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JOLENEジョリーン・Y字路の女神  作者: オブチアスマ
最終章 大団円へ

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第26話 ビッグ・ランナウェイ4

宝剣の刃渡りは60センチほどで神代文字が彫られている。

「四天王、悪魔へ三行半(みくだりはん)の礼」

「ハッ!」四人同時でアパートに向かって刀を構えた。


静華の声がスピーカーから低く聞こえる。

彼女の体からエネルギーの出力によるユラギが発生した。

「イザ、ヤアァァァァーーーハアァーーーー・・・・」


その時アパート周辺の黒い影たちが一斉に神座舞台へ向かって前進してきた。


 ゆらり、ゆらりと…


玄彗が叫ぶ

「くるぞ!」

真っ先に青龍・白龍が黒い影たちに襲い掛かり大きな手で握潰したり尻尾でなぎ倒したがアパートの中から次々に黒い悪魔の兵隊たちが出てくる。

玄彗は刀を右斜め下に携え敵兵のど真ん中に向かって走り出した。


竜巻を作るかのように全身を使い刀をグルグルと回しながら進むと

不思議な光が弧を描き、光に触れた悪魔たちが次々に叫び声を上げて

消滅していった。

「アアッーアビラァアアアーーッ!!」


―ウオーッ

―ギャァアアアアーーー


 やられた悪の兵隊たちは強くは感じられず刀で斬ると黒い煙になって消滅していく、だが数が多かった・・・


鍊彗(れんすい)が兵隊の剣を刀で受けてみるとガキン!と手応えがあった。

『これは・・・怪我をするぞ』

素早く身をかわし胴切り、次いで右、左と切り、前に突き、後方の兵隊を滝切りで真っ二つにした。

「フンッ!」


―ウグオッ


 周囲を見回すと数の多さに仲間たちも必死に闘っていた。


瀬津と艶、赤鬼と青鬼は華麗に剣をかわし棒を回転させ兵隊の頭部を叩き喉を突き次々に消滅させていく。

「ハイッ!!イヤァーアーーーーッ!」


天の助けで雷(いかずち)がアパートを再度直撃する。


―ピカピカ ドドーンッ 地響きがした。


すると兵隊たちの動きが一瞬止まり、その隙に皆で黒い悪の兵を倒しまくった。


静華が叫ぶ

「木村さん続けてっ!」


―はあーーーーーあああーーーーー


静華は神座舞台で宝剣を振り腕と宝剣に氣を込め攻撃の準備を始めた。

―ブンッ!ブンッ!


呼応するように和華達も氣を柴刀に溜め込みながら振りかざし構えた。


手に汗握り見学していた西条先生が呟く。

「おぉ刀が柴刀が・・・」


 四天王の四人とそれぞれの刀が光りを放ち始める。


宝剣は金色に輝きだした…


木村の唄が響き、それに合わせて静華が舞う。


―あーーーーーっ金もいらなきゃ名誉もいらぬううーーー

わたしゃも少しかみさまのおーおおおーおおーーーーーーーー


氏子衆が合唱する。


―おやくにたちとうおーーーーございまあーすうーーーーーー

―キーン! ドン ドン ドンドンドンドンドンドンッ!


―「我らの静華さまっ!!」


―はぁーあーーーーえらいやっちゃ えらいやっちゃ よいよいよいよい

―キーン! ドン ドン ドンドンドンドンドンドンッ!ジャラララン!


「四天王・古式・数え斬っ!イザァヤァアーッ!」


四天王、静華・剣一郎・城一郎・和華が同時に片足を上げ切り込む姿勢で構えた。


―えらいやっちゃ えらいやっちゃ よいよいよいよい・・・唄と神楽が続く


―キーン! ドン ドン ドンドンドンドンドンドンッ!ジャラララン!


第一刀。


「ヒーッ」

四人同時にアパートに向かって真横に刀を振る。

それぞれの刀から何者をも倒す正義のエネルギーが発射され

光が伸び弧を描き大きな風を伴って建物を切りつけていく…


―ギャンッ ガリガリガリガリガリリーッ!

アパートの壁に真横のひび割れが発生した。


「フーッ!」

二度、四人揃って真横に刀が振られると

―バアン!バリバリバリバリリー!

屋根が崩れ落ちかけ壁に大穴が空いて赤い光が見えてきた。


「アキラァ!護摩壇に火をくべてくれーっ!」

しゃがみ込み、あっけにとられていたアキラが静華に怒鳴られた。


刀鍛冶衆と青龍・白龍もまだ残りの兵隊たちを倒している。

龍達がが兵隊たちを捕まえ握りつぶすと叫び声と

―パキン と音がした。

悪魔の武器、剣が折れる音が聞こえる。

「あぶねぇーなぁーこんなの振り回しちゃ、オット逃げるなコノ」


悪魔の兵隊、普通の人間なら異様な気持ち悪い姿と手に持つ剣に

恐怖し、ひとたまりもないと思われた。


―えらいやっちゃえらいやっちゃ よいよいよいよい えらいやっちゃ

―キーン! ドン ドン ドンドンドンドンドンドンッ!ジャラララン!


四天王の鬼屋解体は進む。


「ミーッ!」


「ヨーッ」


―フォン フォフォン フォン

華麗に回転しながら数え斬りが続き建物が次々崩れだした。


―ガン!メキメキッバリッ ゴーンガリガリガリ


中央の鉄製階段も真っ二つになり崩れ落ちた。

―ドドーンッ!ドンドン・・・


ここまで来ると四天王それぞれの判断で崩れていないところや

中央の赤い光に斬りつけていく…


周囲の者たちは、祭師の光、破壊力と悪魔の叫び声、破壊の騒音と

崩れゆく建物を息をのみ見守っていた。


「イツーッ」

―ガツ!ガリガリガリガリーッ!バキーッ!


