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聖獣のお誘い

ヒスイのお品書き


ヒスイ「主たちとお話できてもっともっと色々できるようになったの!!


本日のお品書き

・リヴァイアサン

・アニキ


なかなかお家に帰れないなぁ・・・」

取り合えずSランク冒険者4人と西城、それにハイネとロビン (一応こっちの世界ではこの名前で生きていくと決めたらしい)それにヒスイを乗せて王都ユーディリアを目指す。途中で西城がワイトキングを倒したことや、ヒスイと西城がスキルを手に入れたこと。ビオラさんとコーネリアとの出会いやシンラの修行の旅、リュートさんと師匠の話など割と盛り上がりながら王都に進んでいる。幸い馬車内は無駄に豪華仕様なので人数が増えても問題ない。食料も大量に運び込んでるし、足りなければ俺のアイテムボックスにも大量にある。各々が食べたいものを好き勝手に言うもんだから、俺はほとんどキッチンに立ってたよ。


「('ω')!!」


より意思疎通ができるようになったヒスイがずっと俺についていてくれて、手伝えることを率先してやってくれたことに感動!意思疎通がうまくできるおかげでヒスイも簡単な混ぜるやちぎるといったことができるようになっている。結構器用に触手を使ってやっているので、もう少し練習すれば簡単な炒め物とかならできるようになるかもしれない。


「ヒスイは偉いな!!素直で可愛くて、お手伝いまでできる最高の従魔だよ」


「(#^^#)」


褒めてやるとちょっと照れてるようだが嬉しそうに体を揺らしている。本当に可愛い!!


それに比べて人間たちの優しさのなさよ!リュートさんとシンラ、それにロビンは修行だと言って別室で筋トレ中、西城は新しい商品の企画書づくり、ビオラさんとハイネはリビングで魔法の練習と言って魔力を巡らせる訓練中。


「誰も家事を手伝おうとしねぇ!あいつら生活能力大丈夫なのか?」


西城に関しては料理以外なら問題なくこなせる。ビオラさんもなんだかんだ器用なので問題ないだろう。シンラはダメ、そもそも家にいることがなく野生児である彼に料理や掃除の概念があるのかどうか怪しい。リュートさんも一通りのことはできるようだが、あまり人前でやっているところを見ない。適任者がいるならその人にお任せする精神のようだ。子供たちは2人とも強くなることを目標にお手伝いよりも筋力や魔力の強化をしている。見た目は子供でも中身は女子高生とヤ〇ザだったからなぁ・・・・・そういえば昔性転換した不良とかヤ〇ザのBL読んだことあったな。元に戻っても「お前だから好きなんだ!性別なんて関係ない」とか言って終わる、割と王道物だよねぇ。久々に読みたくなってきたよ。


「ロビンが成長したら男に性転換になって、彼氏とひと悶着、王道の決め台詞「性別なんて関係ない」って言って展開か、男の娘と間違うほどかわいく成長したハイネが男たちから次々と狙われるて、真に愛する男性と出会う物、どっちも悪くない!!」


ぐへへへへと笑っていると「( `―´)ノ」とヒスイが俺の頭の上で飛び跳ねている。どうやら怒っているようで、もっと保護者としてしっかりしなさい、と言われてるように感じる。


「いいだろ、あいつら全く手伝おうとしないんだからせめて俺の妄想のネタになってもらうくらい!」


シンラの奴はやっぱり体格的に受けなんだけど、攻めを翻弄するタイプ、自分のペースに引き込むのが上手いから寡黙で真面目キャラなんかと相性良いかも!シンラ自体が小さいからそこまで長身じゃなくてもいいけど、気弱攻めとかもいいかも!!リュートさんとシンラで妄想したこともあるけど、あの二人が一緒だとどうしても恋人というよりも親子にしか見えない。リュートさん寡黙な割に世話焼きだからなぁ。


「やっぱりシンラ様と主様のカップリングが良いのではありませんか!Sランクの冒険者同士、無邪気なシンラ様と翻弄される苦労人の主様、とっても良いと思いませんこと!!」


「だから、妄想の中に俺を登場させるな。何度も言っているだろ俺たち腐った者は草場の影からそーっと覗くのが最も正しいありかた・・・・・・・なんでお前がここにいる?」


ついいつもの癖で突っ込んでしまったが、なぜハクトが馬車内のキッチンにいる?


