第3話 窓
お母さんと相談の上、三人は、そのままAのアパートに向かった。
移動中の車内で一週間前のAの様子や、おばけの話なども少し話題になった。
部屋に入ると散らかったままで変わったところもなく鍵やスマホも、そのままあった。
「お母さん、Aくんは、この部屋の保証人は、お母さんになってると言ってました、もうすぐ月末ですけど不動産屋さんに今から行きませんか事情を話して部屋、解約したほうが良くないですか部屋も悪いんですよ多分…」
「ええ…」
部屋の荒れ具合を見て、お母さんは口に手を当てながら悲しそうに見て回った。
尾形さんは置かれたままのスマホを手に取ってみるとバッテリー残量が少ないと表示が出た。
周囲を見回すと床に近いコンセントに充電用のコードがあった。
「お母さん、ちょっとAくんのスマホ見ますね」
お母さんとBさんは奥の部屋窓をふさいでいるダンボールを剥がし窓を開けようとしていた。
奥でBが声を上げた。
「うわっ!」
見ると窓には大小様々な手形がたくさん付いていた。
「おいオガタ!空気悪いけど窓開けねぇほうがいいんじゃねぇか!」
「なんで?」
「これ、なんか入ってくるぞ…」
手形を見たお母さんもBも顔面が蒼白になった。
尾形も見た、窓ガラスには確かに手形が、たくさん付いていた。
「じゃ玄関と、こっちの窓あけるわ」
「すげぇー」と言いながらBさんは窓ガラスに付いた手形の写真を撮った。
尾形はAのスマホを一旦置いて玄関を開け放ち、台所の窓をふさいでいるダンボールを剥がして窓を開けた。
尾形さんはスマホを充電しながら中身を確認した。
着信、発信、メール等、そして何気なく写真のフォルダーを開けました。
そこには数十枚の写真と一つ動画が残されていた。
まず写真を見てみると今いる部屋の写真がある。
どれも夜間に撮られたものか暗い部屋が写っている。
よく見ると煙のようなのが部屋に充満していたり
全体が赤く変色したようになっていたり
半分くらいは失敗した写真のようになっていた。
中には奥の部屋の窓から緑色の光が差し込んでいるものや
隣の101号室側の壁を撮ったのでしょうが半分真っ白になっていた。
「おいBこれ、この写真見てみろ」
「なに、どれ?」
それを見たBは言った。
「これ、みんな心霊写真じゃねぇの?」
「やっぱり、そう思うか…」
Aのお母さんも覗くように見た。
Bは続いて動画を再生した。
動画は慌てて撮影が開始されている感じで、ちゃんと音声も残っていた。
そこにはAの部屋が映っており『はぁはぁ』と小さくAの息遣いする音声が入っていた。
壁がドンッと音を立て、それに驚いて
Aが『うわあーっ!』声を上げている様子があり
今度はガタンッと背後で物音がしたり部屋では何か異変が起きているようで
次には
奥の部屋の山積みになっているゴミが『ガサガサ』と音を立てている様子が撮影されており
やがて、ひとつのゴミ袋が蹴飛ばしたようにビュンと飛ぶさまがAの叫び声とともに撮影されていた。
『うわぁああっ!』
そして映像はぐちゃぐちゃになって真っ黒になり終わっていた。
三人共、今見たものが何なのか理解できず唖然としたが
段々、気味が悪くなって、やがて今、自分たちの居るこの部屋が怖くなってきた。




