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神話存在と父親の忠告

蓮斗「効果弱めたが、精神生命体に近いとこうなるのか.....うん、いい事がしれた。」

天羽「あぁあぁ、泡吹きながら白目剥いてるよ.....流石にえぐいな。って、此奴寄生体なんだろ?何かに寄生させないと死ぬんじゃないか?」

蓮斗「その点は織り込み済みだ。」

そう言いながら祇梨蓮斗が取り出したのは一つの肉片だった。

天羽「うげ.....なんだそりゃ。」

蓮斗「クローン厄災の一部だよ。こいつにこう、闇系統の魔力を流し込めば......よし、できた。」

そこに出来ていたのは異形の肉人形だった。

天羽「これは...手足の機能が無いな。こいつに寄生させるのか?」

蓮斗「あぁ、下手に身体機能があれば抵抗するだろうからな。非人道的ではあるが、こいつのせいで何人も死んだ。それ報い、あるいは罰だな。」

天羽「罰、か.....まぁお前の考えには一理ある。動揺はしても、否定はしないよ。」

蓮斗「そう言ってくれると、助かる。」

そんな短い会話を終えると祇梨蓮斗が気を失うモリアーレを掴み人形に押し当てた。すると、寄生体であるモリアーレは人形に寄生し同化した。

蓮斗「一応、成功と言っていいかな.....?」

天羽「祇梨の魔法で気は失ってはいるが、まぁ問題ないだろう。」

蓮斗「じゃぁ、荒山さんの所に向かうか。」

天羽「おう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

避難所D、そこには多くの避難民と改造人間達と戦闘を繰り広げたルミナストリニティの面々が居た。そこでは捕縛されたニルフ・カレンの幽閉と避難民の治療が行われていた。

霧島「...終わったみたいだね。」

エイナ「うん、まさか戸塚ちゃんの言ってた子がここまで強いなんて思ってなかったよ。」

戸塚「私も、驚いた。彼、以前より数段、強くなってた...!彼の事を、天才って言うんだろうね。」

霧島「確かに。私達もエーゼルファリアじゃ天才って言われてるけど、あの強さを見ると、自分がどれだけ自惚れてたのか再確認できたよ.....」

エイナ「やっぱり、大災害に勝っちゃう人って、才能がある上に努力も惜しまないんだろうね。」

霧島「...決めた!エーゼルファリアに帰ったら位置から鍛え直す!」

戸塚「いいね...!私も付き合うよ.....!」

エイナ「私も私もー!」

そんな和んだ雰囲気で少女達は会話をしていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

荒山「新島よ、傷の方は大丈夫か?」

新島「はい、宵ノ森さんの魔法で綺麗に治りました。」

荒山「そうか...して、今回の戦争で団員は何人死んだ....?」

新島「西田はると、小西奈留、井上賢哉、佐々木広夢、緒方真美、野崎遥の6名です.....。死因は、民間人を厄災から守る為に戦闘し死亡、救助活動中に建物の倒壊に巻き込まれ死亡、敵の部隊長に襲撃され殺害です.....」

荒山「そうか.....優秀で、他者思いな者達だった...!」

そういう荒山厳十郎の目には涙が浮かんでいた。荒山厳十郎は国防軍に入団している全ての者の顔と名前を覚えている。それ故に、死んだ者が誰かすぐに理解した。

荒山「彼らの死を忘れない為、慰霊碑を作ろう...それが、死んでいった者達に対するできる限りの手向けだ...!遺族には出来るだけ悲しみを与えない様に伝えろ。いいな?」

