだが」


その剣の刀身はこれもロックドラゴンの鱗で作られていて、白くそして光っていた。

それを見て、気を良くしたのかハミエールは俺に最も困る質問を国東にぶつけてきた。さすがに作った人が人間どころか人に崇められている神様ですなんて口が裂けても言えるわけがない。


「それは無理ですね。あの人はそういう事を言っても来なかったと思いますよ。それにあの場所に居たのもたまたまでまた移動するって言ってましたし」


「そうか・・・・残念じゃの」


苦し紛れの言い訳はどうやら成功したようだ。家臣やハミエールは少し残念そうな顔をしている。


「クニサキさん、本当なんですか!?私、会ったことも無いですよ!もしそうなら何で教えてくれなかったんで____ムグゥ!?」


黙れぇ!!せっかく綺麗に場を切り抜けられるように仕向けたのに幾ら小声とはいえ、雰囲気をぶち壊すな。


「?どうかしたのか」


俺達の行動が気になったのか、ハミエールが心配そうな声で話しかけてきたが俺にとってはその言葉自身が俺にとっては頭に残る問題になってくるので悪いんですが黙っててほしいと王族に向けて思ってしまう国東であった。


「いえ~~お構いなく~~」


「むがーー!!むがー!」


ミルシアが口を抑えられて呼吸困難になっているのだがそれを意にかえさずに満面の笑顔をハミエール王女に向けた。


「そうか、そうならいいのだが・・・・」


心配そうな顔をしながら席にハミエールが戻ったのでほっと胸をなで下ろしながら、ミルシヤの口から手を放した。


「はぁ・・・・・はぁ・・・・」


「ご、ごめん」


さっき以上に顔を青くしている。長く息を止めすぎたかな?後で謝っておこう。


「・・・・・・・・・」


後ろで殺気が漏れていることは笑顔でスルーしながら、ハミエールに次の話題を出した。


「ところでハミエール王女殿下、これだけで私達を読んでわけではないはずです」


その言葉に刀以外にも袋を漁っていたハミエール王女が手を止めて、家臣たちも難しい顔をしている。


「クニサキ殿はあの騒ぎを知っているか?」


「いえ、ここまで飛ばしてきたので」


民間人を港に降りして、すぐに直にここまで来たので陸にもあまり行っていない。なので陸で何が起こったのか分からないのだ。


「そうか・・・・原因を作ったのは私達だ。訳を話そう」


彼女は思い出したくないトラウマを話すような雰囲気で話し始めた。


「クルス王国が負けた・・・・・」


それに王女側の雰囲気はお通夜状態。こちらも嵐だ、驚きの。


「クルス王国が負けた!?あの大国が・・・幾ら相手が帝国でも信じられません」


「私もそう思った。だけど事実なのじゃ・・・・向こうの大陸で争い合っていた王国と帝国。その片方が倒れたのだ、確実に帝国は大陸全土へ版図を広げるだろう。手始めに・・・・王国側に属していた小国じぅあろうな。我が国は中立じゃけい、一先は安心してよいが」


それに俺サイドは安堵の息だ、俺としてもせっかく手に入れた家をむざむざ失う訳にはいかんからな。クルス王国には悪いがこれを理由に俺はふかふかのベッドで熟睡するんだ。


「それはよかったです。ですがそれでは航路の安全も無いですね・・・・しばらくは仕事を休まんと__」


「それで頼みがある」


それに空気がお通夜から変わった。それに俺も口を閉ざすしかない。


「何でしょうか、言っときますが軍に加われとかそんなことは言わないですよね?」


それは俺にとって最悪のカードだ。だから全力で断りたいのだが。


「いや、それではない」


どうやら違ったようだ、よかった。で、そうじゃなくて!


「実は負けたクルスの地であるものを取ってきてほしいのだ、帝国軍の手に渡る前に」


彼女の眼には俺達を騙そうとしている目では無かった。本当に困っている目だ。その眼は俺達が断ったらこの世の終わりになるのではないかと思ってしまう程だった。


「はぁ~~聞きましょう」


ため息を吐きながら、話を聞いた。そして俺は話を聞き終わった時にあの神様を更に恨みたくなってしまった。

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