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JOLENEジョリーン・Y字路の女神  作者: オブチアスマ
最終章 大団円へ

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第18話 コンバットinアフリカ1

 木をなぎ倒した地面より次から次に大グモ妖怪が這い出てくる。

それを見つめアレックスの顔色は見る見る青ざめていった。


『日本にもア(・)レ(・)がいるのか…』


 その昔、彼には兄のように慕っていた俳優の大先輩が居た。


 名前はスティーブン・マッコイ。


 言わずと知れたハリウッドスターだ。


その彼をアレックスは慕(した)っていたしスティーブンも好意的だった。

端的に言うとスティーブンもアレックスも本人の努力と

優秀なエージェントのおかげで既に億万長者だった。


 ある日スティーブンはアレックスをアフリカ旅行に誘った。

名目は恵まれない地域に援助物資と多額の寄付をしに行く事だった。


「行く場所は治安に問題があるから身分を隠す、牧師に変身して行くんだが民間の軍事警備(ミリタリー)サービスも依頼済みだ

アレックス、君にも是非来てもらいたいボランティアだが普通じゃない、大事な事なんだ」


 そう言う大先輩のスティーブン・マッコイ、最初は彼も軽い気持ちのボランティアだった。

地元の教会に出入りして色々な医療物資や食料、現地通貨に両替済みの現金を寄付して回った。


 現地では事情に詳しいアメリカ人の大学教授であり博士号も取得した遺伝子研究の第一人者エミリー・ジョンソンが居てマッコイは意気投合し信頼関係を築いていた。


 彼女は『ミトコンドリア・イブ』の研究のため調査に参加するうち現地の牧師や国境のない医師団とも親しくなった。


 マッコイはセレブ界にも顔は出していたが、どうも連中のやり口には賛成できなかった、その結果のボランティア活動だったが…


ある日、運命が訪れた。

「面白いから一緒に来ませんか」

ブロンドのエミリーが意味深な微笑みでマッコイを誘った。


現地馴染みの牧師と見慣れない牧師がマッコイを連れ、ある家に到着した。

「父と子と精霊・・・」

「うせろ!うじむしどもめっ!」

「アーメン!」


 それはエクソシズムの現場でマッコイは見てしまった、悪魔を…

「ジーザス・・・」


 億万長者のハリウッドスターはアフリカのあばら家で呆然と立ち尽くすのみで何の役にも立てなかった。


「私たちは神の、お手伝いをしています」そう告げる神父。


エクソシストの戦いを見てしまったマッコイは体が震える程の衝撃を受けて経済面でボランティアするだけでなく自身も本格的に修行を積み本物のエクソシストになった。


 やがてマッコイに導かれたアレックスも同じ経験をして弟子になり影(・)の(・)エクソシストになった。

財源には不自由しない。


 そして映画で共演した大場謙(おおばけん)の事も知り、彼が同じような境遇で活躍していると知るとアレックスはケンタッキーバーボンで謙と義兄弟の契りを交わした。


「あの時と同じだ・・・」アレックスの古い記憶が蘇(よみがえ)る。


 マッコイとアレックスの二人は南アフリカ・ケープタウンから北に100キロの位置にある農村に来ていた。

村の教会に居る南アフリカ国籍の牧師からSOSが来たからだった。


 遺跡発掘現場にも精通するエミリー教授によれば、

現地の牧師エリオットは貧しい村民の相談役で生活・病気・マフィアの対処で精神は、もうボロボロになっていた。


仕事どころか彼には静かな場所での休息が必要だった。

 そのうえ

農村の畑から見える丘が実は古代の遺跡だということを発見した墓荒らしが金品詐取目的のため遺跡を掘り起こして厳重な扉を爆破し無理やり開けてしまった。


 すると黒(・)い(・)煙(・)が発生し墓荒らしは煙を吸い込むと皆、命を落とした。


やがて夜になると黒い煙が実体化して一メートル程の大きな蜘蛛になり、村を徘徊しては村人たちを襲い始めた。


 完全重装備の傭兵を引き連れてマッコイとアレックスは村に到着し蜘蛛退治の準備を始めた。


 夜、蜘蛛が遺跡から這い出てきた。

「アレックス試してみたいことがある俺が失敗したら遠慮なく手榴弾やミニガンで派手にやってくれて構わない、だが俺が失敗してからだ、いいな!」


 牧師のマッコイは十字架とデコボコのポットに入った聖水だけを持って蜘蛛に向かっていった。

それは通常の精神状態では誰も真似できない行動だった。


彼の目前に人間の体くらいはある大きさの蜘蛛が居た。

「シュー」

マッコイだって怖い・・・

「神様、たまには協力していただけますか?」

やけくそで、そう呟くとポットの聖水を蜘蛛にぶちまけた。

「アーメン!」

―バシャッ! 化物に水を浴びせた!

「ギョーーーーーッ!!」

蜘蛛は苦しみ悲鳴を上げると、その場で体が溶けて死んでいった。


 沈黙の神が力を貸してくださった、やけくそで命を投げ出した億万長者のハリウッドスター、スティーブン・マッコイに・・・


マッコイは全速力で引き返して来た。

「アレックス、聖水だ!バケツでもなんでもいい大量に聖水を作って、

この化け蜘蛛、レギオンにぶちまけるんだっ!!まだまだ群れをなしているぞっ!なるべく発砲は控えて聖水で退治するんだ!」


『ハァハァッ』と息を切らしながら言うマッコイに傭兵が手を上げた。


「マッコイ神父!作戦の長期化も考えて炊飯や飲み水用にと思ってな、

折りたたみの布バケツ50枚あるんだが今なら安くしとくぜ」

8人の傭兵は皆ニヤニヤと笑っていた。


「それは・・・ホントか?オーマイガッ!」


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