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屋敷との別れと新しい隊員

俺は痛みのお蔭で起きた。


「うぅ・・・痛い」


「動かないでください。酷い火傷ですから」


「ここは?」


よく見ると列車の中ではないようだ。アリシアに膝枕されるという元男としては嬉しい展開であるがあいにく体の痛みでそれどころではない。


「列車の運転手をお嬢様がボコボコにして、止めた後に合流しました」


ふと隣に気配を感じた。隣を見るとメリアが寝息をたてて眠っていた。彼女の隣にはまるで見守るように62式が立てかけてあった。


「そうかい。あ、イテテテ」


「まったくあなたも無茶をしましたね。危うく死ぬところだったんですよ!!」


「いや、あの・・・・」


「いやでもあのでもありません!!自分の行動をしっかりを反省してください!」


けがをしている身がアリシアの説教で違う部分がダメージを受けた国東であった。





私は衝撃を感じて起きた。目を覚ますと声がかけられた。


「無事ですか?お嬢様」


短い間だがひどく懐かしく感じる声だった。隣を見るとクニサキがハンドルを握りながら笑顔を見せていた。だがその体と服はボロボロで破れた体からは火傷の痕がついていた。


「クニサキ!?大丈夫なの!」


「第一声がそれですか・・・・。まぁ、仕方がないですよ。コイツの扱い詳しく知っているのは自分だけですしね。アリシアに任せて事故でも起こされたらたまったもんじゃないですし」


「それなら・・・・仕方がないわね。でも、無理しないでね」


「大丈夫ですよ。自分の体は自分で守りますから」


こういう会話をしていると本当に帰ってこれたんだと感じる事が出来た。


「お嬢様?」


クニサキが声をかけてくる。その声を聞く度に頬から何かが流れ落ちた。


「クニサキ・・・あのね・・・あのね・・・・」


言葉が出ない。簡単な言葉なのに言えない。どうしてなのだろう。そんな時に

腕が回された。クニサキが片手で抱きかかえてくれた。


「大丈夫ですよ。もう全て終わったんです」


その言葉で私のダムが決壊した。


「クニサキ・・・ありがとう」


「・・・・どういたしまして」


「クニサキ・・・・・うああああああああああ」


私は声を上げた泣いた。その時もクニサキは黙ったまま、ずっと片手で包み込んでくれていた。





それから数日後


あれからが大変でした。復興したり、メリアのご両親が帰ってきたりと大変だった。結構骨が折れた。

そしていろいろしてから数日後、そろそろ時間的にまずそうなのでこことの別れをしなくてはならなかった。

俺は全身がミイラみたいに包帯を巻かれながら、大勢の人に見送られた。


「娘をありがとう。お礼は少ないが受け取ってくれ」


と彼女の父親から報酬を渡そうとしたが俺は断った。金は腐るほどあるし、欲しい情報は渡されるお金よりも価値があった。それに大変だったが悪い気がしなかったからだ。


「ではこれで」


「あぁ、本当にありがとう」


ちなみにここにメリアの姿はいない。俺が帰るのを知ってから姿を見ていない。最後に姿を見れないのは残念だがまたここに来る時があったら顔を見せようと思い、帰ろうとした時に


「待って!」


歩こうとした時にメリアの声がした。


「メリア!?」


「お嬢様!?」


皆から困惑する声が聞こえる。見るとメリアがジープの運転席から身を乗り出した状態でこちらを見つめていた。


「私も連れてって!!」


「・・・・・だめです」


「どうして!?」


どうやら予想は当たったようだ。こうなる事は大方予想は出来ていた。だからこそ落ち着いて彼女のせぅとくをする。


「いいですか、あなたはこの屋敷のお嬢様です。そのあなたが居なくなればきっとご夫婦も心配なされます。それに私がする仕事は危険で溢れています。もしもの時にあなたを守れる保証はどこにもない。それでも行きますか?」


少々過激な発言だが事実でもある。この事も分かってそれを言っているとメリアにも認識してもらうためだ。


「約束したじゃない!?」


「確かにしましたが絶対と言う訳にもいかない。確かに私にはもう一人仲間がおりますが他の仕事をしてもらうためにお嬢様の護衛に就かせるわけにはいかな」


「私はそんな事はことは一言も言っていないわ!それに自分の身は自分で守る!」


メリアはその体からは考えられない重量を持つ銃を抱えた。どうやら決意は高いらしい。だがそんな我儘に付き合っていれば彼女自身の身が危険になる。彼女を事を理解しているからこそそう言っているのだ。


