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骨之王庭

レリーフ「君は、誰かな?」

宵ノ森「おっと、自己紹介がまだだったね。私の名前は宵ノ森湊。芸能プロダクション朝日のプロデューサーだ。」

レリーフ「芸能、プロダクション?僕はそんな俗物と戯れてる暇は無いんだ。早くその娘をこっちに渡せ。そうすれば見逃してやる。」

宵ノ森「おいおい、そんな事言われてはいどうぞって引き渡すと思うのか?」

レリーフ「つくづく、この国の人間は話が通じないものだな。僕は話の通じない馬鹿は嫌いだ。」

宵ノ森「馬鹿とは言ってくれるねぇ。でも、新島ちゃんは渡せないな。なんせ、このコは友達なんだ。友達を見捨てるなんてことは絶対に出来ないな。」

レリーフ「そうか、よっ!」

レリーフ・アルテインは宵ノ森湊のその返答を聞くと同時に再び骨の様な器官を伸ばし攻撃に移る。その骨は伸縮自在、超高硬度、即時再生の三拍子の揃った攻防一体の武器。速度も音速に達し普通の人間なら目で追う事すら不可能な不可避の一閃。しかし、宵ノ森湊はそれにあっさりと対応してみせる。

宵ノ森「おいおい、少しは人の話を聞きな。話を聞かない男はモテない、ぞっ!」

そう新島杏を抱えながら宵ノ森湊は顔に目掛けて蹴りを叩き込む。蹴りが直撃する瞬間、レリーフ・アルテインは骨を足と顔の間に挟み威力を軽減する。

レリーフ「(なんだこの女...動きに淀みがない、それだけじゃない。なぜ人一人担いだ状態で僕の攻撃を躱す事が出来る.....?不気味だ。)」

レリーフ・アルテインは冷静に状況を分析する。突如現れた不可解な存在、そしてその存在の見え隠れする戦闘技術の高さ。レリーフ・アルテインが警戒するには十分すぎる事象がそこにはあった。

レリーフ「貴女は危険そうだ!」

宵ノ森「おっ!」

レリーフ「狂骨操作・枝分〝突出骨〟」

地中から無数に飛び出る狂骨が新島杏と宵ノ森湊めがけ襲いかかる。しかし、それを予見していたのか宵ノ森湊は右足で地面を力強く踏み付ける。

宵ノ森「二重詠唱・氷華ノ花園」

魔法の発動と共に襲い来る狂骨が瞬時に凍結する。その様子を遠巻きに見るレリーフ・アルテインの顔に疑惑の色が浮かぶ。

レリーフ「(やはり、あの女先程から魔力が一切と言っていいほど減っていない...今のは氷系統の獄氷華と土系統の迷ノ花園の二重詠唱。どちらも最上位魔法に分類される、普通なら今ので魔力がかなり削れるはずだが、どういう事だ?)」

宵ノ森湊という存在はレリーフ・アルテインに少しづつではあるが疑惑と困惑を与える。

宵ノ森「新島ちゃん、大丈夫?」

新島「宵ノ森、ひゃん...来て、くれたんれすね...。たしゅけてくれて、あいがとう、ごじゃいます....」

新島杏は先の攻撃で歯の殆どが折れ、首に多大なダメージを負った。本来なら即死の攻撃だったが、特殊異能「千里眼」の効果で思考速度を何倍にも高め、ギリギリの所で急所を外していたのだ。

宵ノ森「怖かったろう...よく、頑張ったね!」

レリーフ「よそ見をするな!」

レリーフ「狂骨操作・蛇骨絞」

宵ノ森「火系統最上位魔法・黒青炎破断〝刀斬〟」

レリーフ「!」

宵ノ森湊の発動させた魔法を目にした途端、レリーフ・アルテインは直ぐさま体を傾ける。瞬間、先程まで頭部のあった高さにある物が全て断ち切れた。切り裂かれた所には青黒い炎がユラユラと燃え、如何なる物も問答無用で燃やしていた。

レリーフ「火系統の中で最も扱いが困難で、且つ超高温故、扱いを間違えれば発動と同時に敵味方問わず全てを原子レベルで崩壊させる死の滅火...それを扱えるとは、貴女は一体.....」

宵ノ森「少し、黙ってくれる.....?」

レリーフ「........!」

宵ノ森「今、新島ちゃんを治療してるから。」

宵ノ森湊はレリーフ・アルテインの方を一瞥だけするとすぐに新島杏へと目線を戻す。だが、たったそれだけで汗が全身から吹き出した。

レリーフ「(なんだ、今の!まるで全身を突き刺される様な具体的なイメージ.....まさか、今のは奴が発したさっきによる物か!?)」

レリーフ「やはり、貴様は危険だ!」

レリーフ「狂骨操作・無増狂骨」

焦りに任せ、宵ノ森湊に対し攻撃を放つ。しかしそれは、この場で最もしてはいけない選択だった。

宵ノ森「・・・・・・・・」

レリーフ・アルテインは宵ノ森湊が発した言葉を聞き取る事が出来なかった。しかし、その聞き逃した言葉は聞こえていてもなんの意味も無かっただろう。何故なら、宵ノ森湊に向け放たれた際限なく増え続ける狂骨を全て、瞬時に凍結させたのだから。

レリーフ「.....おいおい、明らかにおかしいだろ!火系統の最難関に加えてその最難関すら超える魔法だと!?貴様は本当になんなんだよ!」

宵ノ森「お、口調が崩れてるぞ。余裕が無くなってきたのか?」

レリーフ「う、うるさいっ!」

レリーフ「(こいつは、アルドンスの諜報部にもなんの情報も無かった!野良の強者なのか.....?だが)」

レリーフ「最早、手を抜いく必要はなくなったわけだ!宵ノ森湊!貴様を今ここで殺すべき対象と認識し、僕最大の技で叩き潰す!」

宵ノ森「良いね、その意気だ。」

新島「宵ノ森、さん.....」

宵ノ森「新島ちゃん、怪我の治療は済んだ。今から避難所の方に転移させる。ゆっくり休んで。」

宵ノ森「はい、宵ノ森さんも、気をつけて。」

宵ノ森「空間系統上位魔法・瞬間転移」

レリーフ「準備は済んだか!?」

宵ノ森「あぁ、いつでも来い。」

宵ノ森湊の言葉を聞くと同時にレリーフ・アルテインは距離を取る。それとほぼ同じタイミングで詠唱を開始した。

レリーフ「閉じる領域、蔓延する死、消える敵、万人の骨壷、型崩れの体、吹き出る鮮血」

レリーフ「狂骨操作・〝骨之王庭〟」

宵ノ森「!」

詠唱完了と同時に司令部全体をレリーフ・アルテインの能力が侵食し作り替えられて行く。

宵ノ森「なるほど、特殊異能の境地に立つ存在だったか。これは、世界系か。」

レリーフ「そうだ、僕が至ったのは世界系、骨之王庭!その効果は範囲に指定した範囲から無尽蔵の狂骨が襲い続けるモノ、ここでお前を圧殺する!」

宵ノ森「面白いね。なら私も少し全力を出そう。」

宵ノ森「極大魔法・〝六王神化〟氷怪」

レリーフ「やっぱり、極大魔法を使えるか.....!」

宵ノ森「私と君の、最終ラウンドだ。」

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