第16話 白竜と青龍
なぎ彦さんに祖父・剣一郎様
なみ彦さんに静華の父・城一郎様が憑依して
一緒に和華さんが先に現場に入場した。
「和華、ご飯食べたか」
「うん、食べた カレーとそうめん」
「城一郎は?」
「ハイそれが憑依する前に食事は終わってましたが、なに、帰る前には私も何か食べますよ」
「おお、わしも誘ってくれや」
「ん?あははは、お父さんチャンス逃したんですね」
「うん・・・」
四天王の四人はテレパシーで会話ができます。
式と尾形にはヘッドセットが用意され装着しました。
ヘッドセットは四天王、黒衣の御二人と菅原さんにつながっています。
マイクはON・OFFスイッチつきです。
静華の今日の衣装は頭に金色の飾りの付いた冠を着けていた。
アキラは、すっかり見とれていた。
『お化粧か・・・気合?いや・お見事、綺麗だなぁー・・・』
ここ最近の装束とは違って両腕や背中に金色糸で神様の御名前の刺繍は無い衣装だった。
その代わり金色のベルトのような細めの帯、細めの袴を履いているのですが
腰の周辺から足元にかけて白と赤と金色のスカート状の着物が巻かれています。
しかし前の部分は空いているので、まるでコートの下部分のみを腰に巻いているような感じです。
入場前に静華から、お話があった。
「尾形君、アキラ、二人共、今日までありがとう。
こういう現場で怪我人や事故死が起きる時は当人が持ち場を離れた時と相場は決まってるの、尾形君、燈明柱の火、お願いね」
「はい」
式も返事をした。
「ハイ」
『今日で終わりみたいな言い方だな…』
――静華は三重で留守番をしている母・水仙との会話を思い出していた。
『しかし、その尾形君と式さん、いったいどこまで頼めますか』
『わかりません・・・』
『そうですね、できるとこまでで引き取って頂いた方が・・・』
『イザという時、アキラさん助けてくれないかな』
『荒葉馬鬼様ですか?そういう気持ちなら駄目ですよ、情けない。
誰にも頼らず私達だけで対決するのです。
万一、アキラさんの命に関わる事態にでもなったら責任は誰が取るのでしょう、妙な考えは捨てなさい』
『はい』
「アキラ、持ち場を離れないでね、もし何かあれば指示を出すから
何があっても絶対にスタンドプレーに走らないでね、ヨイ?
二人共、持ち場は離れないこと!」
「はい、ひとつだけ質問いいですか、現場の大小さまざまな光は何なのでしょう・・・」
静華は窓の外を見ながら指差し説明をはじめた。
「そう見えてたの、でもまだ繋がっていないからわからないのね。
あれは未成仏の霊魂、氏子さんたちの守護霊や守護神も集まっているの。
大きな光は氏子さんたちを守る
【白龍】と【青龍】
あのふたりも持ち場は動かないように指示を出してるから
私たちの守護は神様に、お願いしているのよ・・・
ホラ、空に・・・いらっしゃってるでしょ神様がたくさん…
これが正義のお祭り、愛と光よ」
「はい」
「はい」
式たちも入場して、燈明柱の鉄かご左右に火を入れた。
静華が思った。
【あの解体が終わった公園の隣に立っていた柳の木あれは誰かが鎮魂のために植えたのね。
あの木の下に誰かが眠っていたわ掘り起こしたけど、もう意識はなかった、それで柳の木も切り倒して新しく植えることにしたの。
時々、何が正しくて何が正しくないのか、いったい?
誰が悪いのか?・・・解らなくなる時そこに隙が出来るのね】
さて龍神の二人、いつでも世界中、瞬間移動できるので
故郷の村と静華の護衛は慣れたものだった。
目の前であれば同時に二箇所、ドッペルゲンガーの如く
姿を現すことが可能な程、特殊な能力があった。
「なぁ青龍」
「なんだ」
「静華さま、アレ喜んでくれるかな」
「たぶんな驚く顔が早く見たいな」
「それにしても遅いな、呼んで来い青龍」
「まあ、あわてるな、みんなの守護に集中だ」
「なあ青龍」
「なんだ」
「俺たちのメシいつかな」
「・・・」
「なあ青龍」
「おいっ!」
「どした」
「さっきから、お前わざとだろ集中しないとヘマするぞ」
「ちぇっ」
非常線の外には、武藤刑事と小林刑事も居た。
「始まるみたいですね」
「うん」
「いや初めて見ましたよUFO?すごいっすよねアレ」上空を指さした。
「もう驚かねぇよ・・・」
「あっ双眼鏡!そっか準備いいなぁ武藤さん」
「こんなので見てると誰かに怒られるかもな」
「こっそり動画とっちゃおうかな・・・」
「やめろよ…公安が来てる、服務規定違反になるの忘れたのか」
「冗談ですよ、しかし武藤さん、あの二人なんか不思議な二人ですよね」
「ん?静華さんか」
「違いますよ尾形さんと式さんですよ巻き込まれるにしたって限度がありますよ、ふつう…」
「あぁ俺も、それは考えたが不自然な感じはないな、むしろ今までの方が変だったのかもな不良中年にも来る時が来たのさぁー」
「なんか、そういうのあるんすかねぇ・・・」
「怪談好きが度を越した姿なんじゃねぇか・・・」
「先輩、俺にも貸してください双眼鏡」
「おお」




