29 話 アイシャの住む村へ
来週は水曜日に投稿予定です。よろしくお願いいたします。
さてと、昨日のうちにアイシャの住んでいるパオロ村への土産物の食料品は買ってある。お世話になったみんなへの挨拶も済んでる。確かパオロ村はここから東南の方向だっけ? ナビをセットして出発するか!
私達が車に乗り込むと、仕事に行ったはずのデイジーさんとかギルドの皆さんが門の外までお見送りに来てくれたよ。
「皆さ~んありがとうございました。また遊びに来ますね。どうかお元気で!」
「あぁ、また来いよ! 何時でも大歓迎だ!」
手を振って車を出発させた。別れは寂しいけど、皆さん良い人たちばかりで居心地が良かったなぁ…まぁ運転中だし、気を引き締めて安全第一で行きますか。
ここのところ大分寒いけど、こっちの世界でも雪は降るんだろうか…そうなると滑らないタイヤが必要になるけど…こっちの世界じゃ手に入らないだろうなぁ…まぁ地面が土や砂利だからそうそう滑らないとは思うけど。もしそうなったら幼神様に相談してみるか…。
「ねぇアイシャ、ここら辺の冬ってどんな感じなの?」
「う~んとね、冷たい水の塊が振ってきて少しの間、白い世界になるよ。だからみんな冬は家に籠るんだよ」
冷たい水の塊? 雪の事かな? やっぱり降るのかな? 少しの間ってどれくらいだろう? 今考えてもわからないからなぁ~。まぁ何とかなるでしょ!
行けども行けども枯れた木や草で寂しい景色が続く。アイシャは随分と遠い距離を連れ去られて来たんだね。途中、何度も殴られたって言ってたもんね、本当無事で良かったよ。
暫く走ると綺麗な泉があったから今日はここで一泊しよう。車を停めて座席をフラットにして寝る準備っと。それから夕食の準備をしようと泉の水で手を洗うと…つ、つめたい…手が凍るかと思ったよ。
水の中を見ていると、サザエの様な巻き貝が見える。
「ねぇアイシャ、この巻き貝って何か知ってる?」
「あっ、これスゴく美味しいんだよ。サンザーエって言うの」
「そうなんだ! じゃあ食べようか」
私はタモを取り出しサンザーエを6つ獲りバーベキューコンロで焼く。弱めの火でじっくりと火を通し、アワがでてきたら醤油を垂らしてっと…よし。早速食べてみよう! うんうん。味も食感もサザエのツボ焼きと同じだね。アイシャとオルにも2つずつ身を取り出して渡したよ。
折角バーベキューコンロを出したので、カウリットとシブーチの町で買った魔物のお肉を焼いて…あぁこのバーベキューの煙の匂い…たまらんです…もう今日は運転をしないからビールも飲んじゃおうっと!
お腹も膨れた事だし片付けて寝ますか。車の中で横になりサンルーフごしに夜空を見上げる。星がキラキラ輝いていて綺麗だなぁ…少し酔っていたし、お腹もいっぱいで寝袋が暖かくて…何時の間にか寝ちゃってた。
朝陽の眩しさで眼を覚まし、フラフラしながら泉で顔を洗うと、冷たくてシャキーン! と一気に眼が覚めたよ。朝ごはんは簡単に昨日の残りのお肉をパンで挟んで缶コーヒーと一緒に食べた。
よし、じゃあ出発しようか! 黙々と車を走らせる事2時間半…広々とした草原らしき場所に1本の大きな木があったよ。アイシャがこの木を見て
「この木が見えたらパオロ村へはあと少しだよ。村の人たちや旅人たちが目印にしてる木だもん」
と言った。私たちはその大きな木の下に車を停めて伸びをして
「あと少しで着くんだね。アイシャの家族に会うの楽しみだな…」
「うん。ちゃんと紹介するよ。命の恩人だって!」
「いや、そういうのはいいから…友達だって紹介してくれれば…」
と、話していると村の方角に煙が見える。そして何人かの人たちがこちらに向かって走っている。何かに追われているみたいだった。
急いで車に乗り込み、走っている人たちに近づくと…その後ろにはブタの様な大きな魔物が3匹…村の人たちと魔物の間に車を停め、取り敢えず火の玉を3発…そしてアイシャと共に剣を構えた…。