新島「了....!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

宵ノ森「滝壺、楽海。」

滝壺「宵ノ森か...そっちはどうだ?」

宵ノ森「あぁ、全部終わったよ。」

楽海「それにしても、国の利権を奪う為に戦争を起こすなんて、人間の考える事は分からないな.....」

滝壺「愚かだからこそ人間だ。人は誰しも産まれた時に善悪が刻まれる。もし悪だったとしてもそれを隠して生きる。」

宵ノ森「その抑圧が欲を増大させ、限界が来て決壊する。今回の黒幕は違うだろうが、そう言う奴は多くいる。だが、今回の一件はそれだけじゃない。」

楽海「あぁ、今回の戦争は、祇梨蓮斗の心に暗いナニかを落としただろうな.....」

滝壺「それはそうと、清和はどこ行ったんだ?」

宵ノ森「清和?確かに、どこ行ったんだろ?」

楽海「清和ならさっきアルドンスを制圧した後魔族の国に行くって言ってぞ。」

滝壺「魔族の国って.....魔王がいる所じゃん...」

楽海「なんか魔王と話すとか何とか。」

宵ノ森「えぇ....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜魔王領・中心都市〜

清和「おーい魔王ー!出っておいで〜!!」

祇梨清和は現在魔王が治める国、魔族国家アビスに来ていた。入国しておよそ1分、彼は既に魔王城の正門の前に立っていた。

?「何奴だ?」

清和「お、いきなり魔王の側近の登場か。俺、魔王に会いに来たんだよ。会わせてくれない?」

祇梨清和の前に立ちはだかった存在は魔王の側近にしてアビスの統括指揮官にして魔族最強の1人、魔界王、アザトース=アンスカイだった。

清和「アザトース...神話に出てくる神と同じ名前か。持ってる権能も凄まじいな。まぁそれはそれとして、俺ヒルソラに会いに来たんだよ。中に入れてくれない?」

アザ「遺言はそれだけで十分か?なら死ね。」

そう言い終えると同時にアザトースは祇梨清和に斬撃を飛ばす。

清和「お、中々早いな。ま、避けれるけど。」

祇梨清和は斬撃を少し体をずらすだけで外す。が、既にアザトースは祇梨清和の眼前まで迫っていた。

アザ「権能解放〝全壊之王〟」

短文詠唱と共に繰り出される斬撃。それを再び祇梨清和は避ける。だが、

清和「(避けたのに斬られた...これがコイツの権能の効果か.....)」

アザ「私が権能を発動している最中はありとあらゆる事象を斬れる。避けようが避けまいが、斬られるという結果に相手は行き着く。観念して死ね。」

清和「あー、思い出した、白痴の王か。」

アザ「!!」

アザトースは祇梨清和のその発言を聞いた瞬間、一瞬表情が強ばる。だが、すぐに冷静さを取り戻し攻撃を続ける。

アザ「権能の名を言い当てたからなんだと言うのだ。お前が負けるのは確定事項だ!」

アザ「シュブ=ニグラス」

清和「お、お、お!?」

アザトースがその一言を唱えると同時に地中からナニか大きな黒い影が現れる。そこには巨大で禍々しいナニカが居た。

清和「デケー、何mあるんだこれ...」

アザ「行け、シュブ=ニグラス。」

アザトースが命令を出した瞬間、巨大な何かが祇梨清和目がけ襲いかかる。

清和「シュブ=ニグラス.....あぁ、黒山羊か。確か能力は...千匹の子山羊を産み落とすだったか?」

アザ「.....!?」

清和「まぁ、とりあえず被害でかくなりそうだし、消えていいぞ、お前。」

アザ「.....シュブ=ニグラス!回避しr......」

清和「万象之拒絶」

祇梨清和がそうつぶやくと同時にシュブ=ニグラスの姿が忽然と消える。アザトースは何が起こったのか理解できずその場に棒立ちとなる。その様子を見ながら祇梨清和は淡々と語り出した。

清和「アザトース=アンスカイ、お前の能力って因果律に干渉するんだろ?」

アザ「な、何故それを.....」

清和「お前がさっき使った権能全壊之王って、因果律を操作して、防御も回避も出来なかった未来、絶対に壊れる未来を意図的に引き起こす能力だろ?」

アザ「........」

清和「因果律ってのは過去も未来も現在も、何かが起こる事には必ず原因がある、そういう考えの概念だ。お前はそれに干渉して絶対に攻撃が当たる様に操作してる。違うか?」

アザ「なぜ、そこまで.....」

清和「んー、因果律とか難しい概念の説明は苦手なんだ。まぁ簡単な話、俺にはそう言った改変系の能力は通用しないって事。だからほら、お前が付けた傷ももう治ってる。」

そう言いながら祇梨清和はアザトースに斬られた部分を見せる。そこには傷一つなく無傷の体があった。

アザ「私の攻撃はまず治せない.....なのに、どうやって.....」

清和「んー、それは秘密かな。さて、選んでいいよ。」

アザ「.....?」

清和「ここで俺と気が済むまで戦うか、降参するか。」

アザ「.......!!!」

アザトースの脳内に2つの考えが浮かぶ。1つは死んでも戦い続けるという物、2つ目は今すぐに降参するという物。アザトースはアビスの統括指揮官、敗北は死を意味する。降参もそれと同義だ。だが、今目の前にいる存在の圧倒的な強さを目の当たりにし勝てるビジョンが一切湧かないのもまた事実。選択を迫られ鼓動が早くなる。意識が朦朧とし意識が飛びかけた、その時だった。

