クロメと掲示板少女 後編
私達は、職人の町「アクエリア」を目指して旅をしている。そこへ向かうためには、様々な国を通り抜けなければならない。
その国のうちの一つ、野蛮なことで有名な「プロテン国」へと向かった私達だったが、予想外な敵の強さ、そして食糧不足などにより、一度引き返すことになった。
そこで私達が見つけたのは、プロテン国へ行く者に情報と支援物資を供給する組織、「プロテン偵察隊」。そこで情報を聞くことにした。
話を聞き終えた後、自称プロテン国王女サクラが乱入。衝撃の事実を口にする。情報の整理や支援物質の準備には時間がかかるらしく、私達は時間を潰すことにした。
偵察隊本部を探索中、一人の少女と遭遇。スノウと名乗るその少女は、掲示板というものに詳しい様子。
彼女からやり方を教わり、掲示板を見てみることに。だが……
【不遇召喚士の】キツネスレ1【最初の希望】
020 名無しのストッパー
おいお前たち、まさかあの少女のところに行くんじゃないだろうな?
021 名無しの美男子
そいつはお勧めできねえな
022 名無しの猫
何だお前たち? 少女の何を知っているんだ?
023 名無しの美男子
ゴンドラダンジョンで発生した「ミイラ大事件」を知っているかな?
24 名無しの流行語大賞
あれは、恐ろしい事件だったな……
25 名無しのグラス
あれは、素晴らしい事件だった……
26 名無しの猫
おいお前ら、ミイラ大賢者って誰なんだ?
27 名無しの記者
……ミイラ大事件。ゴンドラダンジョンで発生した、とても恐ろしい大事件。ここでその概要について話すことはできない。それ程までに狂気的な事件です
28 名無しのグラス
ゴンドラダンジョンから、大量の女性たちが出現したのを俺は見たんだ。……絶景だったよ
29 名無しの猫
女性たち? よく分からないがそこはどうでもいい。事件とその少女に何の関係があるんだ?
30 名無しの記者
その少女は、実は……
……
50 名無しの猫
やべえな、きつねの少女。突撃するのは止めるぜ……
51 名無しの記者
懸命な判断です
52 名無しの流行語
パワーストーン狂いの例の四天王マリリンとパワーストーンをめぐってバトルロワイアルするなんて、常人の考えじゃない……
53 名無しの手押し車
でも、少女はパワーストーンを手に入れた。彼女こそ、召喚士の中の可能性。
54 名無しのワニ
俺も彼女たちのような狂人になることが出来れば、強くなることができるのかなぁ?
55 名無しの風邪薬
ここはきつねスレです。個人についての話はお控えください。
……
「なんか、凄いことになってる……」
「これらが、あなたの行動に対する評価です」
掲示板ってすごいな。あんな情報ですら集めることが出来るなんて。……やっぱり怖い。
「掲示板には、小さな世界が存在していますっ。面白いことを共有したり、面白半分に嘘をつき合ったり、匿名性を利用して日ごろの恨みを発散させたり!」
「掲示板に参加するだけで、社会に溶け込めているような気持を味わうことが出来るのです。素晴らしいと思いませんか?」
スノウは目を輝かせながら掲示板について語る。彼女はそれが好きなようだ。掲示板には、人を引き付ける何かがあるのだろう。
ぐうううぅぅぅぅぅぅぅ……
私のお腹から音が響き渡る。お腹空いてたの、忘れてたよ。
「あっ、すみません。クロメさん、お腹すいていたんですよね……ちょっと待っててください」
スノウは自販機に3枚コインを入れ、食料を手にする。
「こちらを差し上げます」
食料をくれるスノウ。私は軽くお礼を伝える。
「足りなかったら言ってくださいね。いくらでも手に入れることができるので」
少女は謎の発言をした後、なぜか自販機のお釣りのレバーを引く。
チャリチャリチャリン
自販機から3枚のコインが排出される。
「これは、私が作った特別なコインなんです。自販機に入れると、そのままお釣りとして出てくる優れものです」
「それって犯罪なんじゃ……」
私の発言に対し、少女は自信満々に答える
「私は軽犯罪が得意なんです♪」
にこやかにほほ笑む。
「風変わりな村でスローライフを ~チワワを連れた転生者、ゆとりのある生活を送る~」始めました。異世界に転生してしまった主人公が、個性豊かな村人たちと交流して信頼を得ていく物語になります。




