第28話 祭りのあと
翌日、怪我の手当をしてから式も手伝って氏子衆さんたちと防毒マスクをして地面から掘り起こした遺骸の選別を行いました。
元々、氏子衆さんたちのメインになる仕事は遺骨を見つけて集める事だったのです。
周辺、アスファルト道路も掘り起こされ出るわ出るわ・・・
刀鍛冶・神楽衆の皆さんは次があるということで準備のため早々に村へ帰られました。
和華さんと静華さんはプレハブにてトラブル対応のため待機しながら私の友人、土井良憲くんに詳しい聖職者用料理のレシピや注意点など実際に楽しく教わったりしているようでした。
尾形君の会社の方たちが重機で地面を掘り起こして菅原組の方々が火炎放射器で次々に遺骸を燃やして消毒、選別しやすくしました。
沢山の遺骨が初めて荼毘に付されていきます。
選別作業は交代制で夜間も大勢で行われましたが丸4日かかりました。
言い伝えにあった馬の骨なども出てきました。
見落としが無いように注意深く遺骨は集められました。
遺骨は、しめ縄のついたダンプで離れた場所にある墓地に運ばれ
人間、動物の骨が別々に収められました。
4日の間、着用していた、みなさんの白装束は汚れもひどく、
毎日、現場で、お焚き上げされました。
この時、アパートと不必要になった木材の物も重機で砕かれ
祭壇や舞台も悪魔の痕跡も焼却されました。
結構な量になるため消防車も待機していました。
隣接する川は水道が無かった時代に埋め立てられ生活用水に利用されていた非常に水深の浅い川なのですが、
むき出しになっている浅瀬の部分に幹が細い割に何本も絡み合って
成長した8メートルほどの枝の垂れ下った何本もの呪木も大雨の時など災害の原因になりうるとの見解で一緒に伐採、撤去されました。
静華さんによれば川底からそびえ立つ不気味な木は良くないものを吸い込んで、ありえない大きさになった雑木だと云う話でした。
破壊された長屋も菅原組の調査が入り静華さんと榊原一族の手によって祓いの儀式が執り行われ一度すべて更地となることが決定しました。
墓地には大きく立派な慰霊碑が二つ並んで建てられ少し離れたところに祠も建てられて丁寧に祀られました。
榊原一族、市役所、銀行、作業員たち、警察、消防、
そして近隣の長屋出身の方々、保安部・菅原組の方々等等、
関係者が墓地に集まり地元、無乗庵・現住職により手厚い供養祭が行われました。
この時に黒衣の二人が居ない事に気がつきました。
挨拶も出来ぬまま多分、私が遺骨の回収作業してる間に、ひっそりと、お帰りになったのだと思います。
当初2億だった工事予算は倍以上に膨れ上がったそうですが状況を鑑み国の各省からの承認もスムーズに行われたそうです。
あれだけの録画映像と調書・記録書提出は確かに大仕事です。
菅原さんの安堵の表情が思い出されます。
「ほっとしたよ」
鬼屋アパートから公園までの敷地には真ん中と両端に大きな柳の木が植えられました。
遠い場所から、わざわざトレーラーで運ばれて来た木でした。
遺骨が数多く出たアパート跡に高さ2メートル程の慰霊碑が建てられました。
川の柵沿いには間隔をあけて花壇が作られ過酷な状況にも強い、
すみれ、ひまわり、水仙が植えられました。




