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小学五、六年になると、野球よりもサッカーのほうが好きになった。『キャプテン翼』が流行りはじめたのだ。だから中学ではサッカー部に入った。
けれど、二日で辞めた。当然だ。サッカー部なのに、サッカーをさせてもらえなかったのだから。顧問は筋肉パープリンで、やらせることといえば、うさぎ跳び、マラソン、腕立て伏せばかり。
今になって思えば、新入部員が七十人ほどいたから、あれはふるいにかけられていたのだろう。
残ったのは、下手くそだけだった。
この頃になると、遊びでも野球はしなくなった。日が暮れるまで、誰かの家に入りびたり、だらだらと時間をつぶしていた。
高校ではテニス同好会に入った。野球部は坊主にしなければならなかったし、そこまでして野球をやりたいとも思わなかった。それに顧問は鬼のような男で、少しでも逆らえば殴られるという噂だった。
テニス同好会は二日で辞めた。いや、正確には、一度も顔を出さなかった。
早い話が、そんなふうにして、僕の中から野球は消えていった。
——少なくとも、そう思っていた。
けれど、たとえどんなかたちであれ、僕はまた野球とめぐりあうことになる。




