28話 別れの日
あぁ昨夜は楽しかったなぁ! バリーさんの娘さんも元気になったし、デイジーさん親子も仲直り出来たみたいだし! バリーさん親子を村まで送るついでに冬支度にカウリットの毛皮で出来た物を見せてもらおうっと。
私が帰る準備をしているとテムさんがやって来て
「あのさ、ここの村長さんに聞いたら空き家を貸してくれるって。だから俺はこの村の警備担当として、残ろうと思うんだ。この村は何だかのんびりしていて居心地がいい」
そう言えば昨日から何やら考えていたもんね。
「うん。わかった。この村の人たちは優しいもんね。短い間だったけど、一緒に冒険出来て良かったです。ありがとうございました。この村のみんなを守ってあげて下さいね」
「ああ、こちらこそ貴重な体験をありがとう。ありさ達も元気でな」
マレッカさんの家を出るとたくさんの荷物を抱えたデイジーさんとその家族、村長さんも待っていた。
「またお世話になってしまって…また来ますのでよろしくお願いしますね」
「いやいやお世話になったのはこっちの方じゃ。また何時でもおいで」
「はい。皆様もどうかお元気で」
「マレッカさんお世話になりました」
「何時でも来てくださいな。待っていますよ」
車に乗り込みオレント村を後にした。テムさんも笑顔で手を振っていた。バリーさんの住む村はエミーレ湖の近くと言うことでひとっ走り。
村に着き、バリーさんに案内してもらいカウリットの製品を見せてもらう。マントや帽子など色々な物があったよ。そんなに高くないし、ここ最近のクエストでちょっとお金持っているんだよね。まぁ私にはブーツとマントがあるから、ここは1つ、いつも頑張ってくれているアイシャにプレゼントしよう!
マントと帽子と足に巻くようの毛皮を買いアイシャに渡すと
「えっ? いいの? こんなに素敵なプレゼント貰った事ないよ! ありさ、ありがとう」
と言って早速身につけている。うんうん。喜んでくれて何よりだよ。デイジーにも何かプレゼントを、と製品を見繕っていると、デイジーと眼が合ってクスッと笑った後
「ありさ、私は家族から貰った物があるから間に合っているわよ」
あらっ! わかっちゃいましたか…。ハハハ…愛想笑いで誤魔化した。
買い物も終わりバリーさん親子とお別れの時が来た。
「本当に…本当にありがとうございました。娘が助かったのも、ありささん達のおかげです。私1人だったら無理だったかも知れない。何かあったら言って下さい。出来る限りの手助けをしますから」
「はい。こちらも色々と勉強になりました。どうかお元気で」
人がたくさん乗っていて賑やかだった車内は少し寂しくなったけど、まだまだこれから増えたり減ったりして旅が続くんだろうなぁ~。
私達は無事シブーチの町に戻り、デイジーのお世話になりながら害獣駆除やら人助けやら幾つかのクエストをクリアしてお金を貯めていった…。
「そろそろお金も貯まったし村に帰ろうかな…家族も心配だしね…」
そうアイシャが言った。
「そうだね。何時までもデイジーに甘えてばかりもいられないし、アイシャを送りがてら私も旅に戻ろうかな」
「えっ! もう行っちゃうの? 何時までいても良いんだよ?」
「うん。ありがとう! でもまだ旅の途中だし、また来るよ」
「そっか、寂しくなるなぁ。何時でも来て良いからね。ありさもアイシャも気をつけてね」
「うん。明日準備して明後日に出発するよ。だから明日はパァっと飲もう」
次の日、私とアイシャはギルドに行きギルド長のアントンさんに旅立ちの挨拶をした。
「あぁ、さっきデイジーに聞いた。ここの冒険者達も感謝していたぞ。リラやソニアもお礼がしたいって言ってたし今日はここでみんなで飲むか!」
「ありがとうございます。私もお世話になった皆さんの為にお料理準備して来ますね。それじゃ、また夜に…」
私達はメイン通りで買い物をして、持っている材料を使って調理する。カウリットのお肉も手に入れていたので、カウリットの串焼きとカウリットの角煮を作ろう! 串焼きは塩コショウとハーブを刷り込み串に刺して、角煮はまず、表面を焼いて缶ビールと日本酒を使って煮込んでいくよ。ショウガと長ネギの緑色の部分を醤油と黒砂糖と一緒に圧力鍋に入れて…もちろんクスリを作った鍋じゃなくてコピーした普通の圧力鍋で、だよ。煮えたら余分な脂と灰汁を取り除いて、蓋をしないでグツグツと!
調理を終えてギルドに運びパーティーの始まりだっ! リラさんや冒険者達もみんなで持ち寄ったから机の上には料理がいっぱい並んでいて…思いのほか盛大な飲み会になったなぁ~。
冒険者達やリラさん親子、ギルド長にデイジー。ここは居心地が良かったなぁ~楽しかったし。明日はアイシャの住む村に出発だ!




