31話 村の復興そして…
ローブ姿の男か…同一人物なのか、それとも違う人物なのか…幼神様が言っていた悪い気配ってこの事なのかな? 一体全体どうなっているのやら…わからないから何とも出来ないんだけどね…
先日のオーク襲撃事件の被害にあった村人のへの弔いの意を込めて村の真ん中に平和を意味するフュリーヌの樹を植えた。アイシャも村の人たちもその樹に祈りを捧げる。どうか、二度とこんな事が起こらぬよう…見守って下さい…。祈りを終えて樹を見ると一瞬、淡く光った様な気がした。
「ねぇ、アイシャ本当に一緒に旅に出る? この村で助け合って生けて行くって選択肢もあるんだよ。私はアイシャを見守っていこうと思ってたけど…旅の目的は…」
う~ん。旅の目的? 私はただこの世界を知る為にアチコチを見て周りたいってだけだけど……。そして、いずれは落ち着ける場所を探してささやかに生きて行こうと思ってた。今は? ギルドで登録してからは困っている人を助けたいって気持ちが強くなっている。
「ゴメン、ちょっと1人で考えたいから車に居るね」
アイシャを村に残し車に向かう。
少し走って目印の木の下で自問自答する。大好きなミルク強めのカフェオレを飲みながら…これから先、どうしたいのか………………。ローブ姿の男を無視して旅を楽しむのも1つの選択肢だけど…無視出来ないなぁ。ずっと気になるくらいなら何とかしたいもの。
パオロ村に現れたローブ姿の男は多分、いや悪い奴だ。オークを呼び寄せて村を襲わせた。バリーさんの娘さんの件もある。多分、ぶつかったから腹いせに呪われた? いや、見られたからか? じゃあ、あそこで何をしていたのか? そもそもローブ姿って、魔導師的な? この世界に来てからローブ姿って、見たことないや…
う~ん、頭の中がぐちゃぐちゃでさっぱり検討もつかない…幼神様の言っていたこの国に漂う悪い気配…こんなんじゃノンビリ旅も楽しめないよ。
よし、バリーさんの娘さんが呪われた場所に何故ローブ姿の男がいたのか調べてみるか…私は残りのカフェオレを飲み尽くし車で村にもどった。アイシャは村の外で冒険者に剣の扱い方を習っていた。
「アイシャ、私はローブ姿の男を探してみる。この先、危険な目にあうかもしれないよ。覚悟はある?」
「うん。皆の敵を討ちたい。だから私も連れて行って!」
「わかった。先ずはバリーさんの娘さんが呪われた、エミーレ湖近くの森を調べてみよう!」
「うん。今、用意するからちょっと待ってね」
アイシャは家があった場所に行き燃え残った物を纏め始めた。武器や衣服、弟たちが描いたと思われる絵。私は収納から段ボールの箱を出しコピーで増やして渡した。
「この中に入れて、すぐ使う物と暫く使わない物にわけてね」
「ありがとう。すぐに片付けるから」
その間に私も準備するか…段ボールをコピーで増やし、村の人やお手伝いに来てくれた人たちの為に大量の食糧品を箱詰めして村の人に渡したよ。あんまり種類は多くはないけどね…。
準備を終えたアイシャを連れ、村の人たちに挨拶をしてパオロ村を後にした…。目指すはバリーさんのいる村。エミーレ湖の周りは広大な森だったからどの辺りでローブ姿の男にぶつかったのかを教えてもらおうと思う。
途中、途中で車中泊しながら走っていると、空から白い塊が降ってきた。
「えっ? 何あれ」
「この間言ったでしょ。冷たい水の塊が降って来るって」
「あれがそうなの? 何かスゴいね…」
空から降って来たのは氷のヤリみたいな長細くて白い物だった。地面に当たるとパラパラと崩れて雪がうっすら積もったように見える。ゴン! パラパラ…ゴン! パラパラ…車に刺さったりはしなくて安心したけど、不思議な光景だった。音から考えてみると多分、軽めのゲンコツって感じかな? まぁ怖くて外に出なかったけどね。
もうすでに暗くなっていたから、今日は林の中に車を突っ込んで寝る事にしたよ。林の中は、雪? が木に当たって普通の粉雪が降っているようだったから…。
夕食を作る為に外に出たけど、寒いね…こんな日は簡単で? 暖かい料理が食べたくなるよね。バーベキュー用に持っていた牛肉の塊を薄く切って、玉ねぎと、臭み消しにショウガを少し。醤油と砂糖と日本酒で煮込んで、お米を炊いて牛丼にして食べた。紅生姜とお味噌汁が欲しかった…。




