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94話 フォーイゲルの…

 えっ? これって…時短の為に久しぶりに出した圧力鍋でフォーイゲルと大根やゴボウに似た野菜を煮込んでみたのだけど、辺りが暗いのもあって蒼く光る神改造の圧力鍋を使ってしまっていた。光っているのに気がつかないなんて…私ってばウッカリさん! お肉をカットしていた時は筋張った鳥肉な感じだったから薄めにカットしたんだけど、出来上がりはトロっとほぐれる牛丼の様な仕上がりになっていた。それをどんぶりご飯の上に乗せて野菜たっぷりフォーイゲル丼にしたよ。味見したら癖もなく美味しかった。七味唐辛子をかけてガッツリ食べてしまったよ。おかげでその後の稽古が苦しかった。


 テントと寝袋で今日もお泊まりさ。早く小屋に戻ってベッドでゆっくりしたいなぁ…。明け方まだ薄暗い中で目を覚ましてしまったので、みんなを起こさないように外に出て辺りを見回した。草木のかげからチラチラと淡い光が見える。うん? ホタル? 目を凝らしてよく見てみると緑色の何かの光…。しばらく眺めていたけど、ピクリとも動かないその光は魔物とか動物の目ではない…かな? 耳もすましてみたけど、風に揺れる草の音しかしない。確認しに行ってみようかな? でも、もし何か危険な事が起きてしまった場合テントで寝ているみんなを危険にさらしてしまう可能性もある…。行こうかな…みんなが起きて来るのを待とうかな…結局そちらから目を離せずに座り込んだ。危険な事が起きなくても勝手に行動するとミントに怒られそうだしな…。ムムム…どうするのがベストなのか…。


 考えこんでいるとポンっと後ろから肩を叩かれた! 慌てて剣を抜いて振り返ると眉間にシワを寄せ顎の毛をさすっているミントが立っていた。


『その反応は良かったぞ…しかしダメだ! 拙者が敵なら殺られていたな…』


「…ズルいよ確かにその通りだけど、音もたてずに気配も殺してくるなんて…私は忍者じゃないからそこまでされたら気がつかないってば!」


『ハッハッハッ、まぁ訓練あるのみじゃな! ところでこんな薄暗い中で何をしていた?』


「いやぁ、あそこの緑色の光が気になってさ…確認しに行こうかみんなと一緒に行こうか悩んでいたんだよ」


『確かに光っているな…ウム確認しに行くか…』


「みんな、まだ寝てるけど大丈夫かな?」


『皆が起きるのを待つか…いや、明るくなってからでは光が見えなくなるだろう、確認だけしに行くぞ』


「だね、行こう!」


 草を避けて光に向かうと洞窟だった。ヒカリゴケかな? 洞窟の岩肌の所々が光っていた。


『洞窟か…ひょっとしたらフォーイゲルの巣かも知れんな…一旦戻って皆で探索しよう』


「そうだね、じゃ朝ご飯でも作って起きて来るのを待ちますか」


 テントの前に戻り朝ご飯の準備を始めた。久しぶりにクランベリーとクリームチーズのパンが食べたいからスープでも作りますか。鍋に野菜類とウインナーとコンソメを入れて煮るだけの簡単な物だけど美味しいよね! 


 朝ご飯をしっかり食べて、いざ洞窟へ。例のウォッカを染み込ませた布を棒に巻き付けて松明を作って恐る恐る洞窟に入った。中には人骨と思われる物や古い武器や防具も散乱している。ひょっとしたらここがお宝があると言われている場所なのかな? この骨やら武器やらは探索に来た冒険者の物かな? 一体ここで何が起きたのか…期待を胸に奥に向かって進んだ。

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