第2話 件のアパート2
その後、亡くなった大家さんの家族は、この物件を売りに出しましたが、なかなか売れず、売れたとしてもすぐに売りに出され、地元業界人の間では
『手を出してはいけない物件』として有名だった。
何年も買い手が無かったが、ものすごい安値で今の不動産会社が買ったという。
細かい経緯までは武藤刑事も知らないらしいが事件に関しては、まだ続きがあった。
建物は解体されることもなく不動産会社の税金対策か、このアパートの部屋は安く貸し出された。
立地が好条件でわりと最近、家賃を、ぐっと下げたところ二階の106号室と一階の103号室に入居した人が居た。
ところが、やはりというか入居まもなく103号室の方が首をつって亡くなってしまい空き室になった、お亡くなりになった理由は今も不明。
そのあとに、この物語冒頭の行方不明になったAさんが102号室に入居したのだった。
実は二階の106号室の部屋で借主の男性と、お付き合いしていた女性が居たらしいのだが
アパートには男性、女性とも居住しておらず聞けば、ふたりは不倫関係でラブホテルがわりに昼となく夜となく利用されていた。
そしてAさんが行方不明になったあと二階の106号室で女性の首吊り死体が発見された。
時、同じ頃アパートを所有していた不動産会社は土地の売買で、なりすまし詐欺被害にあってしまい多額の負債を出し、
この物語冒頭のOさんやBさんが話し合いをした店長さんが実は、この不動産会社の経営者で現在のアパート大家だった。
やがて、この社長も、なぜかこのアパートに来て外階段の手すりを利用して首を吊っていた。
早朝の散歩をしていた歩行者が死体を発見して警察に通報してきたのだった。
負債のあった社長の所有していた、このアパートは差し押さえ物件となり債権者間で話し合いの上、現在の土地・建物の所有者は――銀行だった。
その後、何にも知らない先日のNさんが夜間に撮影に行き事故ったが騒ぎになるのを嫌がった銀行が成田さん相手に被害届等を出さなかったと云う事だった。
先の黄色いテープは先の首吊り事故のものだった。
話が終わったとき武藤刑事は式にと
「鬼子母尊神・身代わり御守り」
と書かれた、小さなお守り袋をプレゼントした。
警察署内で、おかしな事があるときに供養などを願いしている、お寺のありがたい、お守りだと云う。
そして、あの映像データにも残っていた『お経』は生者を黄泉の国に誘うものだと住職様が言っていたそうだ。
あのアパートは式が想像していたより多くの方が亡くなっていた物件で
式は呪われたのも解る気がしてきた。
そして式は、もう二度とあのアパートには近づくまいと決心していたのに、これで終わった訳ではなかった。
気持ちとは裏腹にアパートの立つ前は、あの土地に何があったのか
なぜ周囲は何十年もの間、空き地や公園になっているのか
そして、この不気味な幽霊たちと現象、不幸の連鎖は一体何なのか
知っていく事に、なる…




