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意外な結末

蓮斗「始めると言っても、触れた瞬間寄生が始まるからな、どうしたものか...」

天羽「なんだ祇梨、そんな事で悩んでたのか?」

蓮斗「そんな事ってお前な.....さっきも言ったが、触れた〝瞬間〟寄生が始まるんだぞ?私はもうほぼ魔力が残ってない、斬撃や衝撃系の魔法は使えないぞ?」

天羽「チッチッチ、甘いねぇ祇梨君。別に触れずに攻撃する方法なんていくらでもあるのだよ。」

蓮斗「?」

天羽「ズバリ、生身の部分を全て結界で覆った上で近接で殴る。これが一番手っ取り早い。」

蓮斗「.....俺、お前のそういう馬鹿丸出しな所好きだぞ。」

天羽「褒められてる気がしない。」

蓮斗「褒めてる褒めてる。じゃ、俺の結界もよろしく。」

天羽「了解。」

そう言い終えると同時に天羽綾人は先の発言通り、

敵と接触するであろう生身が露出した部分を結界で覆い始める。その瞬間、モリアーレが動き出し攻撃を開始した。

モリ「準備はさせない.......!?」

天羽「キモイ、寄るな。」

先制攻撃を仕掛けようとしたモリアーレだったが冷淡に吐き捨てると同時に天羽が薙刀を振るう。

モリ「危ないな......!?」

天羽「空間系統最上位魔法・圧潰空間」

モリアーレが避けると同時に魔法を発動させ殺しにかかる。が、モリアーレは間一髪で避ける。が、体全体を守る事は出来ず、左腕が圧縮され潰れる。

モリ「貴様.....!」

蓮斗「よそ見すんな。」

痛みに悶えながらも恨み言を口にしようとした時には既に間合いを祇梨蓮斗が犯していた。瞬間、とてつもない暴力がモリアーレを襲う。

蓮斗「天羽の脳筋作戦、案外通じるな。」

天羽「だぁれが脳筋だこらぁ!?」

祇梨蓮斗の発言に反応しながらも天羽綾人もモリアーレの領域を犯し、攻撃を放つ。根源魔法を解いているとは言え、パンデモニウムの大幹部を倒した少年とそれに準ずる強さを持つ少年。モリアーレ一人で捌くには余りにも力量が乖離していた。

蓮斗「闇系統最上位魔法・黒消滅閃」

祇梨蓮斗はモリアーレの顎を蹴り上げる。その威力は凄まじくモリアーレの体が浮かび上がる。その瞬間を逃さず、今祇梨蓮斗に使える最大出力の魔法を叩き込む。

モリ「(何だこの強さ....!?私は長年に渡り寄生を続けた大災害!それが何故、こんな年端もいかないガキ共に遅れを取っている.....!?)」

モリアーレ・テルルソン、彼が今言った通り、彼は長年他者に寄生を続け社会を裏から操る大災害。その強さは国防軍の団長に迫る程だ。だが、そんなものは今相対する2人にはなんの意味も成さない。

天羽「ちょっと吹っ飛べ。」

その言葉と共に天羽綾人の右拳がモリアーレの鳩尾を正確に捉える。

モリ「あが.........!?」

その拳の衝撃は全身を駆け巡る激痛となり、モリアーレの脳を支配する。モリアーレはまともな悲鳴すら上げる事も出来ずに吹っ飛ばされる。吹っ飛ばす勢いは衰える事無くそのまま壁に激突する。背中で何かが爆ぜるかの様な衝撃がモリアーレを襲う。痛みは勿論激痛。モリアーレは地面に落ちると同時にのたうち回る。

モリ「(なんだ?なんだなんだなんだなんだなんだなんだなんだなんだなんだなんだなんだなんだなんだなんだなんだ、なんなのだ!?あのガキ共は!?)」

モリアーレの思考は既に、祇梨蓮斗と天羽綾人という、未知の存在への疑問で埋め尽くされていた。度重なる打撃により肉体は変形、斬撃による出血、魔法による肉体損傷。最早、モリアーレの思考には2人に対する恐怖しか無かった。

モリ「(逃げなくては.....このままでは、私は確実に殺される.....!)」

モリアーレの直感がそう警鐘を鳴らす。モリアーレはその直感に従い逃亡を図ろうとする。だが、今自身が倒れている場所が暗くなっている事に気が付く。

モリ「何が.......はぁ?」

暗くなった原因を探る為に頭上を見る。そこにはモリアーレを更なる絶望に叩き落とす光景が広がっていた。

蓮斗「二重詠唱・黒消滅閃〝二重螺旋〟」

天羽「空間系統上位魔法・瞬間転移〝崩建〟」

螺旋を紡ぐ黒き閃光と荒廃した星と見紛う程の巨大で多くの瓦礫が頭上に現れる。それらはモリアーレに向け一直線に向かってくる。

モリ「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

モリアーレは恐怖と絶望の余りその場で発狂する。だが、その様子を見ても2人は魔法を止めずモリアーレに放つ。モリアーレには最早、何も出来なかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

天羽「お、居た居た。おーい祇梨ー!寄生野郎見つけたぞー!」

蓮斗「分かった、すぐにそっちに行く。」

瓦礫に埋もれ姿が見えないモリアーレを祇梨蓮斗と天羽綾人は共同で捜索していた。すると瓦礫が散乱する中心部で倒れているモリアーレを天羽綾人が発見する。

天羽「さてと、この馬鹿どうしようか。」

蓮斗「殺したい所だが今は保留だな。下手な事をして問題になっても敵わん。」

天羽「えぇー、でもコイツのせいで何人か死人も出てるし、負傷者も大量に出たんだぞ?それにコイツの陰謀のせいで無実とはいえ処刑対象にされたし、このまま引き下がるのは、納得できん。」

蓮斗「そうわ言ってもな...どの道こいつは国際裁判にかけられた後、戦犯って事で確実に処刑される。俺らが殺したら絶望も少ないからな。」

天羽「俺が言うのもなんだが、お前結構えぐい事考えるよな。」

蓮斗「褒めても何も出ないぞ?」

天羽「褒めてねぇよ!」

蓮斗「だが、少しぐらいやり返してもいいか。」

そう言うと祇梨蓮斗はモリアーレの目の前に屈む。そして天羽に1つ頼み事をする。

蓮斗「天羽、さっきの音が聞こえ無くなる結界張ってくれる?」

天羽「可能だが、何をするんだ?」

天羽綾人は率直な疑問を祇梨蓮斗へ聞く。それに対する返答は予想外のものだった。

蓮斗「死なせはしない。ただ、少し精神を壊すだけだ。」

そう言い終えると同時に、結界の構築を確認した祇梨蓮斗は魔法を発動させた。

蓮斗「闇系統最上位番外魔法〝発狂凶声〟」

聞いた者の精神を破壊し死に追いやる死の凶声。その効力を最大限抑えた上でモリアーレに聞かせる。

モリ「あが、が.......」

意識を失っていた筈のモリアーレはその凶声を聞くと同時に白目を剥き泡を吹きながら倒れる。

蓮斗「寄生存在とは言え精神生命体に近い。そんなお前が精神を狂わせる声を聞けば、そうなるのは必然だな。」

その言葉と共に戦争は終わりを告げる。実に、呆気ない結末を迎えた戦争は死者6名、負傷者9782人、被害総額2012億円の被害を出す結果となった。

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