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85話 久しぶりの雨

 ちょっとした事件? も起きたけど、無事に囲いも出来たし温泉も完成したので良しとしますか…。今は囲いを作った木こり衆が汗を流すべく温泉に入ってくつろいでいた。私達は次の入浴の時の為にミュレーさん達にシャンプーやらのお風呂セットの説明をしておく。その後は小屋に戻って夕食を食べ、何時もの通り稽古をして寝た。


 朝目覚めると雨の音が聞こえた。ポツリポツリ…


「はぁ~雨が降ってるよ、何だか久しぶりな感じ…せっかく温泉が完成したのに雨なんて…」


「そうだね、今日は何する?」


「そうだね…1、料理の研究2、オグロンガの皮の手入れ3、部屋でのんびり…さぁ!どれが良い?」


「えーっと多分3番ののんびりはミュレーさんが許してくれなそう…だから1番か2番ですよね」


「あっ、やっぱりアイシャもそう思う? 私も3番は無理だなって思った。じゃあ2番の皮のお手入れかな?」


「私は1番の料理の研究がやりたいです」


「そう言えばさぁ、あのレモンベリーって塩をふると色が変色しないんだよ、昨日温泉蒸し料理を味見して、手に塩がついたままレモンベリーをつまんだ時に気がついたの!」


「へぇ~スゴい発見ですね! それなら何か甘いデザートが作れそう…」


「うん、だから収納の中で塩をつけた手で軽く混ぜたから何か作ってみてよ。ちなみにもう既にレモンベリーの果実酒は作ってあるんだ! 飲み頃になるまではまだまだ時間がかかりそうだけどね」


「わぁ~んズルい! 私も飲みたいよぉ。お酒が飲めたらなぁ…」


「いやいやアイシャにはまだ早いよ。でもそう言うと思ってレモンベリーシロップも作り中!」


「やったぁ! それって私も飲めるんだ。楽しみに出来上がりを待ってるね」


「じゃあ着替えて朝食の支度でもしようか」


身繕いを済ませ朝食の支度してみんなで食べた。


「みんなって雨の中でも木こりの仕事をするの?」


「いやぁ雨の日は地面がぬかるんで危ないから小屋で作業だな。道具の手入れとか、掃除とか…ありささん達は何するんだ?」


「今日はお土産に持って来たオグロンガの皮のお手入れでもしようかな…と」


「おっ、それなら俺たちに任せて下さいよ。得意なんで!」


「本当? 助かるよ…じゃあお願いしようかな。ちょっと準備してくるね」


 車に行って段ボール箱に剥いだままの皮を入れて…うわぁ…生臭い…軽く水洗いしておけば良かったかも。


「ゴメンね、剥いだままだから臭う…」


「今日は雨だし大丈夫ですよ。晴れたら干しますから」


「よろしく頼みます」


 段ボール箱を木こり衆に任せ、アイシャにはレモンベリーが入った箱を渡した。やる事が無くなってしまった私は部屋にこもって収納の整理。オルは雨の中、何処かに飛んで行った。ミントは部屋の隅っこで素振りしてる。黙々と作業をしていると部屋の外から声がかかった。


「ねぇ、ありさ今って手空いてる?」


扉を開けるとミュレーさんが


「子供たちが外に行ってるんだけど、もうすぐお昼なのに戻って来ないんだ。悪いけどちょっと見て来てくれない?」


「それは心配ですね…ちょうど終わったところだし探して来ますよ」


「よろしく頼むよ…」


 車に入っているビニール傘を取って出発しようとしたところでオルが戻って来た。


「ねぇオル、子供たちを見なかった?」


『見たホッ、ここから少し登った所を2人で歩いてたホッ』


「そっか…ありがとう、登った所だよね? 行ってみる」


傘をさして山道を登って行く。うわぁ坂道だからなぁ…上から泥水が流れて来るし靴もズボンもドロドロだよ…こんな雨なんだから早く帰って来なよ…。

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