26話 オレント村 再び
確かバリーさんの娘さんはエミーレ湖の近くの森で呪いを受けてしまったと言っていたっけ。バリーさんに娘さんの居場所と村の事を聞いてみると、娘さんはオレントと言う村のマジナイ師のお宅でスリーピーの魔法をかけてもらい眠りについているそうだ。
そうか! エミーレ湖近くの村って私もお世話になったオレント村の事だったんだね。それで、マジナイ師の名前はマレッカさんだと。そして住んでいる村ってのが、話しに聞いた事のあるカウリットを飼育している村らしかった。
なるほどね! オレントに行くならついでにデイジーさんも一緒に行けないかな? あの親子を仲直りさせてあげたいし…取り敢えず休みがとれるか聞いてみるか。
シブーチの町に戻り、ギルドに顔をだすとデイジーさんとギルド長のアントンさんが話していた所だった。
「ここの所、細々した仕事が続いたからなぁ。落ち着いて来たからまとめて休みをとってもいいぞ」
「はぁ~ありがとうございます。やっとですか…」
「ああ、すまなかったな。まぁゆっくり休めよ」
なんてジャストタイミング!
「デイジーさん。纏まった休みなら私達とドライブの旅にでましょう。ほら、急いで準備してください」
少し強引に誘ってみた。
「あれっ、いつ戻ったの? それに旅って今から?」
「そうですよ。もう仕事終わったのでしょう? ちょっと急ぎの旅なんで、早く早く~」
「う、うん、わかったから1回家に戻らせて」
「私達は門の外で待ってますから急いでくださいね」
そう言うと、デイジーさんは同僚に声をかけて家に戻って行った。私達は車に戻り、もう1人増える事を伝えてデイジーさんが来るのを待った。
暫くすると、荷物を持ったデイジーさんが来たので荷物を収納してオレント村に車を走らせた。
「ねぇ、一体何処に連れて行ってくれるの?」
「いやぁ、仕事が忙しくてなかなか村に帰れなかったでしょ? 家族の人たちも心配していたみたいだし、私達は用事があってオレント村に行くから、一緒にって思ったの」
「えっ! そうだったの。ありがとうね。歩きだと日にちがかかるから、まだまだ帰れないと思っていたんだよね」
「でしょ」
途中、何度かの休みを取りながらオレント村に着いたよ。デイジーさんは自分の家に戻って行き、私達はマレッカさんの家に向かった。
「こんにちは、マレッカさんいらっしゃいますか?」
「あらあら、来てくれたのね。嬉しいわ」
「はい。今日は呪いの件で来ました」
「娘は? 娘はまだ大丈夫ですか? 解呪の材料を持って来ました。これでお願いします」
「そう、ありささんと一緒だったのね。では早速、解呪のクスリを作りましょう」
バリーさんはカバンの中から大ムカデの赤い脚と青いマーマンの髭。それと茶色いグルコンを出した。
「あっ⁉ グルコンの色が…せっかくありささんに頂いたのに…」
時間が経過してしまった為にグルコンが茶色く変色してしまったみたい。落ち込むバリーさんに大丈夫だと伝え、新たにグルコンを取り出して渡した。
それらの材料をマレッカさんが鍋に入れて聖水を足し
「少し時間がかかるわね。部屋を用意するから休んでいてちょうだい。ありさは手伝ってね」
「はい。私に出来る事なら、手伝わせてください」
バリーさんは未だ眠り続ける娘さんの元へ、アイシャとテムさんは部屋で休んでいる。
マレッカさんの部屋へ行き、解呪のクスリの作り方を教えてもらう。
「作り方はね、呪文を唱えながら材料を鍋で煮込むのよ。早くクスリを作ってあげたいのだけど、時間がかかるのよねぇ」
「どんな状態になるまで煮込むんですか?」
「呪文が混ざって色が変わってドロッとするくらいだから2,3日位かかるかしらねぇ」
うーん。もっと早く出来る方法は無いかな……あっ! そう言えば圧力鍋があったっけ…ちょっとやってみるかな!
「あの、鍋って何でも良いんですか?」
「そうねぇ、何でもって訳でもないのよ。お料理用の物と一緒だとお料理にも影響が出ちゃうからねぇ。料理用とは別だったら多分大丈夫なはず。クスリ用の鍋は別に用意してね」
それなら圧力鍋をコピーで1つ増やして1つはクスリ用にしちゃいますか。ここでやって爆発したら危険なので、外でコソッと実験だ!
マレッカさんに呪文を教えてもらい、人目につかない少し離れた場所でカセットコンロを取り出し、材料と聖水を圧力鍋に入れた。マレッカさんは呪文を唱えながら混ぜていたけど、それは出来ないので鍋に手をかざして教わった呪文を唱えよう。さて、どうなる事やら…。




