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74話 ユトンガの根っ子

 飛散した大量の卵を見て、わぁ~綺麗だなぁ…なんて考えてしまったのはみんなに内緒。気が付くとゾワッとして割れた部分に手をかざして燃やしていたよ…。痒い思いをするのも嫌だから白い大きな玉を全て燃やしてやったよ!


 みんなの所へ戻ると、先程森から逃げ出した親子連れも目を覚ましていたので、どうしてあそこに居たのか聞いてみると


「助けてくださってありがとうございます。割れるのはまだ先だと思って…油断してしまった。ユトンガの根っ子には病気を癒す効果があるので取りに来てみれば、運悪く繭が割れてしまって…」


「へぇ~そんな物があるんだね…燃やしてきちゃったけど、根っ子だったらまだ残っているかな? ちょっと行って来る!」


 追加で虫除けスプレーをして先程の場所に戻り、灰になった部分を掘り返してみると藍色の塊があったよ。あちこちを掘り返して根っ子を拾い集めると10数個もあった。自分たち用に少し貰って、残りはあの親子連れにあげようっと!


「ただいま~結構あったよ。ところでコレってどんな病気に効くの?」


「ユトンガの根っ子は万能薬の素材になるんですよ。私たちは素材を集めて売り歩いている行商人なんです。図々しいとは思いますが、少しだけでも分けて頂く事は可能でしょうか?」


「大丈夫ですよ。こちらも色々と教えてもらった事だし、残りは全てお渡ししますよ」


「いやっ、そこまでしてもらう事は出来ません」


「こんなに持っていても…あなたなら必要な場所に届ける事が出来るでしょう?」


私も意地になってしまい、あげる、こんなに貰えないと言い合いになってしまった…。見かねたミントが


『半分ずつにすれば良いだろう』


と言ったので半分ずつにしたよ。


 話を聞くと、ユトンガの根っ子を取ってからホーレイの町のマジナイ師の所へ売りに行く予定だったらしい。私達もホーレイの町を目指していると話すと一緒に連れて行って欲しいと…旅は道連れなんとやらで一緒に行く事にした。親子連れを車に乗せて出発だー!


 親子連れは初めて乗った車に驚いて、はしゃいでる。


「これは凄い! 速いですね~。貴重な体験をありがとうございます」


「いえいえ。ところで、ホーレイの町のマジナイ師って…」


「あぁ、ダンシェルさんの事ですか? 彼はお得意様なんですよ」


やっぱりダンシェルさんでしたか…。彼や、ギルド長のローグさんは元気でやっているだろうか…。町はどうなっているのだろうか…。はやる気持ちを抑えて車を走らせる。


 そういえば、この辺りで騎士団と会ったんだよね。あの時は半月もお城で生活する事になるとは思ってなかったんだよね。ボアボアのお肉、美味しかったなぁ~。なんて思い出しながら走っていると、見覚えのある岩を見つけた。確かこの岩の横に倒したボアボアを山積みにしたっけ。それでお肉を置いて行くって言うから全部収納に投げ込んだんだよね。その場所にはボアボアの血を養分にしたのか植物の芽がたくさん生えていたよ。


 辺りが暗くなってきたので今日のところは岩山を背にキャンプする事にした。もちろん夜ご飯はボアボアのお肉だ! まだまだ収納に入っているんだよね。バーベキューコンロを出してバーベキューだ! 色々な野菜やらお肉、焼肉のたれで豪華な夜ご飯になった。私達は車で、親子連れにはテントを出したよ。


 明日はホーレイの町に着くだろう。早くみんなに会いたいな。

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