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その後の顛末。


 僕は言いたい事言ってスッキリしたし、元々顔を合わせることも少なかったから恨みもそんな無いしもう良いやって思ってる。


後はギルが次期当主として判断した事に異を唱える気はない。ギルは僕とも後見人となる陛下やロバート様にも相談してあの2人の今後を決めた。


生物学的父は騙されていた部分も多かったが、投げやりにならずにきちんと当主として父として自分を律する事も出来ただろう。情状酌量の余地はあるけどそれで迷惑を被った人としては堪らない。

領地の奥、魔物が出る所で暮らす事になった。トニーとシアさんと。その他何人かが付き添ってくれるそうだ。生物学的父も偉大だと言われていた前々当主の息子だ。やる気さえあれば魔物討伐も出来る。シアさんとトニー、自分と共にあろうと付き添ってくれる人を大事に守っていけるだろう。


問題は生物学的母だ。絶対関わりたくないと、誰も付き添ってくれないらしい。浮気相手からも切られたようだ。仕方ないから前リリカル公爵を幽閉する貴族牢のお隣に入れることになった。もちろん差し入れなしで。

既に醜い言い争いが絶えず、看守さんがうんざりしているらしい。すみません。看守さんには差し入れしますね。


 

 ギルは既に屋敷の人員を掌握済だったので当主交代はすんなりいった。

問題はストロイエ侯爵家の寄り子となる家だ。生物学的父の時はあの通り騙されやすかったからやりやすかったそうだ。ただ、聡明なギルが当主になった事で今までのように甘い汁を吸えなくなる不満や不安を感じて不穏な空気になっている。伯爵子爵、男爵に至るまで貴族の当主とは一筋ならでは行かない海千山千の猛者ばかり。

若くして当主になったギルを侮る者達もいるからしばらくは目を光らせておかなければ!

まぁ、後見人に陛下やサンガリア公爵がいるギルに表立って何かやる人もいないだろうけどね。



 そして僕はこの度正式に賢者としてお披露目される事になりました。

次期当主が陛下に当主として任命される就任式、この日、城に沢山の貴族が集まる就任披露パーティーの時についでに僕もお披露目されました。ギルとお揃いの服を着てね。服の上に着るマントはギルはストロイエ侯爵家の色の臙脂。僕は賢者の色の白。お揃いだから誰が見ても僕とギルが血縁だと分かる。


分かってね。ギルに何かしたら賢者の僕も敵にまわるからね!

僕がストロイエ侯爵家長子なのに跡継ぎでない事、またお披露目もされていない事から何かしら察する貴族達。だからこそ、僕とギルが仲良しだと認識されないといけないんだ。ストロイエ侯爵家と賢者の仲は良好だと。



「皆の者!此度は喜ばしい知らせが目白押しだ!

若く賢い新しい当主が就任した。君達にはこのオルガナイト王国に新しい風を吹き込んでほしい。若い感性でもって共にオルガナイト王国をより良い国へと導いてもらいたい。

そして喜ばしい知らせがもう1つ。我がオルガナイト王国から賢者が誕生した!既に賢者には魔の森の浄化を行ってもらった。他国からの問い合わせにも対応してもらい成果をあげている。」

会場からどよめきが聞こえる。

陛下が片腕を上げると会場が再び静かになる。

「賢者は瘴気の浄化の他、失われた魔法や、絶滅したと思われていた穢れを浄化する植物を発見した。数々の偉業を成しているがまだ未成年である為、私が後見人となっておる。賢者への相談は本人、ストロイエ侯爵家を通さずに全て城へと陳情を上げるように。緊急性を鑑みて我らが賢者へと派遣を打診しよう。

さて、アル君、宜しいか?」

呼ばれた僕が陛下の隣へと立つ。

「紹介に預かりましたアルフォンス・ストロイエです。ストロイエ侯爵家長子ですが僕の我儘でギルが当主となってくれました。ギル、ありがとうね!」

ギルに向かって笑顔で手を振る。ギルもにこやかに手を振り返してくれた。

えへ。嬉しい。こうして皆の前で仲良しアピールが出来るなんて!


挨拶が終わると社交の時間だ。ヒヤヒヤしながらギルを見ているとロバート様が隣に立ち上手く回してくれているようだ。ありがとうございます、ロバート様。そしてさすがだね!ギル!

一通り挨拶を終えてギルが僕の所へと来てくれた。見計らったようにウィル君と、アレク君、ジェラルド様、ソフィア様も来てくれた。


あぁ〜…、寂しかったから嬉しい。

陛下が睨みを利かせているから僕の周りには誰も来てくれなくてしょんぼりしてたんだよ。

「皆さんお元気そうで良かったです。」

「兄上、先ほどはありがとうございました。僕たちの仲を詮索されずにすみました。」

「アル君、此の度はおめでとうございます。ギルには父上と僕がいるから安心してね。」

「アル君、おめでとうございます。また家に遊びに来て下さいね。薬草園が凄い事になったんです!」

「アル君、此の度はおめでとうございます。今回の事とても感謝しているよ。おかげであの人から解放された。君が困ったら何をおいても助けるから忘れないで。」

「アルフォンス様、此度はおめでとうございます。私にはこの様にアルフォンス様に直接お声をかける資格もございませんがお祝いだけでもと思いまして。」


ありがとう!ありがとう!!皆に声をかけてもらって僕嬉しいよ!!

でもソフィア嬢、待って!僕君にもアテンザ公爵家にも怒ってないから!!


そう言うとソフィア嬢は泣きそうになりながらも笑ってくれた。


ソフィア嬢は元々好きあっていた婚約者とどうにかアガールの森を治めていくために日々奮闘中なんだとか。伴侶が騎士団の者でない事に反発はあれど諦めるつもりはないと。


あぁ〜、生物学的父母のあれこれを聞いていたからソフィア嬢の純愛に癒される〜…。これこれぇ!僕達の年齢的にそういう話が聞きたいんだよ!!

わくわくしながらソフィア嬢の話を聞いていたら思ったより仲良くなれた。

今度魔の森を見に行く約束をして別れた。




皆それぞれ次期当主として頑張っているんだなぁ。

なんて思っていたけど図らずも魔の森を有する高位貴族の次期当主達が僕を中心に集まった事で次代のオルガナイト王国の未来は明るいと印象付け出来たようだ。


 良かった良かった。


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