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誓いの指輪
「まったく、散らかすだけ散らかして……」
呟きながら夫の服を持ち上げると、間からポロリとなにかが落ちた。ころころと落ちていった先を追って机の下を覗き込むが、暗くてよく見えない。
箒を突っ込んで掻き出すと、埃とともに指輪が姿を現した。私の指に嵌っているものより古くくすんでいて、表面は傷だらけになったものだ。
やれやれ。指輪をつまみ上げた私はため息をつき、部屋の片付けを再開した。
じき帰宅した夫に夕飯を出し、横に座る。
「ほら、これ。部屋に落ちてたよ」
ピカピカに磨いた指輪をお皿の横に置くと、「あっ!」と彼は目を見開いた。
「良かった、これどこに行ったのか探してたんだよ!」
ぱっと明るくなった表情が、相手が私だということに気づいたのか気まずそうに萎れていく。
「……ごめん、嫌なもの見せた、よね」
別に、と目を逸らしながら答える。
「っていうか……謝る相手、私じゃないでしょ」




