第4話 完全事故物件
尾形さんが言った。
「とにかく、すぐ不動産屋に行って聞いてみよう解約だ解約」
尾形は台所の窓を閉め部屋から出るように二人にうながし車に乗り込んだ。
「お母さんハッタリ利かすの俺、得意なんで不動産屋に、かましてやっていいですか?」
「はぁ大丈夫なんでしょうか」
「ま、出たとこ勝負だけど、やってみましょう」
尾形は父親の会社の交渉事や『社会勉強だ』と関係のあった裁判の傍聴などに普段から連れて行かれており普通の若者よりは知恵が付いていた。
「おい尾形あれ、あの動画さ、あのあとAのやつ居なくなったんじゃないか?」とBさんが言い出した。
「そうかもな、お母さん解約でいいんですよね、あの部屋」
「えぇ」
尾形さんが言い不動産屋にAさんの、お母さんと三人で行った。
不動産屋に到着すると担当者が出てきたが
「ちょっと深刻な話なんで上の者、呼んできます」
最初の社員は引っ込んで店長さんが出てきた。
「ハイどういった、お話でしょうか」
「これ賃貸契約書です、まず解約お願いします、それと支払ったお金、全額返してください」
「はぁ、いきなり何ですか?」
尾形と、お母さんで事情を長々説明した。
店長が言う
「そうは、おっしゃいますが入居前に御説明致してますので返金対応はできません」
尾形が大きな声を出して言ったそうです。
「おいっ!一体何を説明したんだ?お化けが出て金縛りにもなりますし部屋の物が飛びまわって窓ガラスに大量の手形が付きますって言ったのかっ!」
「・・・・」
「Aはな今、行方不明で警察に捜索願が出てるんだ、それを踏まえて、この写真と動画を見ろよ、この足で警察に相談しに行くぞ弁護士つれて」
そう言ってスマホを取り出し店長に見せた。
その時、意外だが、お母さんが言った。
「うちの息子に何かあったら責任問題、追求しますから」
店長は写真と動画を見て顔面蒼白だった。
「わかりました全額、返金対応致します、その代わり、この写真と動画消してもらえますか」
「なんで?ダメだよそんなの、いざとなったらTVでも裁判でもコレ証拠になるしね」
「いえいえ、うちで出来ることは返金対応までです、それに、そういうもの持っているのは良くないと思ったものですから…」
「あのさ店長さん、あそこで一体何があったの?」
「それわぁー、守秘義務がありますので、お答えできないです」
「それじゃあさ今すぐ、お金返してよ」
「それも、すぐにはできないです、まず部屋を確認して明け渡してもらってからになります」
「そっか、それじゃ、この契約書はコッチの控えなんで持って帰りますから、これからすぐに部屋かたずけて、また来ますから、いいですね」
お母さんと二人は一応納得して帰路に着いた。
「明け渡しってさ、あの部屋のゴミなんとかしないとダメなんだろ、どうする」
お母さんが
「あのー私あした行って片付けます、それで、もしよかったら御礼、バイト代支払いますので手伝っていただけないでしょうか一人じゃ怖いですし…」
「そうですよね、わかりました」
「二人共ごめんなさい本当に、ありがとう」
「しかし、あの店長、何隠してんだろうな」
尾形とBは、片付けの手伝いを了承するしかなかった。




