16話 小さな相棒
私はシブーチの町を目指しながら考える。昨日の大福のようなコルジァーナ。咄嗟に手を出して聖域の中に入れてしまったけど、魔物なんだよね…。もし傷が治って襲ってきたらどうしよう…? 私が聖域の外に逃げるか…今のうちに外に置いて来るか…でも、見た目が小さくてとっても愛らしく可愛さ満点。ふぅ~どうすればいいのかな。
ひょっとして、幼神様が言っていた、ペットを派遣してくれたんだろうか? 悩んでいると、スマホが鳴った。えっ? このスマホってこっちの世界で通話出来の? 画面を見ると幼神様の顔が写っていて……って、いつの間に……。通話状態にしてみると、テレビ電話のようになっていた。
「ありさよ。其奴は妾の派遣した者ではないぞ」
「えっ? でも聖域に入れましたよ」
「いやいや、ありさが触れていれば魔物もその中に入れるぞ。教えて無かったかのぉ」
「知りませんでした。それじゃあ、私が魔物に捕まれたまま聖域に入ると魔物も一緒に入って来ると…」
「うむ。その通りなのじゃ」
「え~っ! もっと早く教えて欲しかったんですけど…」
「まっ、まぁ今まで無事じゃったのだから、今聞けて良かったじゃろう」
「まぁそうですが…うぅ~」
「まぁそう怒るでないぞ。ちなみにありさに派遣するペットの事じゃが、事情がかわってな。もう暫し待つがいいぞ。その方がありさにも良いじゃろうて…まぁお詫びと言っては何じゃが、そのコルジァーナはありさと波長が合うみたいだし話し相手にすると良いじゃろう」
「えっ? この魔物話せるのですか?」
「うむ。傷の治療も出来ているみたいだし、コルジァーナは頭も良く物知りじゃからありさとだけ話せるようにしておこう。念のため妾からありさを守るように話しをつけておくぞ」
「ありがとうございます。助かります。ちなみに私に話していない命にかかわるような事は他にはありませんか?」
「うむ。多分……大丈夫……なはず……まぁ妾は時々ありさを監視しておるから大丈夫じゃろう」
「あっ私、監視されているんですね…」
「まぁ妾のせいでこの世界に来たひよっこじゃからな。暫らくはありさの事を見守っておるよ。頑張れよ」
プツっ!あぁ~もう! 何で大事な事を後から言うのよ! 本当に今まで無事で良かったよ。はぁ~今後気をつけなくちゃ。
さてと、この愛らしいコルジァーナに名前をつけなくちゃ。大事な大事な相棒だからね。タオルを開くと満面の笑みのように見えるコルジァーナがまだ眠っている。何でフクロウの目を閉じた顔って微笑んでいるように見えるんだろうね?
名前…名前…真っ白だからシロとか雪とか? 見た目が大福っぽいから大福とか? う~ん何にしようかな。しばらく悩んだ結果、フクロウ=オウル=オル! うん。呼びやすい! まぁこれでOKにしとこうか…。
「今日から君はオルだよ。これからよろしくね」
「ホッホーよろしく頼みますよホッホー」
あっ、いきなり話しちゃいますか…って言うか、頭の中に響いて来たよ。なるほど…他の人には普通に鳴いているように聞こえるのかな?
あぁ、ものスゴく可愛いなぁまるで小さなヌイグルミのよう。小さかった時に夢にみたヌイグルミとお話しする事が叶ったようで、これからずっと一緒に居られる事を考えるとワクワクしてきたよ!
オルに食べ物の事やら1日の過ごし方を聞いてみると、食べ物は同じで大丈夫らしく、別に夜型という訳でもなかった。なので、私と同じに過ごせるみたい。昨日は飛び疲れて休んでいた所にあの真っ黒いカラス(コルヴァロと言うらしい)の集団に襲われたと言う事だった。まだ少し傷が痛むらしいけど大丈夫だって。
新しい小さな相棒、これからよろしくね! そういえば、朝ごはんがまだだったっけ、お腹が鳴ってるよ。外に出てバーベキューコンロでサーディスを塩焼きしてご飯を炊いてインスタントの味噌汁で朝ごはん兼お昼ご飯を食べ、シブーチの町に向かう。
しかし、周りは岩場と枯れた草原の繰り返しで、走っていて退屈だった。
すると、オルがこの近くにカリディアと言う植物の種が落ちていて、種の中身が旨いのだって教えてくれた。探してみるとそれは胡桃に似ていて、カリっとしていて香ばしく美味しかったからシブーチの町で売ろうかなと、たくさん集めたよ。色々な食材を売って衣類を買おう!




