第10話 帰郷
成田は一ヶ月入院し治療を受けた。
脳内の出血それと事件前からだったらしいのですが心臓の血管が詰まりかけているのと今回のダメージもあったからだった。
成田が退院した時、式の事務所に成田と御両親が挨拶に来た。
成田は少し障害が残ってしまい松葉杖を1本だけ突いていた。
成田は警察で不起訴処分になった。
アパートのオーナー様が訴えなかったからだ。
危うく前科が付くところ不起訴になり救命活動した式の事を本人と御両親が警察から聞かされたということだった。
それを聞いたとき式は警察の武藤さんや小林さん鈴木さんの顔を思い出した。
曲がりなりにも成田は不法侵入しています。
カメラは警察に押収されたままで戻りません、成田は当夜の記憶が曖昧になっているらしく部屋に入ってからのことなど、ほとんど覚えていなかった。
式は例の押収された映像の事を喋らなかった。
成田はリハビリを根気よくすれば回復の見込みが、あるらしい。
成田の故郷は秋田県で、お父様が農業関係のお仕事をされており
その伝手で成田は帰郷してアルバイトをしながらリハビリに専念するのだと話した。
そんな式に御両親は大変丁寧に御礼を述べられ、お土産に秋田の駅で買ったという冷蔵・真空パックのキリタンポ鍋セットを式に持ってきてくれた。
それを見たとき、なぜか…式は急に胸が熱くなり涙が溢れてきて涙ぐみながら御礼を言った。
成田は終始、笑顔だった。
皆が、帰ったあと、お土産のキリタンポ鍋セットの箱を開けたところ
ビニール袋に入った封筒が出てきた。
中には成田の、お父様が書いたであろう手紙と現金が入っていた。
手紙には丁寧な、お礼の言葉と
「機会がありましたら一度、秋田にいらっしゃってください」と書かれていた…




