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86話 雨の中の戦い

 私は今、子供たちを探すべく雨の中、山道を登っていた。結構降ってるな…久しぶりの雨だけどこんな状況じゃ嬉しくない。


「おーい! エレンちゃーん、ポランくーん! そろそろお昼だよー! 何処にいるの?」


叫んでみた…しばらく待っても返事は無かった。まぁこの雨じゃ聞こえないかな? ドロドロになりながら登っていると


『ギャーギャー』


 うん? 魔物の鳴き声? 急いで鳴き声のする方向に向かった。鳴き声の近くまで行き木の枝をそっと避けて覗いてみると、大きめな木を背に子供たちが魔物と向き合っていた。あの魔物は何だろう? 見た感じ小型の熊…かな? 四足歩行で子供たちから目を離さずに目の前をのっしのっしと歩いている。ポラン君は何かを抱えていてエレンちゃんはサバイバルナイフの用な物を握りしめて寄り添って怯えていた。


 どうしようか考えていると後ろから


『早く何とかしないと子供たちが危ないホッ! 奴はイラベーアの子供だホッ、僕が空から注意をひくからその隙に攻撃するホッ』


「わかった、やってみるよ」


オルが空から音をたててイラベーアの注意をひく。私は剣を抜いて斬りかかった…しかし体が硬いらしく大きなダメージを与えられなかった。この雨じゃ炎を出しても直ぐに消えちゃいそう…そうか! 奴が濡れているならこれしかないっ! 


 片手に剣を片手に雷をイメージした。イラベーアは仁王立ちになって爪で斬りつけてきたけど、それをかわして斬りつける。剣がイラベーアに触れた途端、ジュワーっと大きな音と煙とギョワーっと言う鳴き声をあげて倒れたよ。やっぱり水気に電気は有効だね! ところで私って今まで雷? 電気系の魔法って使った事無かったはずなんだけど…。何でもやってみるもんだね。いきなりでも使えて良かったよ!


 子供たちの所へ行き何があったのか? そして、今抱えている物は何なのかを聞いた。


「暇だったから探検しようってなって、登ってきたら何か鳴き声が聞こえて…近寄ったらケガをしてるこの子を見つけて…」


「お姉ちゃんが可哀想って走って行ったら近くにこの魔物がいて…」


 ようするに、傷ついた魔物を見つけて、介抱しようと出て行ったら襲われている途中だった…って事かな? 辺りを見回すと傷ついた魔物の親らしい死体があった。きっと親子で居た所をイラベーアに襲われたんだね。ポラン君の側に落ちていたシャベルを使って埋めてあげたよ。


「この雨だし、みんな心配してるから早く小屋に戻ろう」


「ねぇありさ…この子は…」


小さくてケガをしているとはいえ魔物だしなぁ…


『その子はディロストーポと言って大人しい魔物だから大丈夫だホッ』


オルがそう言ったので連れて帰って治療してみようか…。


「ねぇオル、このイラベーアって食べられるかな?」


『さぁ? 知らないホッ』


そっか…じゃあスマホで調べてみようかな? 電撃で死んだ訳だし新鮮だよね?


 写真を撮って調べてみると食用、独特な臭いがあるが煮ても焼いても美味って出てきたよ。このままにしておくのもなんだし持ち帰ろう! 収納して雨の山道を戻ったよ。小屋に戻ると外で待っていたミュレーさんに


「こんな雨の日にドロドロになって…何やってたんだい!」


って子供たちはげんこつ喰らってた…。御愁傷様…。


「ありさ、すまなかったね…ありさもドロドロだしみんなで温泉入って来なね」


ですよね…子供たちを連れて温泉に行き、さっき収納したイラベーアを川辺で捌いて、皮は水で洗って肉は切り分けてジップつきの袋に収納しなおしたよ。体も髪の毛もちゃーんと洗ったのでキレイさっぱり! 


 傘を渡すと子供たちが大はしゃぎ。またドロドロになられても困るのでなだめながら小屋に戻ったよ。はぁ~疲れた!

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