「ムーッ、イザ・ヤアッアーッ!」

静華が上段から宝剣を振り下ろすと建物全体が八つ裂きになり

壁のヒビが大きな穴になった。


―ドカンッ!

『固くかんじるわ・・・なぜ?』


「ナーッ、イザ!」―ブン、ブン!両手で持つ宝剣が重くなってきた。


―ダダーンッ!

ついに屋根が落ち壁も砕け落ちてきた。


 現場周辺で人々、大きな感嘆の響(どよ)めきが起こった。

「おおおおー!」

アパートの内部もひどく破壊され赤い光で照らされて見える。

『あの光、あいつのせいね・・・』


「ヤーッ!」静華が宝剣で攻撃を続ける。

―ブン、ブン!

残っていた左右の壁がまるで巨大な手で押し倒されるように倒れた。

―バキッ!バキバキバキバキーッーーー!

すると周辺も赤い光で包まれだした。


「コーッ!イザ・ヤアァーッ!」九回目もう一度、上段から振り下ろした。


静華は体力の消耗が激しいようで歯を食いしばっている。

―バキン!ドンッ!

柱が折れるような音が響き少し地響きが起こった。


演奏が変わる。

―ピイーーーーーピイーーーーッ キーン!カン!ドンドン!

唄が掛け声に変わる。

―おーーーーーおおーーーーーーーやあっ!おおおーーーーーーーーー


「トゥーッ!」

四人一緒に上段から真横に刀で十字を切った。


―ブン!ブン!


すると瓦礫と化したアパートの地面が二度ズシン、ズシンと波打った。

それには菅原組やアキラも少し声を上げた。

「うわっ」


その途端に悪夢のような黒い兵隊たちは一斉に姿を消し刀鍛冶衆はテントに下がり


青龍と白龍も防御のためテント前に陣取った。


地面の下から太く低い聞きなれない呪文の声が聞こえてきた。

それは主と呼ばれていた悪魔の声。

「ヘル、ヘル、イアッ、イアッイスタァー」


5メートルはあるかと思われる真っ赤な光の玉が地面から無音で伸び上がり護摩壇の前に出現した。


 そのせいか護摩壇の炎が弱まった。


予想以上の光景、現実に恐怖しアキラの精神状態は壊れかけていた。

顔の表情は正気を失っているようにも見えた。

『あっ、また火が消えそうだ・・・油・・木をくべなきゃ・・・』


刀を構えたままの静華が注意した、護摩壇の傍には大きな悪魔が居る。

「アキラッ危ない、やめろっ」


赤い光の悪魔を恐れもせずにアキラは、夢遊病者のように、よろよろと油と護摩木を抱えて近づいて行くとバラバラと護摩木をくべて

油を注ぎ、さらに燈明に向かおうとしたとき目の前の悪魔に

大きな腕で叩き払われた。


―バチン!


見物人や周囲が悲鳴を上げて、菅原がテントから大きな声をかけた

「キャァアーーーッ!」

「アキラくーんっ!!」


ヘルメットが割れて、ヘッドセットも外れ体が、ふっ飛んだ。

無言のままのアキラが地面に横たわった。


「アキラァー!」静華が叫んだ。

『やばい・・・死んだかな・・・』


雑魚どもの始末をしていた青龍たちも一瞬動きが止まった。

「あっ」

「あれぇーアキラ殺られたの?な、青龍?」

「いやぁーうっかりしてたなぁー・・・」


アキラを助けようと黒子の二人や菅原が動こうとし

城一郎と剣一郎も動こうとした時。


静華が咄嗟に叫ぶ

「誰もアキラに近寄らないでっ!父上っ!みんな下がって」

相手が悪く、かなり危険な状況だった。


赤い光の玉は霊視出来る者が見るとヤギのような頭部で上半身は人間、下半身がゴリラのような・・・5メートルはある見るからに大きな悪魔だった。


静華は、しっかりと輝く宝剣を構え半眼になり悪魔を霊視をしている。


『亡霊たちを押さえ込み隙あらば人間を手にかけ犠牲者を増やしてきたのは、お前だな、いつから、この日本にいる?元は蘇我馬子の弟子じゃないのか?正体見たりっ!!』


どうしたことか目の前の光景と巨大な悪魔に圧倒され誰も動けなくなってしまった。


静華が宝剣を構え悪魔に言った。

「おのれぇーっよくもアキラをっ!リューゴーショーキートウッ!

ワクグウアクラーセツッ!神を恐れよっ!!」


静華が悪魔の中に光は無いか霊視で探ってみたが、ただの黒い肉体だった。


『心はもうないな魔物になる前に魂は握りつぶされたのか・・・ポルターガイストでくるか?

それとも超サイコキネシスか?・・・・ん?こないな・・・・あれのせいか?』


悪魔は毎度のことだが話し合いなど皆無、だが希に知性や心の残る高度な悪魔がいる。


 静華は、まじまじと悪魔を観察した。

抜刀演舞でか、それとも神様のイカズチが効いたのか悪魔の右側の角が根元から折れていて両肩の傷口からも黒々とした瘴気エネルギーが漏れ出していた。


静華を睨みながら悪魔が神座舞台に向かってきた。


―ズン ズン ズンッ!

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