53話 眠り続けるお姫様
大臣らしき人からの質問責めが始まった。私はそれらの質問に答えたはずだった…。しかし、声になっていなかった。
「それ……神……あた……です」
みんなが首を傾げていた。横にいるアイシャがすかさず助け船を出してくれる。
「僭越ながら私達は平民です。このような場に慣れていないのです。答える気持ちはあるのですが、上手く伝える事が出来ない私達を御許し下さい」
すると王様が大臣らしき人に何かを伝えた後、大臣らしき人が団長、副団長意外の騎士達に謁見の間の外で待機するように指示を出した。左右に並んでいた騎士達が居なくなり少しだけ緊張が薄れる。
はぁ~何か威圧感が凄かったんだよね…。私達…いや、私だけがもの凄く緊張していた。アイシャもミントもメンタル強すぎだよ。
「我等が王は小さな事でお怒りにはならん! なのでキチンと話すが良い」
と団長が言った。私は深呼吸をしてから心を決めた!
「実は私は異世界から来た異世界人です。その時に幼い神様と御縁がありまして…それから色々と助けて頂いております」
「なんとっ! そなたは異世界から来たと申すか…」
王様たちは驚いている。団長と副団長は顔を見合わせ何やら頷いていた。
「はい。アイシャはこの国のパオロ村の出身ですが、私とミントは…」
こうして私は正直に今まであった事を話した。それからオルに聞いていた姫様の話も聞いてみる。
「確かに…確かに我が姉君は呪いによって眠ったままじゃ…あの頃の幼い姿のままでな…」
どうやらオルが言っていた姫様は王様のお姉さんらしかった。
王様がオルに話を聞きたいと言っているけど、私とミント意外は話せないんだよね。ミントと副団長が部屋にオルを迎えに行った。副団長が
「君達は異世界から来たんだな。不思議な物に乗っていたり、持っていたはずだ…出来ればあの時に話してくれれば…」
『あの場では信用できる相手とは思っていなかったからな。今回だってありさは正直に話すか散々悩んでおったよ』
ミントと副団長が出て行ってから、王様が
「もっと詳しく話が聞きたい。今より扱いを客人にする。皆に紹介したいから晩餐に出席するように…」
えっ⁉ また沢山の人が居る場所に行かなきゃダメなの? また声が出なくなりそう…私の顔色が悪くなったのを見て、
「大丈夫じゃよ。私の家族しかおらんからな。私と妃の他に息子が2人だけじゃよ」
王子様か…王様も精悍な顔つきだし、お妃様も美しい。そのご子息ともなれば…何だかドキドキしてきた。別の意味での緊張感が…!
ミントと副団長がオルを連れて戻って来た。王様がオルに話しかけ、私とミントが通訳して王様に伝えた。
「我が姉君とはどうやって知り合ったのだ?」
『窓の外で傷ついていた僕を助けてくれたのだホッ。毎日薬を塗ってくれてお話もしてくれたホッ』
「して、どうやって呪いに?」
『わからないホッ。最初はみんな病気だと思っていたホッ。でも少しずつ少しずつ眠りが長くなっていって…目を覚まさなくなったホッ…そのうちお城の中がバタバタして…マジナイ師が来たり薬師が来たりしたけど…ダメだったホッ』
そして私が説明をした。
「その後、私と出会って解呪の素材を探していたんだよね…」
と。
「そうか…我が姉君の呪いを解くために旅を…。どうか可哀想な我が姉君の呪いを解いてくれないか。その為ならどんな事でも協力しよう。なんなら優秀な騎士をお供につけても良い」
「有り難きお言葉ですが、今の所大丈夫です。もしこの先、私達の手に余る事が起きた時にはお願い致します」
この後、姫様の所に案内してもらえる事になったよ。ベッドで眠るお姫様はとても美しく、年の頃は15、6位かな? アイシャと同年代くらいだ。アイシャは姫様を見るなり
「何年も眠ったままなんて、なんて酷い事を…私許せません」
と涙を流している。オルは
『ホーッホーッ』
と呼び掛けている。
当時の王様を怨んでいた呪い師か…王様も亡くなっている訳で…この世界の人の寿命はわからないけど、その呪い師も…? 生きているから呪いが続いているのか、1度かけられたら解けない呪いなのか…何にしろ王様に頼まれたのだ! みんなで協力してこの若く美しい姫様の呪いを解こう! そう決意して姫様の部屋を後にした。




