60話 不安なドライブ
お粥と薬それにたくさんの水を飲んだ事で、少し二日酔いも良くなってきたよ。
側仕えのライアスさんとセルリアン騎士団の団長のガルダさんと、出発時間やら、ルートやら座ってもらう場所などを話し合って解散した。
車へ行きナビのセットをしながら色々と考えてみる。騎士団が先導してくれるみたいだから、ナビはいらないかな? 音楽も止めておくか…興味をもたれて色々聞かれても説明も面倒くさいし、今あるもの以上のものは用意できないしね…。
ちなみに席順は、助手席に第1王子、運転席の後ろに王様、助手席の後ろは第2王子になった。話によると第2王子は些かヤンチャらしくって、助手席と運転席の後ろだと運転に支障が出るかも…との事だった。頼むから大人しく乗っていてくれよ~。
やる事も終わったので、部屋に戻りますか。明日はミントは赤の騎士団の稽古でアイシャは引き続きカロンさんの所でお料理の研究。オルには空から私達を見守ってもらう事にしたよ。みんなで夕食を食べ、ミントに稽古をつけてもらい明日の為に今日は早く寝よーっと。明日は上手くいきますように…。
緊張の為か何時もより少し早い時間に目が覚めた。服に着替えて、起きてきたみんなに声をかけ、ひとあし先に食堂で朝食をとり、車に向かった。車の側にはたくさんのシュトラがいて、騎士団の人達が準備をしていたよ。馬車ならぬシュトラ車? も2台あって、王妃様とお付きの人、側仕えのライアスさんやコックさんも来るようだ。
私も車に乗り込みエンジンをかけサイドミラーを出しバックミラーを調節していると、王子様方が窓に張り付き中を覗きこんでいたよ…。
「うわっ!」
と驚いてしまったが、窓から離れた王子様方を確認してドアを開け外に出た。
「おはようございます。今日は1日、宜しくお願い致します」
「うん。すっごく楽しみにしていたんだ。よろしくね」
第1王子にそう言われ、子供っぽい話し方で良かった。これなら失敗せずに1日楽しめるかな? なんて思ったよ。第2王子もニコニコして
「早く乗せてよー」
だって。助手席のドアを開け第1王子を、後部のドアを開け第2王子を乗せてドアを閉めた。
王様とお妃様も来たので、挨拶をしてドアを開け運転席の後ろに乗ってもらったよ。お妃様も馬車? に乗り込んだのを確認してガルダ団長と話し出発した。
お城の門を出ると街道沿いにたくさんの人、人、人。王様から
「コレは開かないのか?」
と言われたので、窓を全開にした。王様も王子様方も待っていた人々に手を振っていたよ。
街を出て少しすると、ガルダ団長が手を挙げてスピードアップ。私も追いかけるようにスピードをあげた。第1王子は大人しく外を見ていたけど、第2王子が
「なぁなぁ、これもっと早く走れないの? もっと早く走ってよー」
と、駄々をこねはじめたよ…。王様が
「そんなに早く走ると騎士団を追い抜いてしまうだろう。それでは騎士団が我々を守れないだろう。だから無理を言ってはダメだ」
「えーっ、でもこの車は聖域? になってるって聞いたから少しだけなら…ねぇ、ねぇ…」
「うーーん、少しだけなら…」
えーっ! 王様そこはちゃんとダメだって言って欲しいよね…。第2王子のワガママを聞いちゃうの? 王様は困った顔をして
「少しなら…」
なんて言い出した。
第1王子も期待のこもったキラキラした眼でこちらを見ている。
「少しだけだ! 頼んだぞ」
王様にそう言われ、窓を開け横を走っている騎士に話し掛け、団長の指示を待つと、先頭を副団長に交替し車まで来てくれたよ。訳を話すと苦笑い。
「こうなる事は、わかっていたが…この先に大きな木が3本並んでいる所がある。そこまでだな…」
「……わかりました。そこで待ってます」
団長は先頭に戻り団員たちに合図を出すと車から団員たちが離れたので、スピードを挙げた。車の中では王子様方も王様も目を見開き喜んでいたよ…。
のっけからこんなんで、無事に1日過ごせるのか心配になってきた…。




