61話 幼神様と水の女神様
地面が平らな事もあって、80㎞位出してやったさ! 王子様方も王様も目をキラキラさせて
「凄いなぁ…この乗り物はどれだけ早く走れるのだ? コレがあれば隣国とかに行く時に凄く便利…我が国にも1台欲しいところだが…」
なんて言ってるよ…。そう言われても、買うことも作るのも無理だよね…私の車だからあげたくないし…一瞬頭の中でひょっとして車もコピー出来たりして…なんて思ったけど、これだけ大きいとね…。試しにやってみたとして、出来なければ何ともないけど、もし出来てしまった場合は消す事が出来ないからなぁ。流石にこれだけ大きいと収納にしまう事も出来ないだろうし…。結果、王様に献上する事になるだろうし、もっと増やせ! って言われて国から出られなくなってしまうかも…なんて考えているだけで、身震いしてきたよ…。頭を振って今考えた事を消した。
前方に大きい3本の木が見えてきたので、スピードを落として木の下に止めた。第1王子は
「スゴい! 楽しかったよ」
と言い満面の笑みを見せてくれた。第2王子は
「もっともっと走ってよー」
とワガママを言い出す始末…流石に王様が止めてくれたけど、第2王子には要注意だね! 駄々っ子みたいになっているので、車から降りて騎士団の到着を待ったよ。
外はだいぶポカポカしていて、絶好のピクニック日和かな? 空にいるオルを見ると、魔物らしきものは何も居ないって合図に、空に円を描いて飛んでいた。
無事に騎士団と合流して水の女神の滝に着いたよ! 水の女神の滝はそんなに高さはないけど、段々になっていて優雅な水の流れだった。うぅ~マイナスイオンに癒されるぅ…気がする。
騎士団が付近を探索してOKが出たので滝から少し離れた滝が綺麗に見える場所に従者たちが机や椅子のセットを始めた。専属の料理人も支度を始める。王様たちは椅子に腰かけ家族で何やら話し中!
私は1人滝壺を覗きこんでいると、クスクスと笑い声が聞こえてきた…。この笑い声は…! 辺りを見回すとやっぱりイラッシャイマシタヨ…滝壺にうつった幼神様が…。その横には見たことのない水色一色の優しそうな女性。
「お久しぶりです。今日はどうしましたか? 幼神様」
『いやいや、ありさはここ数日何やら心配しておったろぅ。じゃからコッソリ見守ってやろうと思ってなぁ。こっちにおるのは水の女神じゃ。久し振りなので遊んでいたのじゃ』
「お心遣い有り難うございます。多分、私の行く先がこちらだったので、遊びのついでに見守ってくれるとか、そんな感じですよね⁉」
『クスクス、バレたかのぅ、まぁ失敗しないように見守っててやるから楽しむのじゃぞ』
やっぱり…私の方がついでだよね…。
あっ! そうだ、水の女神様に釣りをしても良いか聞いて見ようっと。
「あの、水の女神様。今日は宜しくお願い致します。それでですね、この滝で釣りをしたいと思っているのですが、よろしいでしょうか?」
『釣りと言うのは何かしら?』
「あの、釣りと言うのは糸に餌を付けて魚を得る? と言うか頂くと言うか…」
『ああ、魚を捕って食べる? と言う事かしら?』
「はい。そうです、そうです」
『構いませんよ。是非、楽しんでいって下さいな』
「有り難うございます」
『まぁ何か困った事があったら妾たちに任せるのじゃ。近くで遊んでいるからのぅ』
「はーい、もしもの時はお願いしますね」
その時、肩をポンと叩かれたので、振り向くと心配そうな顔をした副団長が立っていた。
「大丈夫か? しっかりしろ!」
「えっ? 大丈夫って…? 別に普通ですけど…」
辺りを見回すと騎士団の人達や王様一家、従者の人々がこちらを見ていたよ…? なんで? 不思議な顔をしていると副団長が
「滝壺を覗きこんで身動きせずに1人でブツブツと何やら話しているから…気がふれたのかと思ったぞ」
「はぁー⁉ そんな風に見えていたんですか? ここだけの話、神様からの御神託と水の女神様に御挨拶をさせて頂いてまして…」
「神様からの御神託の他に水の女神様からも御神託を授かれるとは…」
「私なら大丈夫ですので、仕事にお戻り下さいね」
何事もなかったかの様に車に戻り、収納から釣り竿を取り出し3セット分準備したよ。たくさん釣れるといいなぁ!




