本領発揮
蓮斗「崩壊ノ影手」
13号「ぐわぁぁぁぁ!!」
意識の混濁からくる発狂、恐慌状態の13号はなりふり構わず、祇梨蓮斗へ向け突っ込む。しかし、そんな適当な攻撃、祇梨蓮斗には当たる事は無い。
蓮斗「二重詠唱・闇水ノ泉」
蓮斗「ルミナストリニティ、改造人間の方はどうだ?手を焼いてるなら助力するが。」
戸塚「こっちは全然、大丈夫...!だから、蓮斗君はその生物兵器に、集中して...!」
蓮斗「.....了解。」
13号「時間加速........」
蓮斗「!」
13号が唐突に発したその言葉は異様な物だった。理性も自我も無いはずだ。それなのに言葉を発し能力を発動させたのだ。
蓮斗「おいおい、どういう事だ...?お前ら喋れないんじゃないのかよ。」
そのスピードは先程までとは比べ物にならないほど早く、鋭利になっていた。
蓮斗「(違和感のある加速...これが時間加速か。アルド・グレイヴとはまた違う加速方法だ。あと、さっきの詠唱だな。)」
そう、祇梨蓮斗はある事に気が付いていた。先程能力を発動するためであろう超短文詠唱、それを唱えた声は明らかに13号の物では無かったのだ。
蓮斗「(どこからだ?あの声は明らかに13号の物じゃなかった。だとしたら誰が、遠隔か...?)」
そう思い祇梨蓮斗はニルフ・カレンに目を向ける。目線の先ではルミナストリニティの3人と激戦を繰り広げるニルフ・カレンの姿があった。
蓮斗「(あの様子じゃ、こっちにちゃちゃ入れは無理か。だとすれば、考えられるのは一つだけか.....)」
そう思考すると外していた目線を13号のある部分に戻す。そう、13号の体に直接移植された世界三大厄災、ゼロノアに向けてだ。
蓮斗「お前か、詠唱してるのは。」
13号「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!」
蓮斗「返答は無し、か!」
襲い来る13号の顔に強烈な蹴りを叩き込む。下から顎を蹴り上げられ13号の体が宙に浮く。そこに追い討ちとばかりに腹部に回し蹴りを突き刺す。
13号「ぐぼぉぉ!?」
蹴りの衝撃は凄まじく、隣接する建物を幾つも貫通し吹っ飛ぶ。
蓮斗「あまり建物は壊したくない。だから、早々に意識を失ってくれると助かるんだが.....」
蓮斗「雷系統最上位魔法・大落雷」
詠唱と同時、13号に向け巨大な落雷が降り注ぐ。威力は絶大、落雷は周辺の意識を向けさせるには十分な物だった。
ニルフ「嘘だろ.....」
エイナ「強すぎでしょ、あの子.....」
霧島「これが、戦争の最終目的者の実力か...」
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蓮斗「今ので気ぃ失ってくれてると助かるんだが、流石にそういう訳にはいかないか。」
祇梨蓮斗の目線の先には既に体制を整えた13号の姿があった。目に見えるダメージは無く、既に再生は終えているようだった。
蓮斗「(これも恐らく、時間加速の影響だな...普通ならあんだけ攻撃を加えれば魔法を使わずに自己再生だけなら半日は使う。それが終わってるって事は、治癒系統が使える、又は時間加速で既に半日以上の時間が流れたかのどちらかだ。)」
13号「グルルルルルr.......」
蓮斗「唸り声、威嚇か。正直最初の魔法以外で手応えはほぼ無し。やっぱ、厄災に連なるやつ相手だと六大系統だと効きが悪いか。」
そう、祇梨蓮斗と13号の戦いが始まった直後に放った特殊魔法、崩壊ノ影手で負った傷は未だ回復していないのだ。
蓮斗「........」
祇梨蓮斗は考えを巡らせる。根源魔法を使えば正直、瞬殺出来るほど祇梨蓮斗と13号の間には実力差があった。しかしこの戦争で祇梨蓮斗、天羽綾人は戦闘を許されていなかった。その時、ルミナストリニティの方から声が上がった。
霧島「戸塚ちゃん!避けて!」
蓮斗「ん.......!?」
