第14話 ハリウッドスター2
「彼らは興味本位でいらしたのでは無いのです」
「はぁ」
「大場さんの本名は本宮といいまして、
これがやはり三重県に本家があるそうで榊原一族の分家にあたるそうです。
一族から別れたのは平安時代にまで遡るそうでして
本宮姓を名乗り独立して
国宝の守護、管理を専門にされており榊原一族とは切っても切れぬ間柄、
もちろん榊原家・当主の静華さんとも古い御付き合いなんだそうです」
「えっ!ちょっと待ってください、当主って、お兄さんの政一郎さんじゃなかったんですか?」
「いーえぇ?いったい誰がそんな事言ったのですか?
超能力が優れ神降ろしに一番体質が合うと言われる静華さんが
榊原家・当主・筆頭神官です、祖父・剣一郎様も認めています」
『はぁー・・・俺、何にも知らないに等しいな、はぁー・・・
そういえば先生、剣一郎様の憑依した和華さんと長々何か話してたもんなぁー…』
「それで今日のために三重から国宝の剣をジェットで運んで持ってきたのだそうです、まずお目にかかることない武具、その剣で悪魔を祓い可能ならば消滅させようというのが本望なのです。
悪魔も手ごわい、もう気がついていて、その腹いせで銀行を爆破しようとしたのでしょうな」
「それは…」
「式さん、沢山の氏子衆さんたちも只者では無い方ばかりです、応援や助太刀の勇士も揃いました、どうか気を抜かず、役目を果たしてください」
「はぁー何か責任重大な感じがしてきました、なんで私がお手伝いする事になってるんでしょうか、他の慣れてる人いらっしゃるでしょう?」
「うぐっ・・・それは、やはり昨日も含めイザとなったら役に立つからではないですかな、式さん、あなたホテルでの・・あのオムツの日のことは本当に何も憶えていないのですか?」
「はぁ・・・みんなが集合していて私の恥ずかしい姿を笑われたのは憶えてますよ」
「んー、じゃ目を覚ます前の記憶は?例えば、その時見ていた夢とか」
「どうしてです?・・・あの時はやたら眠くて・・・その後、寒気がして自分が発熱しているのは何となく具合の悪さで覚えてますが、うなされるってそういうものなんでしょうね・・・あとはまったく何も憶えていません・・・・」
『本当は西条先生、事情を知っていて喉まで出かかっていたらしいのです。
思い出せずにいることが沢山あって、あのオムツ事件の日も本当は何かがあって、そこに秘密があったのです』
「アラッもう11時ですか一旦帰って休みます、御弁当、残ってますかな?ウチの家内達に、お土産で持っていきたいなあー」
「新しいのと混ざる前に廃棄処分にされるかもしれないので土井君に聞いてみますよ下に行きましょう」
「ああ、お願いします、残ってたらラッキーですな」
「はい」
西条先生が弁当を抱えて上機嫌で、お帰りになると神楽衆の楽器をテストしている音が聞こえ始めた。
「ベン、ジャラン・・・カーン・・・」
弦楽器や50cmはあると思われる厘を鳴らしていた。
割と近くまで寄って行ってボーっと様子を見ていると、神楽衆の横に黒い大きな葛篭が置いてあり、その後ろに黒衣の御二人が立っていた。
『うわぁーいるよ有名人が』
お顔は隠していらっしゃるので確認できませんでしたが
オーラのある御二人が居ました。
すると二人は沈黙の行はしていないらしく何か雑談でもしているようでした。
黒衣の一人がコチラを指差し何か話しています。
「Look at that, isn't that the nice guy from yesterday」
『あれを見ろ、昨日のナイスガイじゃないか』
「Oh no doubt, let's go.」
『ああ、間違いない、行こう』
『あれ?二人がこっちに来ます、周囲を見回しましたが自分しかいません。
えぇ?こっちに来る・・・』
「こんにちは」顔の布をどけて、笑顔で式に、あの大場さんが挨拶してきました、続いてスクリーンで見ていたハリウッド俳優さんも
日本語で挨拶してきて握手を求めてきた、式に・・・
「ハジメマシテ・ヨロシクオネガイ・シマス」お辞儀まで・・・
「あぁあ!はい、はじめましてっありがとうございます」
慌てました、自分の手のひらを作業着で拭いて御二人と握手した。
『うわぁーやったっ!!』
謙さんが言いました。
「he is a little nervous」
『彼は少し緊張している』
アレックスさんは
「オー、シキサン、take it easy」
「どうぞ気を楽にしてくださいとアレックスは言っています」
「はい」
『そんなこと言ったって、うわー本物だあー俺の名前も知ってるっ!』
謙さんが・・・
「実は私たち昨日の銀行での式さんの活躍、拝見させていただきました、静華さん達がいらっしゃったとは言え、よくたった三人で対処しました、感動しました、今日は微力ながら私とアレックスさんも、
みなさんの助太刀に来ました、よろしく御指導ください」
「えぇえっ!そんなとんでもないです、私ただのお手伝いですから・・・」
『もう何も思考できません、緊張で頭、真っ白です』
「he is humble」
『彼は謙遜している』
「オーシキサン、In the meantime, please lend us your strength in our work.」
「式さん、アレックスは、そのうち私たちの仕事にも力を貸してくださいと言っています、それは私も同じ気持ちです、ではまた。
Alex, let's talk to him later」
『アレックス、彼とは後でゆっくり話そう』
「yeah、シキサンlet's talk again」
『そうだな、式さん、また話しましょう』
そう言うとアレックスと大場は戻って行った。
気が付けば刀鍛冶衆と神楽衆の方々が皆ニコニコして
式を見ていた。
沈黙の行のせいか誰も会話はしていませんが
誰かが太鼓を
―ドンドン!と叩いて、皆さん無言で拍手をしていた。
―パチパチパチパチ・・・・・
式はどんな顔をしていいのか解らないまま、
氏子衆、御神楽の皆さんに向かって、お辞儀をした。




