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chapter 4
結婚式の当日、祭壇の前に座りながら、心の片隅で「あーあ、なんか間違っちゃったかなあ……」と思っていた。
式が終わり、僕は疲れ果て、ホテルの廊下のソファに身を預けていた。そこへ、詩織の親戚の男が近づいてきて、「できちゃった結婚か?」と、遠慮のない声で言った。さらに「大丈夫なのか」「養っていけるのか」と、まるで品定めでもするかのように続けた。祝福より先に、査定が始まったのだ。
詩織は「私も働くから」と決心したように答え、その後、「私たちはお互いを思いやるんです。ね?」と優しく僕を引き寄せた。僕は詩織の身体に守られるように抱かれているしかなかった。
そして、僕が27歳になった年の春に子供が生まれた。
男の子だった。僕は病室のベッドの上の詩織を抱き寄せると、キスした。そのとたん、どんなバカな間違いをしたのだとしても、もうどうでもよくなってしまった。子供を腕に抱き、嬉しくて、同じ言葉を何度も繰り返した。
「パパと野球しようね。すごい球を投げられるようにしてやるからね」
そんな会話がどんな刺激をもたらしたのかわからないが、息子は野球をやり始める。
まだずっと先のことだけどね。




