33話 森の中に洞穴が…
あぁ今日も寒いなぁ。昨夜は温泉に入ったし少しお酒を飲んだので、今日は元気いっぱいです。
さてと、娘さんをお借りして森の中を探索しますか…。
部屋から出て居間に向かうとアイシャと娘ちゃんが楽しそうに料理中だったよ。
「おはようございます。今日は天気も良いし、森に行くからお弁当作ったんですよ」
「ありさ、おはよう。娘さん料理上手なんですよ。お昼が楽しみです」
「おはよう。お弁当か…楽しみね。でも、遊びに行くわけじゃないんだけど…」
「簡単な朝ごはんも用意したので、食べて下さいね」
「ありがとう。じゃあ、サクッと食べて森に向かおうか」
みんなで朝ごはんを食べて、車に乗り込み森に出発! と、言ってもこの村から森まではあっと言う間だったよ。そりゃそうだよね。何てったって娘ちゃんが歩いて遊びに行っているくらいなんだから…
でもこの車の周りに発生している聖域は必要だもの! 娘ちゃんを危ない目にあわせない為にもね。
「あっ! ここだよ。ここで遊んでいたら、アッチの方からローブ姿の人が走って来たの」
「フムフム、アッチの方角ね。私とオルはアッチを探索してくるから、アイシャたちは車の側に居てね。車から離れちゃダメだからね」
2人に言い聞かせ、私とオルは娘ちゃんが教えてくれた方角に歩いて行く。
地面はまだ白く、足跡とかは無かった。
「ねぇ、オル先行して見て来てよ」
「わかったホッ。先に見て来るホッ」
そう言ってオルが飛んでいった。私は辺りを警戒しながら進む。
「ありさ、洞穴があるホッ。中には…誰も居ないみたいだホッ」
「よし、ちょっと入ってみようか…」
私は剣を片手に洞穴に入って行く。確かに誰も居ない。奥に進むと薄暗く何かの匂いがした。何の匂いだろう? 更に奥に進むと…く、臭い…何かが腐った様な匂いだ。
懐中電灯で照らしてみると、祭壇らしき物があり、地面には魔方陣があった。その真ん中に魔物の遺体…ここで何らかの儀式が行われていたようだ。よくみると洞穴のアチコチに骨が散らばっていた…。
「ねぇオル、この魔方陣って何をするための陣かわかる?」
「う~ん、わからないなぁ…でも嫌な感じはひしひしと伝わってくるホッ」
だよね…スゴく嫌な感じ…取り敢えずスマホのカメラで撮っておこう!
つま先で地面を擦ると陣が薄くなったから、一部分消してみたよ。何も起こらなかったから全部消してみた! この洞穴、今は人が居ないだけなのか、もう使っていないのか…何日か見張ってみる事にした。
車に戻ると、アイシャと娘ちゃんは車内で楽しそうに話していた。
「ねぇアイシャ。何日かバリーさんのお宅に居てくれないかな? 娘ちゃんと仲良くなったみたいだし…」
「えっ? ありさはどうするの?」
「この先の洞穴の近くで誰か来ないか見張ろうと思ってね」
「私が一緒じゃダメなの?」
「ダメって訳じゃないけど寒いし、きっと退屈だよ」
「うーん。ありさがそう言うなら私は居ない方がいいのかな」
「音がしたら車内から外を伺うだけだから…」
「わかった。バリーさんのとこで待ってる」
「うん。何日か見張って何も無かったら、この先どうするか考えよう。バリーさんのお宅に帰る前にちょっと手伝ってくれる?」
取り敢えず車を少し離れたエミーレ湖の湖畔に移動して、みんなでお弁当を食べたよ。
「このお弁当、スゴい…美味しい!」
「アイシャ。娘ちゃんにお料理習っておいてよ」
「ハハ…わかった。色々と教えてもらうね」
「うん。楽しみにしてる」
お弁当を食べ終えて、車を洞穴が見える場所に移動してから手持ちの銀色のブルーシート? を出し、一部に穴と出入りする為の切れ込みをいれてその上から落ちていた枝や雪の様な物をかけてもらう。パッと見てわからないように…
アイシャと娘ちゃんをバリーさんのお宅に送って、バリーさんと娘ちゃんに
「何日かアイシャをお願いします」
そう言って私は車に戻り、辺りを伺う。また白い物が降っている。私の足跡も直ぐに消えるだろう。車に入り込み洞穴を見張る。暖房をつける事も出来ないので寝袋にくるまりながら…ただ…ただ静かに耳を澄ます。




