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熱中症
「はあ……」
一向に進まない夏休みの宿題を見ながら、俺は何度目かのため息をついた。震えたスマホを見ると、親友から体調を気遣うメッセージが入っていた。また一つ、ため息の数が増える。
――昨日、俺は親友と、それから女友達と三人で花火大会に行った。だが、俺が中座した隙に女友達が親友に告白しているところを目撃しまい、動転して途中で帰ってきてしまったのだ。
「もう大丈夫。一晩寝たら良くなったよ。軽い熱中症だったのかも」
本当は全然良くない。今だって頭が痛いが、これは昨晩泣きすぎたせいだ。
「よかった、安心したよ」
すぐに戻ってくる返信に、少し考えてから返す。
「あれからどうだった?」
「めっちゃ花火きれいだったよ!」
聞きたいこととはズレた返信とともに、ぽこぽこと何枚も花火の写真が送られてくる。萎みかけのところだったり、変にブレていたりとどれもイマイチだが、彼が撮ったのだな、というのがよく分かる。
「来年は一緒に見れるといいな」
そうじゃなくて、とメッセージを打つ。少し迷って、消す。それを三回繰り返し、結局「そうだね」と短い返信を送った俺は、スマホを置いてまたため息をついた。




