骸神と番外魔法
蓮斗「闇系統根源魔法・黒王戦鬼〝骸神〟」
祇梨蓮斗が発動させた魔法、それは今までに無かった名称がつけられ、通常時よりも数段増しの威圧感を放っていた。
戸塚「蓮斗君.....?」
祇梨蓮斗の戦闘データを見ていたルミナストリニティの戸塚花梨はその異様とも言える雰囲気に身震いする。それは味方だけでなく敵も同じだった。
ニルフ「なんだ、あの魔法...諜報部からはなんの報告も無かった筈だ!祇梨蓮斗、その魔法は一体なんだ!?闇系統には2つの根源魔法があるのか!?」
ニルフ・カレンも取り乱した様子で祇梨蓮斗へ聞き迫る。しかし、祇梨蓮斗がその問に返した言葉で再びその場には動揺が走る。
蓮斗「アルド・グレイヴが使っていた死霊系統から着想を得てな、根源魔法の概要を少し弄っただけだ。そこまで驚く事でもないだろ?」
エイナ「いや、十分それもおかしい気が.....霧島はどう思う?」
霧島「普通に考えれば、根源魔法の概要を弄って効果を変えるなんて事は早々で気はしない、筈....」
エイナ・スティレの問に霧島朔はなんとも歯切れの悪い返答を返す。それは仕方の無い事だ、なぜなら世界を見渡しても根源魔法の概要を弄って能力を変質させる者なんて居ないのだから。
戸塚「確か、蓮斗君の友達に、根源魔法そのものを改変して変容した根源魔法の使い手が、居た筈.....」
エイナ「あの子の周りって、天才と変態しか居ないのかな.....?」
戸塚花梨のその言葉を聞いたエイナ・スティレは遠い目をしながらそう呟く。
ニルフ「誤算はあったが、こちらが優勢なのもまた事実!13号!そのガキをもう一度殺せ!」
13号「ガァァァァァァァァァァ!!!」
ニルフ・カレンのその命令と同時に13号が再び祇梨蓮斗へ向け咆哮を上げながら突進する。が、突如として13号は宙を舞う事となった。
蓮斗「闇系統最上位魔法・天獄之龍王」
祇梨蓮斗は既に最上位魔法を発動させていた。そこに現れていたのは全長が数百mにも及ぶ超巨大な龍だった。13号は地中から現れたそれにいとも容易く吹っ飛ばされ空中散歩をしていた。
蓮斗「火系統・〝炎熱加速〟」
13号が空中に飛ばされた事を確認すると同時に祇梨蓮斗は火系統の技を使い一気に加速し13号の元へ到達する。
蓮斗「全力出していいって事は、周辺に対する被害を気にしなくていいって事だよな...まぁ、ダメだった時はそん時だな。じゃか、吹っ飛べ。」
一瞬、自問自答をしたが祇梨蓮斗は深く考える事をしなかった。それと同時に13号の腹部に強烈な蹴りが入る。
13「ガバァァァァ!?」
常軌を逸した威力の蹴り、13号は抵抗すら出来ずに数km程吹っ飛ばされる結果になった。
蓮斗「まだまだ、終わりじゃねえぞ。」
蓮斗「二重詠唱・黒天来〝龍軍跋扈〟」
詠唱と掌印を結ぶと同時に祇梨蓮斗の背後の空間が割れ、中から大量の龍が這い出してくる。その光景はまさにカオス。その光景を地上から眺めるルミナストリニティやニルフ・カレン、避難所に集まった民衆は呆然としていた。
霧島「...いやいや、分かってたけどね?分かってた上で、本当に、なんなのあの子.....」
エイナ「さ、さぁ...」
戸塚「優しい事は、確か、うん!」
戸塚花梨はそう自身が持つ祇梨蓮斗の印象を口にする事しか出来なかった。
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天羽「お、祇梨の奴、大分な暴れようだな。」