声の方に目を向けるとそこには超巨大な火球があった。その火球は戸塚花梨に向け放たれ、今にも着弾する寸前だった。
蓮斗「(間に合うか.....!?いや、あのデカさ、火系統でも雷系統でも被害がデカすぎる。戸塚は間違いなく当たって死ぬ!闇系統...ダメだ、あろデカさには対応しきれん!なら、一か八かだ....!)」
蓮斗「水系統最上位魔法・水龍衝波!」
今まで扱えなかった水系統の最上位魔法。火系統に対する最適解であり、周囲に被害を出さない方法で最も効果的な魔法。祇梨蓮斗は1人の少女と周辺地域を守る為にぶっつけ本番でその魔法を発動させた。
蓮斗「(頼むから、発動しろ!!!)」
そう、心の中で叫ぶ。そして次の瞬間だった。
戸塚「えっ!?」
大火球に向けとてつもない大きさの水龍が向かって行くのをルミナストリニティは目にする。それはとてつもない威力と範囲で大火球を飲み込んでいく。そう、祇梨蓮斗の魔法は無事に発動したのだ。
蓮斗「はぁ、良かった、成功だ.....!」
安堵のため息を吐く。しかし、それが一瞬の油断に繋がった。
蓮斗「!?」
今まで動きを止めていた13号が突如動き出し祇梨蓮斗の眼前に突然現れたのだ。祇梨蓮斗は即座に防御魔法を展開しようとする。しかし、超近接の間合い、一瞬気を緩めてしまった祇梨蓮斗の動きはコンマ一秒遅れてしまった。
13号「ガァァァァァァァァ!!!!」
13号の狂爪が祇梨蓮斗を袈裟に切り裂いてしまったのだ。それを遠目に見たルミナストリニティや、望月凛は絶望の混じる叫びを上げた。
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フェル「うちの生物兵器が、最有力目標を殺したか.....この戦い、俺達の勝ちですね。」
そう国防軍統括総司令官荒山厳十郎と戦闘を繰り広げる武装国家アルドンス所属の冠位代行執行官、フェルテレス・サルジオンはそう呟く。武装国家勢力には高精度の魔法具があり、他の戦場の情報をいち早く取得する事が可能なのだ。
荒山「最有力目標、祇梨蓮斗か天羽綾人の事か。で、どちらを殺したんだ?」
フェル「それは勿論、命令違反を犯した祇梨蓮斗の方ですよ。うちの生物兵器、13号が袈裟に切り裂きました。あれが間違いなく致命傷、もはや助かりません。」
荒山「蓮斗め、命令違反をするからじゃ.....全く。あやつは後から説教1時間じゃな。」
フェル「.....殺したと言ったでしょう。貴方の今の言い方では祇梨蓮斗が生還して、戦争にも勝つ、そう聞こえてしまうのですが.....」
荒山「なんじゃ、そう聞こえなんだか?儂は今そう言ったのじゃが?」
フェル「.....天下の荒山厳十郎が既にボケが始まっているとは、落胆モノですね。」
荒山「誰がボケ老人じゃ。儂はボケてもいないし、血迷ってもおらん。さてと、新島聞こえるか?」
新島「「はい、聞こえてます。」」
荒山「病み上がりにすまんの、都内全域に儂の声が届く様に出来るか?」
新島「「はい、可能です。」」
荒山「なら、今すぐしてくれ。」
新島「「はい...準備、完了です。行けます。」」
そう念話で指示を出した荒山厳十郎は新島杏のその言葉を聞くと大きく息を吸い込む。そして、大きな声で東京都全域にある宣言を出した。
荒山「こちら国防軍統括総司令官荒山厳十郎!此度の侵略戦争の最有力目標である祇梨蓮斗及び、天羽綾人にかけた制限を全て破棄する!好きなだけ暴れろ、小僧ども!!後処理は儂が受け持つ!」
フェル「何を......」
荒山「なに、少しばかり若いモンの背中を押しただけじゃよ。さて、儂らも続きと行こうかの。」
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〜避難所C〜
天羽「ありゃー.....名指しできたか。」
マッド「荒山君はああ言ってるけど、天羽君はどうするんだい?師匠としては、弟子の成長が見てみたいんだけど、なぁ.....」
