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古いポラロイド写真
「昔のチェキって大きかったんですね」
ちぇき? レポートを出しに来た学生が何を言っているのか分からず、私は数秒間沈黙した。彼女の視線の先にポラロイド写真があるのを見て、ようやく言いたいことを理解する。
「ああ、これね」
当時でもだいぶ年代物だったから、今の子は知らなくても仕方ない。頷いていると、彼女は黄ばんだデスクマットの下から無遠慮に写真を引っ張り出した。蛍光灯に晒され、色褪せてしまった表面と私を何度も見比べる。
「右端は先生ですよね、これ? 他の人は誰なんです?」
「当時の研究室の……仲間、だよ」
言いながら、自分の言葉が胸に刺さるのが分かった。
大切な仲間。そして、それ以上にはなれなかった相手。
ふうん、と頷いた彼女は、もう写真に興味をなくしているようだった。それじゃお願いしますね、と足早に去っていく背中を見送り、手元に残った写真を見下ろして私はため息をついた。
(もう、昔の話だ)
そう自分に言い聞かせ——私は結局、写真をそっと元の位置に戻したのだった。




