W 025話 押し迫る戦雲
1941年◯月◯◯日 朝 『南米ブラジル アマゾン とある日本人植民地村』
村の代表と副代表が畑を見回りながら会話していた。
「代表、昨夜の飛行も成功です。本番はいつ頃ですかね」
「わからん。我々は命令が来るまで準備し待機するだけだ」
「早くその時が来てほしいものです。ここの虫にはうんざりですよ」
「まぁな。でかいしな」
「我々の役目は飛ばしたら終わりですが、他の村は違うそうですね?」
「それは口にするな。許されていないぞ」
「わかっています。でも長くここにいれば仲間内ぐらいではいいんじゃないですか」
「それでもだ。命令は絶対だ」
「わかりました中佐殿」
「それもやめろ」
「はい、代表」
彼らに与えられた命令とは、役割りとは何なのか。
ブラジルの奥地で何をしているのか。
それを知るのは未だ当事者達と日本にいる限られた者達だけであった……
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1941年◯月◯◯日 夜 『メキシコ とある日系人の農場』
数人の男が集まり会議をしていた。
全員の表情は真剣そのものであり、気軽な雰囲気では無い。
深刻な問題を話し合っているという雰囲気だ。
「このルートなら行ける。問題は無い。向こう側の連絡員とも接触できた」
「目標は確認済みなのか?」
「向こう側が全て調査している。我々は例の物を運び彼らの案内で設置すればいいだけだし、彼らの方も手伝ってくれる」
「例の物の準備は?」
「できている。問題は無い」
「よしっ。後は命令が来るのを待つだけだ。目立つ事はするなよ」
「わかってる」
「大丈夫だ」
「へまはしませんぜ」
彼らに与えられた命令とは、役割りとは何なのか。
メキシコで何をしているのか。
それを知るのは未だ当事者達と日本にいる限られた者達だけであった……
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1941年◯月◯◯日 夜 『カナダ とある漁村の片隅で』
数人の男が船小屋の中にある小型艇の周りに集まり会話している。
全員の表情は真剣そのものであり、気軽な雰囲気では無い。
深刻な問題を話し合っているという雰囲気だ。
「エンジンの吹きあがりはいい。これならやれるだろう」
「例の物の設置は?」
「問題無い。まぁ試す事はできないがな」
「じゃあ後は本番を待つだけか」
「早く命令が来てほしいもんだ。時間が経てば経つだけ露見する可能性が高くなる」
「そう言ってはも命令しだいだ」
「ともかくみんな目立つ事はするなよ。普段通りの生活を心掛けるんだ。わかってるな」
「大丈夫です」
「へまはしません」
「信じて下さい」
「任せて下さい」
彼らに与えられた命令とは、役割りとは何なのか。
カナダで一体何をしようとしているのか。
それを知るのは未だ当事者達と日本にいる限られた者達だけであった……
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1941年◯月◯◯日 夜 『アメリカ合衆国 バージニア州ポトマック川沿いのとある家』
家の中で数人の男が頭を寄せ合って地図を見ていた。
「陸上の警備兵の配置はここと、ここと、ここだ。通常は二人しかいない」
一人の男がペンで地図に印をつけていく。
「では、そこを俺の班が」
別の一人が確認をする。
「そうだ。頼むぞ。警備艇のコースはこんな感じだ」
そう言ってペンを持つ男が再び地図に書き込む。
「そいつは俺の班の役目ですね」
「そうだ。一撃でやってくれ」
「わかりました」
その日、遅くまで男達の打ち合わせは続くのだった。
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1941年◯月◯◯日 早朝 『ペルー沖』
夏のある日の早朝。
ペルー沖で1隻の漁船が漁をしていた。
漁船が漁をするのは、おかしい話しではないし当たり前の事だ。
だが、その漁船に乗る漁師達はとても真面目に漁をしているようには見えなかった。
漁をするフリをして何かを観察している。
「間違いない。今回もこの航路だ」
「よしっ!直ぐに知らせよう!」
「了解! それじゃ港に戻るぞ!」
そうした会話を交わすと漁もそこそこに漁師達は漁船を港に戻すのだった。
【続く】




