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【1話30秒】BL掌編集  作者: 二ッ木ヨウカ


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半年

 最寄り駅まで送るだけのつもりだったのだが、結局僕はずるずると新幹線のホームまで来てしまっていた。


「ありがとう、もういいよ」


 振り返った義兄が、僕が引っ張っていたスーツケースに手を伸ばす。離すまいと取っ手を握り込むと、やや強引にそれを奪い取られた。

 空席を探し、ホームを歩く。帰省シーズンだけあって、どの車両も人で一杯だ。


「次は……いつ、帰ってきますか」


 黄色い点字ブロックに、時折キャスターが引っかかるのを見ながら尋ねる。いつの間にかホームの端についていた。


「うーん、冬休み……かなあ」


 振り返った義兄は、ホームからぞろぞろと乗り込む人を眺め、少し考えたようだった。それから僕の顔を見る。


「……席空いてないみたいだし、次の新幹線にしようか」


 次発待ちの列に並ぶ、義兄の隣に立つ。


「そんな顔しないでよ。……ね、また会えるから」


 汗で湿った指先が軽く触れ合う。

 僕はただそれに、はい、と答えるのがやっとだった。

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