「愚問ですわよ。恋のお話があるところ私あり!と言いたいところですけれど、主様に南の聖獣様から招集がかかりましてお迎えに来ましたの、おそらく今回のサウスランドの件かと思うのですけど」


南の聖獣リヴァイアサン、海を統べる水龍がお呼びとあらば行かないわけにはいかない。多分フェンリルの主である俺がサウスランドに入国した件だとは思うのだが、連絡があまりに早い気がする。聖獣の中では割と大人しい部類の方だから、連絡も王様たち優先をしたが、それが気に障った可能性もある。


「分かった。王様たちへの連絡は西城たちに任せよう。王様も聖獣の呼び出しと言われれば悪い顔はしないだろ」


「もちろんですわ!聖獣の招集に文句を言う国なんて滅ぼされても文句は言えませんことよ」


言葉だけでなく本気で言っているのだからこのハクトも聖獣なんだと改めて思う。腹黒さというか内に秘める怖さはコクロよりよっぽど大きい。むしろ感情を素直に表に出してくれるコクロの方がありがたい。


西城たちにリヴァイアサンからの招集を伝えるとロビンが一緒に行きたいと手を挙げる。ならばとシンラまで駄々をこね始めてしまった。


「ハクト聖獣の招集に契約者以外が行ってもいいもんなのか?」


「特に決まりなどはありませんわ。あくまで呼び出しを受けた主様が一緒であるなら問題ないと思いますけど」


ただ、正直ロビンは大人しくしてくれるだろうけどシンラは絶対に問題を起こしそう。下手にリヴァイアサンを怒らせれば世界規模の問題になりかねない。


「なら私がシンラ君とロビンちゃんの面倒をみるわよ。王様に会うくらいならシンラ君の方が幾分マシだし」


「いいえ、あなたは王都に戻っていただかないと困ります!」


ビオラさんが元気に立候補してくれたが、それは外から聞こえる女性の声でかき消された。


「っげ!!」


現れたのは20代前半の女性。栗色の髪をポニーテールにまとめて、ハーフフレームの眼鏡に紺色のジャケットと動きやすいブラウンのプリーツスカートを身にまとった秘書っぽいなと思わせる姿だった。


「ベレッタちゃん、まさかここまで追いかけて来たんじゃ」


「もちろん、クランの仕事を全て私に丸投げしたダメダメなクランマスターをお迎えに来たんですよ!!」


彼女はビオラさんのクランの副クランマスター、ビオラさんの補佐役を務めるベレッタさんだ。普段はニコニコととても優しい方なんですけど、仕事をおさぼりしているビオラさんに対しては物凄い怖い。行動力も物凄くて、気配遮断能力に長けたビオラさんを見つけるために王国騎士やギルドの高ランク冒険者に捕獲依頼を出すほど。ほとんどクランの経営の関係仕事デスクワークをしているが、ご自身もBランク冒険者なため、自らこうして出向いてくることもある。


「逃げようとしても無駄ですよ。この場を逃れても外には王国軍とAランク冒険者パーティーに来てもらってるんですから」


本当に王国軍と高ランク冒険者を連れて来てた!!


