58話 赤の騎士団の団長
やってしまったかも~! モノクルのリーダーを元気付けようと思って言った言葉だったのだが、目をキラっと輝かせ私の手を引っぱって研究所に連れて行かれる所だったよ…慌てて
「魔法を教えて欲しいのは本当なんですが、明後日の王様と王子様方とのお出掛けの準備をしなくてはならないので、その後でお願いしたいのですが…」
「あぁ…そうでしたな。わかりました、それではありさ様のお手が空き次第と言うことで…」
「はい。それでお願い致します。私は、引続き車の準備をしますので…」
モノクルのリーダーは少し淋しそうに肩を落として歩いて行った。ちょっと罪悪感!
車のドアを開けて乗り込もうとしたところ、先程から音楽を聴き続けていた団長が
「コレ、スゴいなぁ! 気分が高揚するとは…楽しませて貰ったぜ」
とか言ってイヤホンを返してくれた。まぁそうだよね、ノリノリになれる音楽だし。っていうか、何時までここに居る気だろう? 暇なのかな?
「ところで、ここで油売ってて良いのですか?」
とたずねてみると
「油を売るって…俺は商人ではないぞ? どういう事だ?」
と返ってきた。
そうでした…向こうでは普通に使っていた言葉だけど、こちらでは通じないみたいだね。
「失礼しました。前の世界では、仕事の途中に無駄話をして時間を浪費する事を油を売るって言うんですけど…」
「ハッハッハッ! 面白いな。午前中、忙しかったから午後は休みなんだ!」
「そうでしたか…それは失礼いたしました」
この際だから団長に色々と聞いてみよう! 先ずは団長の名前とかかな。紹介された時は汗でメイクが崩れて恥ずかしい目にあって、早々に風呂場に向かった為にちゃんと聞いて無かったんだよね。
この団長さんは (カーディナル騎士団) 通称、赤の団の団長さんで、グラッド団長。
ガルダ団長率いる (セルリアン騎士団) は通称、青の団らしい。
他には (アルパイン騎士団) 通称、緑の団のウェルド団長と (ヴァンダイク騎士団) 通称、茶の団のアクバール団長がいるんだって。ちなみにモノクルの研究リーダーはブラムさんと言うらしい。
そう言われて見てみると、グラッド団長は赤っぽい服を着ている。って事は服の色で何処の騎士団かわかるし、団長は襟元に金の星が5つついている。確か副団長は…4つだったはずだ。なるほどねぇ、これで名前を覚えればバッチリかな?
車に乗り込むとグラッド団長が俺もっ! って合図してきたので、1度車を降りて助手席側に回り込み
「どうぞお乗り下さい、グラッド団長様」
お辞儀してみた。すると片手を上げ、おう! と答えニコヤカに乗り込んだ。運転席に座ったのは良いんだけど、これからどうしようかな?
とりあえずエンジンをかけて…
「なぁ、走らないのか?」
えっ⁉ 何処に向けて走るのさ…。
「勝手に城の門は出られませんよね?」
「あぁそうだな。だから城の周りを走ろうぜ!」
なるほど、お城の周りをねぇ…
「許可なく走って怒られませんか?」
「調整してたって言えば大丈夫だろ?」
そっか…
「本当に大丈夫かな…もし怒られたら助けて下さいよ」
「あぁわかったから、早く走らせろよ」
この団長は…。そしてお城の周りを30~40㎞位で走った。エンジンも温まってきて温風が出る。
「うぉ~温かいな! もしかして冷たい風も出せるのか?」
「ええ、出せますよ。まだ少し寒いから今は出しませんけど」
「走るのはこのスピードで最高か?」
「いや、もっと出ますけどお城の中では危険ですよね。だから出しませんよ!」
「そうか…残念だがしょうがないか…それならお前さんが自由に城に出入り出来るようになった時にでも…」
「そうですね…その時まで楽しみにしていて下さいよ」
多分、そんな時は来ないかも知れないけどね!
元の位置に車を戻して一緒に食堂に向かう、今日の夕食は何だろう? グラッド団長は
「酒をご馳走してやるから一緒に飲もうぜ!」
まだ人の少ない食堂の片隅に場所をとり夕食を肴にワインの様なお酒をご馳走になった。あまりアルコール感を感じさせない、まろやかで非常に飲みやすい! 少し酔いがまわってきたところで楽しくなってきた! 今日は飲むぞー!




