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15話 小さな出逢い

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 前回はマヤナさんを乗せ夜道を飛ばして走ったけど、今回はゆっくりと行こう! 急ぐ旅じゃないからね。今日は私だけしか乗っていないからお気に入りの音楽を聞きながらオレント村に向かった。


 途中、お昼休憩をはさんで進んで行く。もう夕暮れ。夕陽が眩しくて目を細める。前の世界と変わらず夕陽がキレイだなぁ。ナビを見るとゴールのオレント村まではまだまだ辿り着けそうにない。完全に日が暮れて夜になった。今日は星も見えずに辺りに光りは見えない。漆黒の闇だった。


 多分オレント村に着くのは夜中になるだろう。なので今日は枯れた草原で車中泊をすることにした。車を降りると結構寒い。私がこの世界に来る前の世界は夏真っ盛りだったから長袖の服は薄いパーカーしか無いんだよね。マヤナさんにもらった服は何セットかコピーしてあるけど、これから先はキツくなるだろうね。オレント村を出た最初の目的地を服が調達出来る場所にすることにして村の人たちに聞いてみよう! 


 マローネンのお握りとカップの春雨スープで夕食を済ませ、シートをフルフラットにして寝たよ。朝日の明るさで目を覚まし、コーヒー牛乳と何時ものパンで朝ごはん。さぁ行こうか! 


 村に着き村長夫婦に挨拶をしてから職人さんの家に向かい、ブーツとマントを受け取った。うん! 想像通りの物になっていたよ。お代は要らないって言ってくれたけど、それでは私の気が済まないので、代わりにシャーモシーやらマローネンやらの食材を渡したよ。もちろんコピーしたから食材は全然減ってないけどね。


 それから服を調達出来る場所を聞いてみたら、歩きで1週間くらいの場所にシブーチの町がある事を教えてくれた。


「あそこの町は店がたくさんあって人も多いぞ。色んな物が売っているし、色んな物を買い取ってくれるから寄った方がいい」


「大きな町なんですね。楽しみです。教えてくださってありがとうございます」


「ああ、あそこに行くならちょっと頼まれてくれないか?」


「何でしょう?私に出来る事ならやりますよ」


「うん。冒険者ギルドにデイジーと言う私の娘がいるから荷物を渡して欲しいんだ。荷物をまとめてくるから暫し待っていてくれないか?」


「わかりました。それでは私はマレッカさんの所におりますので…」


「うん。準備が出来たらマレッカの家に持って行こう」


 早速マレッカさんの家に向かった。アシットさんが出迎えてくれたよ。お茶を用意してくれてシブーチの町に向かう事を告げると


「それならありささんも冒険者ギルドで登録をした方がいい。登録すればこれから先の旅が楽になるよ。この国の色んな情報とか、税金が安くなったりするから。俺も登録していますから…」


「ありがとう。私も登録してみようかな」


マレッカさんは、私の心配をしてくれているようで、ずっと祈ってくれていた。


「マレッカさん色々と教えてくださってありがとうございます。また寄らせて貰いますから、どうかお元気で…」


ノックの音がして職人さんが荷物を抱えて入って来たよ。


「この荷物を頼む。冒険者ギルドのデイジーだぞ。必ず渡して欲しい」


「わかりました。任せて下さい。色々とお世話になりました」


 私は愛車に荷物を積み込みオレント村を後にした。ナビをセットしてシブーチの町を目指す。う~ん遠いね…けど、暖かい服を求めて行くしかない! 車を走らせて、走らせて夜になった。今日も真っ暗だった。周りに明かりがないので、どんな地形になっているかわからないから安全の為に夜は走るのをやめた。


 簡単な夕食を取り車の中で寝ていると、外からバサバサと音が聞こえる。耳を澄ませていると、ビタンと音がした。どうやら何かが車の周りの聖域に当たったようだった。車内の明かりをつけてみると真っ白い大福のような物が聖域の外に落ちていた。しかしバサバサと言う音はまだ間近に聞こえる。空を見上げると真っ黒い大きなカラスのような物が何羽か飛んでいる。白い大福を狙っているみたい。私は外に飛び出してその白い大福のような物を拾い上げ聖域の中に入れた。カラスのような物は聖域の周りを飛び周り、私目掛けて突撃してきたけど、聖域に阻まれ飛び去って行った。


 大福のような物を見てみると、それは一羽の小さなフクロウのような物だった。まだ温かく小刻みに震えている。スマホで写真を撮るとコルジァーナと書いてあった。怪我をしているようなので、治療の方法を検索してみる。モースの実をすり潰して塗るといいらしい。モースの実を検索すると、この先の岩場に生えていると書いてある。朝になったら探してみるか…とりあえず今はタオルにくるんでおくとしよう。


 少し寝て外が明るくなってきた。車を走らせ岩場を目指すと、すぐに見えて来た。目に着く植物を片っ端から写真に撮りモースを探す。でも全然見つからない…早くしないとコルジァーナは死んでしまうかも……焦って足を滑らせ岩場に手をつくとそこには白っぽいコケがびっしりと生えていた。写真を撮ってみるとこれがモースらしい。良く見てみると、赤い小さな実が付いている。コレだっ! 私はピンセットを使って赤い実をたくさん集めた。それを石ですり潰してコルジァーナの傷に塗った。残りはコピーで増やして持っておこう。多分これで大丈夫なはず……再びタオルでくるんで車を走らせた。

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