?「ちょっとー、うちの子虐めないでよ。」

その冷え切った空気に似つかわしくない声がその場に響く。アザトースはその声の主の方へ向き直り頭を垂れた。そこに立っていたのは二人の超越存在だった。

清和「あはは、虐めてないさ。」

?「どー見てもいじめてるでしょうが!」

?「まぁまぁ落ち着いて。アザトースちゃん、大丈夫?」

アザ「陛下、相談役.....申し訳ありません.....」

アザトースはその2人に頭を下げながら謝罪をする。そう、そこに立っていたのはアビスの王であり、冠位神威の一柱であるヒルソラ・リターンと魔王の相談役兼指導者、冠位神威の一柱、レリリア・リターンだった。

レリ「こんなに怯えて.....もう、あんまり虐められては困ります。」

清和「いやぁ、まさかここまで怯えるとは思ってなかったんだよ。」

ヒル「限度ってものがあるでしょ、限度ってものが!!」

清和「悪かったって!謝るから、近くで叫ぶな!耳がキーンってする!」

その言葉通り祇梨清和はアザトースに頭を下げた。

ヒル「それで?今日は何の用で来たわけ?」

清和「いやぁ、お前らがアルドンスに向けて動くって情報を耳にしたからさ、釘を刺しに。」

レリ「忠告する為だけに、魔界まで?」

清和「あぁ、お前らは冠位であり大天災だ。下手に動かれると騒動になりかねん。」

ヒル「むー、あの寄生の能力者がうちにちょっかいかけて来てたから懲らしめようとしただけだし...」

清和「だーめーだ!ただでさえ冠位2人に加えて神話系の能力を使う存在が3人はいるのに、戦争になってみろ、アルドンスが地図から消えるわ!」

ヒル「うぐっ.....!」

清和「今回はただの忠告だが、変な事したらまじで怒りに来るからな?」

レリ「はい、肝に銘じておきます。」

清和「ならば良し。レリリアはヒルソラのブレーキ役を頑張ってくれよ?」

レリ「分かっていますよ。」

清和「そうか、じゃぁ俺は帰る。」

ヒル「帰れ帰れー!」

レリ「こらヒルソラ、そんな事言っちゃいけませんよ?」

ヒル「...はーい。」

アザ「あ、あの陛下、相談役、あの人間が一体...」

ヒル「んー、ファミコン?」

アザ「ファミ、コン....?」

レリ「ファミリーコンプレックスの略です。まぁちゃんと言うなら、世界最強の家族大好き人間、ですかね?」

アザ「は、はぁ...私、そんな人間に負けたのか...」

ヒル「いや、君は強いよ。君や、他の2人はパンデモニウムの大幹部と同列だからね。ただ、アレはそれ以上の化け物ってだけ。」

アザ「.....私の能力が因果律に関係してる事を一目で見破られた挙句、奥の手の権能を看破されました...この世界には、伝わってない筈なのに.....」

レリ「.....彼は別の世界を行き来するんですよ。その時に、貴女の能力、クトゥルフを知ったのでしょう...いいですか?彼とは、祇梨清和とその家族には絶対に手を出したらいけません。もし手を出した場合、待ってるのは死だけです。」

アザ「りょ、了解しました...!」

アザトースはレリリアの圧に押されながらも頷く。敗北し助けられたアザトースの実力はパンデモニウムの大幹部をも凌ぎ、最強種の一つでもある神話存在である。しかし、そんな存在を子供の様に扱い圧倒した祇梨清和はそれ以上の化け物だという事を表していた。



祇梨清和:特殊異能〝万象之拒絶〟(偽)特性:不明

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