マッド「凄いねあの子。正直戦いたくはないね。」
天羽「そこまで言いますか....ん?」
マッド「どうしたの天羽君。」
天羽「いや、なんか一瞬.....」
蓮斗「「天羽、聞こえるか?」」
天羽「うぉ!?びっくりしたー、どうしたんだよ祇梨。なんか用か?」
蓮斗「「あぁ。お前、音を外に漏らさない結界とか使えるか?使えるならあの生物兵器と俺を一緒に閉じ込めて欲しいんだが。」」
天羽「音を?まぁ使えなくは無いが...どうしていきなり?なんかでかい音でも出るのか?」
蓮斗「「んー、聞いたら死ぬ声、かな?」」
天羽「は?」
蓮斗「「じゃ、頼むぞ。」」
天羽「ちょ、待て祇梨!切られた.....」
マッド「あっはっは、面白い子だね。」
天羽「ったく...なんだよ聞いたら死ぬ声って。まぁとりあえず結界張るか...」
天羽「魔力確認、座標特定.....」
天羽「空間系統変容最上位魔法・不感領域」
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蓮斗「お、もう張ったのか。やっぱり天羽は仕事が早いな。じゃぁ、心置きなく使えるな。」
13号「グルルルルルル.....」
13号は突如として自身と対象を閉じ込めた結界に警戒が向く。しかしそんな13号を無視し祇梨蓮斗は詠唱を開始する。
蓮斗「黒き大地、散乱する骸、響く絶叫、発狂せし魂、共食いの亡者、錯乱する生命、閉じる闇、逃れられぬ発狂の波」
蓮斗「闇系統番外最上位魔法・発狂凶声」
詠唱を終え魔法の名を呼ぶと同時に祇梨蓮斗は大きく息を吸い込む。そして、次の瞬間だった。
蓮斗「ーーーーーーーーーーー!!!」
祇梨蓮斗は例え様のない叫びを発する。その声を聞いた13号にある異変が起き始める。
13号「が、があぁぁぁああうあ!?」
突如として錯乱し、発狂し始めたのだ。
蓮斗「ふむ、まだ完璧には扱えないか...これから少しづつ調整していかねぇよな。」
そう言いながら祇梨蓮斗の目は発狂しのたうち回る13号の方へ向く。
蓮斗「まぁ、不完全ながらもこの効力、雑魚処理には使えそうだな。」
発狂凶声、それは祇梨蓮斗自ら作り上げた闇系統の番外最上位魔法。その効果は魔法発動と同時に祇梨蓮斗が発する叫びを耳にした者の精神を闇で侵食し錯乱、発狂、混乱の精神汚染を与える魔法。メリットは魔法発動と同時に声を聞かせるだけという簡単な発動方法だが、その分とてつもなく厄介なデメリットが存在する。
蓮斗「こりゃ、味方が近くにいる状況じゃまず使えないな。」
そう、この魔法は完全なる無差別且つ確定発動という凶悪無比な効果を持っていた。
蓮斗「おー、おー、辛そうだな生物兵器。」
声を聞いた13号は精神を蝕まれ錯乱、発狂、混乱の三重の精神汚染でその場でのたうち回り、自傷し、正に発狂者のそれだった。
蓮斗「まぁ、俺に生物を痛めつける趣味は無い。今、楽にしてやる。」
蓮斗「闇系統最上位魔法・黒消滅閃」
詠唱と同時に13号へ向け黒い閃光が降り注ぐ。13号は塵一つ残すこと無く完全に消滅する事となった。
蓮斗「こちら祇梨、生物兵器は現時刻をもって完全消滅。改造人間がゼロノアの能力、時間操作を使ってくる事はありません。」
そう司令部に連絡を終えると祇梨蓮斗はある一定の場所に目を向ける。
蓮斗「俺は勝ったぞ、お前はどうなんだ?天羽。」




