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81話 人は見かけで…

 木こりの小屋に着いて、みんな集まったところで自己紹介をしたよ。もちろん初めてお会いしたティムの奥さんのミュレーさんとかエレンちゃんとかポラン君とかね…。ミュレーさんは女の私でもホゥ…となるような美しい女性だった。優しそうな雰囲気で癒し系! ティムさんもやるなぁ…と思ったもんだ。エレンちゃんはお姉ちゃんでおとなしそうなしっかり者って感じでポラン君は顔に傷なんて作っちゃってやんちゃっぽそう…。


 夕食の支度までにはまだ時間があるので、エレンちゃん、ポラン君と小屋の近くをお散歩しよう! アイシャは少し疲れているから部屋で休むってさ。オルに空から警戒してもらい、ミントは護衛的な感じでお散歩開始。


「こっちだよ! 私達はね、何時もこの付近を冒険してるんだ!」


登って来た道と反対側を下るらしい。サバイバルナイフの様な物を振り回しながら歩いて行くエレンちゃんに距離をとってついて行く。う、うん。山には魔物が出るから武器は必要だよね…。後ろを見るとポラン君は柄が長めで先は小さめなシャベルを両手で握り締めてついてきていた。


 やっぱり人って見かけだけじゃ判断出来ないよね…。頭の中のプロフィールをエレンちゃんはやんちゃ系、ポラン君はおとなしい系に変更した。


「おーい、ちゃんとついてきてるでしょうね」


「ハハハ…大丈夫だよ。みんないるから」


「この木の所をこっちに曲がると川に降りられるんだよー」


この木って周りにも同じ様な木がいっぱいで私には区別がつかないよ…。収納からこっそり赤いビニールテープを取り出し木に巻き付け目印にした。

へぇ~こんな近くに川があったんだね。


 辺りに漂うこの匂いって…硫黄だよね?


「早く早く! ここら辺あったかいんだよ~」


石に触ってみると少し温かい…これって穴を掘れば温泉が作れるんじゃ…早速みんなに指示を出し、石を取り除いて穴を掘る。ポラン君にシャベルを借りたので、簡単に掘れたよ! 掘れば掘るだけ温泉が湧いてくる。湯気が出ているので、恐る恐る手を入れてみると…


「アチッ!」


熱かった…なので川の水を引き込むように道を掘ってみた。


 うんうん良いんじゃない! 頑張ればみんなで入れる温泉場が作れる! せっせとみんなで穴を掘る。腰が痛くなってきたけど、ゆったり入れる温泉を作る為に頑張ったよ。だいぶ広く掘れたけど深さが足り無い…。


 くっ…今日はここまでか…。子供たちも飽きたのか川に石を投げて遊んでる…。


「よし、もうすぐ暗くなっちゃうから今日はここまで! 明日もやるから手伝ってね」


「えぇ~明日も穴を掘るの?」


「そうだよ! 頑張ればみんな喜ぶし、毎日温泉に入れるんだよ? 温泉は気持ちいいんだから」


「はぁい…」


「うん。みんなが喜ぶんなら僕も頑張る!」


「うん。じゃあ今日は帰ろう…。その前に…」


 収納からタオルとバケツを取り出してお湯で体を流してさっぱりしたところで小屋に戻ったよ。


 小屋に戻ると既にアイシャとミュレーさんが夕飯作りを始めていた。


「あんた達! こんな時間まで何処に居たんだい? ほら、薪を持って来な!」


えっ? ミュレーさんって優しそうに見えたのにこんな感じだったの…? 外見に騙されたよ…。またもや頭の中のプロフィールを優しそうな癒し系から肝っ玉母ちゃんに変更した。私って人を見る目が無いのかも…。


「ほら、ありさもボヤボヤしないっ! お肉、ありさが持っているんだろっ! さっさと持って来る」


「はい。今すぐ持って来ます」


車のトランクを開けて収納からお土産のオグロンガのお肉を取り出し抱えて持って行ったよ。その様子を見てミントが下を向いて小刻みに震えてた…。


「ほら、そこの毛むくじゃらの大男も笑ってないで手伝いな!」


ミントも怒られてやんの…ぷふっ! ティムさん家族には騙されたよ…。


今日の教訓! 人は見かけで決めちゃダメ!

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