「ですが___」


「クニサキ、あなたに言いたいことがある」


俺が否定な言葉を言う前に父親が言ってきた。


「確かにうちの娘はロクに外に出ていないし、外の事をまるで分かっていない」


俺は頼もしい援軍を見る目で彼を見た。彼がこのまま言ってくれれば彼女も諦めるはずだと期待を込めた目で見たが。


「それを承知で頼みたい、彼女を連れて行ってほしい」


俺は天を仰いだ。マジかよと思う。


「ですが私や仲間は守れませんよ」


「それは____」


「私が守ります!」


メイドの中から声がした。間違いないアリシアの声だ。


「私だってクニサキさんとお嬢様を守った仲です。私なら役割的には不足は無いはずです。命を賭けてお嬢様を守ります」


「アリシア、君は分かっていない。一人じゃ何もできな___」


「アリシアに不安なら彼女らを数人彼女の護衛に就けよう。もちろん君の好きにして構わない」


また反論するのを遮られた。そんなに遮られると俺泣いてしまうぞ。


「う・・・・」


「ありがとうお父様!さぁ、クニサキどうする?」


「ぐぬぬぬぬ・・・・!」


俺は唸る。しかし状況は一向に変わらない。だったら


「あーーー!分かった。分かりましたよ。但し安全は保障しないですからね」


「本当!?ありがとうクニサキ」


「出来れば・・・・屋敷にいてほしかったんですけど」


こうして仲間がメリア+アリシア+メイド数人と増えた。俺としては複雑な感情でいっぱいだったが決まってしまったものは仕方がない。

笑顔で見送るメリアの両親を見た。俺の信じている顔だ。俺はそんな信頼できる人間じゃないのに。


「あのお嬢様・・・?」


「だめ!そのお嬢様っていうの禁止!敬語も無しね」


俺はその言葉でようやく安心することが出来た。


「分かった。これからよろしくメリア」


「あら?それが素なの、意外だわ。改めてよろしく」


こうしたことがありながら俺達は輸送艦「くにさき」にジープで向かった。





港 輸送艦「くにさき」


「おかえりなさいクニサキさん!」


「ただいま。久しぶりだな。ミルシア」


「遅かったですよ」


「悪い、悪い。そこのお嬢さん達が新しい入隊希望者だ。案内してくれ」


俺は指で「くにさき」の巨体に見とれている彼女達を指した。


「す、すごいわね・・・・」


「これがクニサキさんの船ですか。一体どこの船大工に作られたのでしょう」


そう言いながら辺りを散策している姿にミルシアも共感を覚えたようだ。


「私の後輩ですね。腕が鳴ります!」


「頼む。これからロックドラゴンを運ぶから」


「はい!」


こうして俺はミルシアにメリア達を任せて、ロックドラゴンの死体をギリギリトラックに載せて目的の場所に急いだ。

こうして俺はかなりの寄り道があったが無事職人のところまでたどり着くことが出来たがここで予想外のことが起きた。


「う~ん、これは」


「どうしたんだ?」


俺は尋ねると職人はバツが悪そうな顔で言う。


「すまんな嬢ちゃん、これは俺らの所では無理だ」


「えっ、それはどういう?」


あの姫様からはここが一番いいと言われて来たのだ。それが出来ないというのはどういうことなのか。


「このロックドラゴンの鱗は固すぎて、俺達の道具だと負けちまう可能性が出てくるんだよ。だから出来ない」


「ならどうするんだこれは?」


「別の所でやるしかない。俺が書いた場所に行ってくれ」


「分かったよ」


こうして紙に場所を書いてもらい、店を出た。どうやらもう一苦労しないといけないようだ。そして気のせいだろうが職人の顔が少し暗かったのはたぶん気のせいなのだろう。気にしないようにしよう。

俺はトラックに乗って「くにさき」へと向かう。




職人はそれを見送った。


「すまないなお嬢ちゃん。本当にすまない」


俺が書いた店は確かにあの良質なロックドラゴンの鱗を加工できるだろう。だが教えてはいないがその道が大変なのだ。あそこには・・・・。


「思い出すだけでも恐ろしい。こういうのは俺が言うのは何だが・・・」


俺の目には既に緑の箱車の姿は映っていないがそれでも言葉を続ける。


「幸運を祈っているぜ」


小さく呟いた後に店に入った。

次回は「くにさき」が久しぶりに活躍する場面です。

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