観念したのかベレッタさんに連れていかれるビオラさん。こちらに向かっていた王国軍に便乗する形で着いてきたようで、外では一個中隊が綺麗に整列していた。


「私は王国軍第二中隊隊長、グルーゲン・シュタインと申します。こちらにクロイツ商会の凛会長がいらっしゃるとお聞きしておりますが」


王国の紋章が入った鉄鎧を着こんだ20代後半の青髪の青年が代表をして出る。見た目は好青年といった感じで他の騎士たちのように筋骨隆々といった感じではなく、スラリとしたモデル体型だった。


「こちらからも陛下にご面会するつもりだったからちょうどいいわ。このまま王都に向かってそのまま陛下に説明をするから手続きをお願いできるかしら」


「畏まりました。ただ、こちらとしても陛下に事前情報をお伝えしなければならないので、説明をお願いできればと思うのですが」


「いいわ。ただし、こちらにもやることがあるの中条と子供たち、それにシンラ君はそっちに行ってもらうから陛下のところに行くのは私とリュートさんだけになるけど、問題ないわよね」


「そ、それは・・・・・陛下からは全員をつれてくるようにと」


「ビオラさんに関してはクランに直接説明してちょうだい。中条たちは申し訳ないけど聖獣案件だと陛下にお伝えいただけるかしら、そうすれば問題ないはずよ」


聖獣と聞いて流石に無視はできないのだろう「少々お待ちください」と言ってグルーゲン隊長は手紙を書いて筒状の魔道具に入れる。


「あれって筒同士で手紙のやり取りする魔道具だっけ?」


「そうよ。本当は電話みたいなのを作りたかったんだけど、やっぱり声を届けるって魔法だとどうも難しくて、念話とかの原理を応用できないかと考えてるんだけど上手くいかないのよね」


あの筒状の魔道具も西城が作って広めたものだ。魔道具師として勉強したのはこの世界に来てからだというのに本当に才能の塊だとつくづく思う。


「陛下から返答がありました。凛様とリュート様お二人が説明として赴いていただければ問題ないとのことです。ただし、聖獣様の件でも陛下のところに報告に来るようにとのことです」


それはそれで面倒だと思ってしまったが西城が「それで構わないわ」なんて即答するから行かないと行けなくなってしまった。それよりメンバーが俺とハイネとロビンとシンラってどうすんだよ!!


「流石に子供たちを陛下に合わせるわけにはいかないから2人の面倒よろしく頼むわよ。その代わり陛下への報告は私がやってあげるんだから」


と言ってグルーゲン隊長と共に西城は軍が設営したテントに向かって行った。


「それじゃあ僕たちはリヴァイアサンのところに行きましょう!!」


一人とても能天気な奴がいるがどうしよう。ハイネとロビンだけなら俺が面倒見れるのだが、シンラは自由すぎて一人にはできない。ハクトに任せるわけにはいかないし、せめてシンラを見張ってくれる人が欲しい。


「おお!隼人たちじゃねー!!」


なんと好都合!ベレッタさんがビオラさんを捉えるために雇ったAランク冒険者の中にアモスさんがいるではありませんか!!救世主!!


「アモスさん、これから暇?」


なんでこんな遊びに誘うような誘い方しかできないのかね俺は!!


「すまんな、ベレッタさんと一緒にビオラさんを王都まで護衛せにゃならんのだ」


ガッテム!!しかしここで諦める俺ではない。


「ベレッタさんちょっと」


ここでベレッタさんにとても良いお話をしてあげる。内容としては次ビオラさんが逃げ出した時の探索を無料でやってあげるというもの。俺なら本気を出せば国から出ない限りなら探索はできる。おまけとして捕まえるところまでをセットにしてあげるというととても良い笑顔で俺の提案を飲んでくれた。