天羽「そりゃ、言わなくても分かってるでしょうに.....師匠そういう所ありますよね。」
マッド「あっはっは、やっぱり辛辣だぁ。」
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〜避難所D〜
凛「今のって、まさか...」
荒山厳十郎の都内全域に宣言された制限解除の宣言。それは避難している市民には意味が理解できず、困惑の波が生まれていた。しかし、戦線に出ている者達はその意味をすぐさま理解した。
ニルフ「はは、荒山厳十郎め、血迷ったな!祇梨蓮斗はたった今我らの生物兵器に敗北し死亡した!制限解除の宣言など、なんの意味も無い!」
霧島「くっ...!ここに来て出力が上がってきた!」
戸塚「どうしよう、私が、ヘマしたから、蓮斗君が.....どうしよう.....!」
戸塚花梨の声は明らかに震えていた。戦闘中の絶望による行動の鈍化は死を意味する。
エイナ「戸塚だけのせいじゃない。私達が弱いから、彼は戦いに参戦したんだ。だから、私達全員の責任だ。」
エイナ・スティレは戸塚花梨の背中を叩きながらそう言う。しかし、本能的に分かっていた。祇梨蓮斗が居なければ13号がこちらに参戦してくる事を。そうなれば自身達が全滅する事も。
ニルフ「さぁ13号、こっちの戦闘に加われ!この馬鹿共を殺した後は天羽綾人だ!早くしろ!」
13号「グルルル.....?」
ニルフ「13号!早くこっちに.....」
なかなか自分の方へ来ない13号にごうを煮やしたニルフ・カレンが13号の居る方を向いた瞬間、目の前に吹っ飛ばされこちらに凄まじいスピードで飛んでくる13号の姿があった。
ニルフ「は、ちょ、ま!」
突然の出来事、ニルフ・カレンはソレを避けきれずに巻き込まれる形で一緒に吹っ飛ぶ。その光景を目にしたルミナストリニティは開いた口が塞がらない。疑問符を浮かべながら13号が居た方面に目を移す。そこにあったものは、
蓮斗「はぁ、ざっくり斬りやがって、治すのめんどくせぇんだぞ馬鹿が。いや、油断した俺も悪いか?まぁ、今はそんな事どーでもいいか。」
ニルフ「祇梨蓮斗...!?貴様、何故生きている!?確かに13号の爪が貴様の心臓を切り裂いたはずだ!何故そんな状態で動けるんだ!?」
蓮斗「あぁ?そんなもん、心臓潰された程度で死ぬかよ。それにお前ら程度で、俺の首が取れると、本気で思ってたのか?」
ニルフ「なんだとっ!?」
祇梨蓮斗の挑発とも取れる発言にニルフ・カレンは激昂する。しかし祇梨蓮斗はそれ無視しして話を続ける。
蓮斗「あと、なんでそこの生物兵器で勝てると思ってたんだ?普通に考えて無理だろ。」
ニルフ「どういう意味だ!?」
蓮斗「だーかーらー、その雑魚1匹でこの戦況が覆る訳ねぇだろ。少しは頭を使え間抜け。」
ニルフ「貴様.....!!」
蓮斗「たかだか厄災1匹と人間1人で作ったハリボテで、どうして俺に勝てると思うんだ?確かに能力は強力だ、だが能力を抜けば他の有象無象と大して変わらない木偶の坊。俺や天羽が本気を出したら戦力の足しにもならないとなぜ考えなかったんだ?」
ニルフ「.........!」
蓮斗「ま、こんな無駄な議論はしても意味無いか。じゃあ本番を始めようか。」
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天羽「空間系統変容根源魔法」
蓮斗「闇系統根源魔法」
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天羽「改元之神」
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蓮斗「黒王戦鬼〝骸神〟」
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蓮斗「この形態を見せるのは初だ。運用テスト代わりだ、少しは粘れよ。」




