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秘密の鍵
かつて栄華の極みと贅の限りを尽くし、魔法使いの手によって時空の狭間に閉ざされてしまった黄金郷――エル・ドラド。
その地に入るために必要とされる魔法の鍵を先生が探し始めたのは、早くも数年前のことになる。
日銭稼ぎの鉱山から僕が戻ると、先生は珍しくウイスキーのボトルを抱えていた。既にだいぶ飲んでいるらしく、くたりと机に突っ伏している。
「ありゃ、先生?」
手を伸ばすと、「なあ」と縋るように僕の手首を先生が掴んできた。
「本当に……あると思うか? 黄金郷なんて……私は、ただ……ありもしない幻想に踊らされているんじゃないのか?」
「いつも『絶対に黄金郷は存在する!』って叫んでるのにどうしたんです? らしくないですよ」
「ああ……うん。だが……」
そこで言葉を詰まらせたように黙ってしまった先生は、泣きそうな顔で目を細めた。その手からグラスを取り上げて、僕は先生の頭を抱いた。
「っ……」
小刻みに震える頭を撫でながら、耳元で囁く。
「大丈夫ですよ、先生。黄金郷に入るための鍵はきっと見つかります」
だって、その鍵は――ずっと僕の首にかかっているのだから。