「アモスさん、護衛でしたら他の冒険者の方もいらっしゃいますから隼人さんに着いて行ってあげてください。むしろ是非行ってください!」


俺の提案はもちろんアモスさんの貸し出し。護衛依頼の対象をビオラさんではなくシンラに変えてもらう契約だ。


「俺は別に構いませんけど、なんか悪い話してなかったか?」


「ないない!!アモスさんに是非合わせたい奴がいるんだよ」


少なくとも嘘ではない。リヴァイアサンならアモスさんを気に入るかもしれないし、前々から依頼されてた仕事も片付くかもしれないからね。


「まぁ依頼主であるベレッタさんが良いって言うならそれでいいけどよ。そんで俺は子守要因か?」


「まぁそんなところかな。ちょっと大きな子だけど」


ハイネとロビンもアモスさんとは遊んだ記憶もあるし、優しいアモスさんとならすぐに打ち解けられるだろう。だが、俺が最も子守をしてほしいのはそっちじゃない。


「あ!アモスさんじゃん!!」


今回の子守の対象が物凄いスピードでアモスさんに飛びかかる。


「シンラじゃねーか!久しぶりだな。相変わらずちっこいくせして物凄い力だな」


俺は受け止めることすらできず吹き飛ばされたのにアモスさんは両手で難なく受け止める。それに二人とも本当に楽しそうに笑っている。なにが楽しいのか分からない。


「アモスさんも一緒に行くの?だったらリヴァイアサンにだって勝てるかもしれない!!」


「今リヴァイアサンって言ったか?もしかしてお前ら聖獣のところに行くのか!」


「そうですわ!南の聖獣様が主様をお呼びですの」


アモスさんが同行するということでご機嫌なハクト。アモスさんと一緒になると何故かハプニング(BL展開)が発生するのでハクトはアモスさん大好きである。


「すっかり忘れてたけどお前らフェンリルで隼人は聖獣の主なんだよなぁ。お前ら見てるとそんなの忘れちまうよ」


「ちょ、ちょっとアモスさん頭撫でないでください」


アモスさんがぐしゃぐしゃと頭を撫でてくる。年下と言っても一個しか違わないんだから子ども扱いしないでほしい。


「隼人は年の割に小さいし、子供っぽい顔してっからついな」


ガハハハッと豪快に笑うが人が気にしていることを言わないでほしい。そもそもこの世界の人たちが体格良すぎるだけで俺は平均なんだ、平均。


「アモスさん!人を見た目で判断してはダメです!!その小さい僕たちの方がアモスさんより強いんですから」


エッヘンと腰に手を当てて自慢げなシンラ。もちろん俺やシンラの方がアモスさんより冒険者ランクは上なのだが、ギルド貢献度でいえば絶対アモスさんの方が上な気がする。


「そうかそうか!確かにお前ら二人ともすげぇからな。俺も負けないように頑張らないとな」


今度はシンラも含めて頭を撫でられてしまった。もう拒否するのも疲れるので好きにさせるしかない。


「はわわわわわわ、アモス様が主様とシンラ様を可愛がって!!!戦闘ではお二人が上ですけど夜はアモス様が上手で!!」


ヤバいうちの可愛いわんこが妄想を広げ始めてしまった。


「ハクト!リヴァイアサンを待たせるのも申し訳ないし、さっさと移動するぞ」


「っは!そうですわね。道すがらたっぷりと楽しめそうですし出発いたしますわよ」


ハクトが魔法陣を広げて準備をする。聖獣同士なら転移が使えるのでリヴァイアサンの元へも一瞬で行けるのだという。


「なんとかハクトの妄想が止まってくれた」


「なぁなぁ、前から聞こうと思ってたんだけどよ。隼人さんってホモなの?」


「ロビン、それは違う、俺の恋愛対象は女の子であって男ではない。俺が好きなのはイケメン同士がイチャイチャラブラブするのを見ているのが好きなだけだ。腐男子って向こうで聞いたことないか?あれだよ、あれ」


「まぁ、うちの組でも男が好きってやつがいたから偏見はないけどよ。あんまり堂々と言うもんでもねーんじゃねーか?」


「こっちの世界じゃ向こうより寛大だから大丈夫!」


「それ大丈夫とは言わねーよ」


「それよりヤ〇ザの中でもそういったお話があるのは興味あるんだけど詳しく」


元ヤ〇ザの記憶があるロビンからは色々聞けそうで俺も楽しみである。それになんだかハイネが顔を少し赤らめながら西城に貰ったスケッチブックにずっと何かを書いている。一体何を書いてるんだ?


「主様!準備できましたわ」


ハイネにスケッチブックのことを聞こうとしたが、準備ができたようなのでまたの機会にする。今はとにかくリヴァイアサンの元に向かうのが先決だ。





お読みいただきありがとうございます。


少しでも面白かった、続きが気になる方は高評価コメントよろしくお願いします。

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