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雪の下の地の底 1

投稿頻度を上げ完成を優先するため、誤字脱字誤用の修正は後回しとなります。

私事で投稿が頻繁に止まることもあります。

太陽活動が活発化したかと思えば急激威に衰えた。

気温は落ち連日雪が降り続ける日が続き、凍てつく寒さに人類は地下へと逃げる。

全てが白に包まれ文明も人も地上から姿を消した。



ゴウンゴウンと鼓動するかのように一定のリズムで大型の機械が音を立てている。

この場に溜まった埃と機械油で汚れた男が固形燃料のランタンを掲げ機械の奥を覗く。


「おーい、フウテツ。そろそろ昼めし食おうぜ。にらめっこしても無駄だ、道具が揃わねぇと、それはどうしようもねぇよ。固まっちまってる、一度上に上がらないとな。どうせ今日は様子見、直せそうならできるとこまでやっておく。今日はできることはねぇよ」


フウテツの背後から別の男が他の機械の音に負けない大声を上げて呼ぶ。

腕を上げジェスチャーで返すと工具をしまい機械の蓋を閉めてフウテツはランタンを持ち出口へと向かう。


「イサマ、やっぱり汚れがこびりついててダメだった。一回洗浄か何かして汚れ取らないとあの発電機は修理も分解できそうにない」

「だろ? 何分この施設全体、浄水タービンも古い機械だからな。本体だけじゃなくてこういう他の機械もすっかり汚れちまった。汚れを巻き込んで動き続けた結果、固まって詰まっちまったんだろうな。今日は無理そうだな、使ってない洗浄機を探して一日が終わるだろうな」


光の届かない暗い部屋から青白い光源に照らされた灰色の壁の通路に出ると、油臭い厚手の手袋と作業用のコートの脱ぎ乗ってきた二人乗りの電気自動車の上に放り投げる。


「ああ、130年も使っていればこんなにもなるだろうよ」

「資源不足で整備の優先度が低いからって壊れるまで放置するか普通。壊れたら除けに資源を喰うだろうに、部品の製造だって苔みたいに勝手に育ってくるわけじゃないんだぞ」


「年に数回しか使わない倉庫の電源なんてそんなもんだろ。ここまでじゃなくても同じようなのならいっぱい見つかるだろうさ。さぁ飯に行こうぜ。今の時間ならまだ工場の休み時間と被らないからまだ座れる場所があるかもしれねぇ」

「わかったよ。トランクに荷物詰め込んだらな。人通りが少ないからって仕事道具が盗まれる可能性はゼロじゃないんだからな」


イサマは後片付けをしているフウテツを置いて先に通路を進み上層への階段へと向かう。

灰色の床と壁、青白い光を放つ手を伸ばせば届いてしまいそうな低い天井、淀んだ空気、どこまでも続く入り組んだ長い通路。

少し人気のない道を見れば子供の落書きや遊びっぱなしの廃材が散らかっている。


「何喰おうかな、今月割と厳しいんだ」

「毎月厳しそうだけど?」


下層の工場地帯から少し階層を上がったところにある飲食街に出る。

物資の搬入などの問題でほぼすべての商業施設がこの階層に集められ、この場所は昼夜を問わず人で賑わっていた。


「やっぱりまだ人は少ないな、その辺の飯屋でいいよな」

「この辺には詳しくないし、まぁどこでも」


イサマとフウテツは近場にあった大衆食堂へと向かい注文をして空いている席に着く。

料理ができるまでの間、イサマが壁に張られたメニューの張り紙を見ながら口を開く。


「そういや遠征隊が昨日帰ってきた話は知ってるか?」

「公式発表で言われてたからな、仕事中で話は半分も聞いてなかったけど。何かあったのか?」


「発表じゃ大成功とか言ってたけど、実際は車両をロスと負傷者多数で資材もそこまで集められなかったらしい。前回も燃料や人的資源の消耗と比べマイナスにはならなかったってだけでそれほど大きな収穫もなかったみたいだし。いい話題がないよな」

「またどっからそんな話を聞いてきたんだ? 昨日の今日だろ?」


「俺の知り合いに遠征隊の整備士の知り合いの知り合いがいてそこから。ほら、独り身用の共同団地だろ顔なじみが多くてな、その中に上で働いている奴の知り合いがいるのよ。それでよ、今回の遠征も資材の回収がうまくいかなかったってなるとまたしばらく物価が高くなるな。もう飯代だけで生活カツカツだってのにな、勘弁してほしいぜ」

「危険を冒して外に出てもらってるんだ仕方ない部分もあるさ。実際に外に出てない俺らがどうの言えることでもないだろ」


頼んだ料理が運ばれてくると二人はすぐに手を付ける。

工場の休憩時間が始まったようで店は混雑し始め通りを往来する人の数も増え始めた。


「上の人間向きの毛皮や宝石とかはいいんだよ。せめて食料になるもの。今香辛料が不足してるだろ、この味の薄い藻のスープだってそうだ。機械の不調で薬草園の植物全部だめにしちまったから種子を持って帰ってくないとだめなんだ」

「この間はキノコ栽培用の原木がもっと必要とか言ってたし、チキンバードの品種改良がどうのとかも言ってたよなイサマ?」


フウテツは根菜とキノコと昆虫の炒め物を頬張りながら考える。


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