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結末





 バリバリ!



 ゴゴゴゴゴ……








 電気の壁と、青い光。衝突することにより、激しい音が発生する。とてつもなくうるさい音だが、今はそれどころではない。



 私の防御魔法、シールドルームには、一度何かに触れると消えてしまうという弱点があった。けれど、強敵を倒していくうちに強化されて、その弱点を克服した。何かに触れてもすぐに壊れなくなったのだ。


 だが、絶対に壊れなくなったのではない。許容量を超えた衝撃が加われば崩壊してしまうだろう。……この青い光の衝撃も、シールドルームの許容量を超えている。


 圧倒的な衝撃の前に、電気の壁が今にも崩れようとしている。



 ……



「クロメ、頑張って!」

「コ~ン!」


 突然騒音が途切れ、背中からカオリンたちの応援がはっきりと聞こえる。騒音を風魔法で防いだのかな。ここでやられる訳にはいかない。



「おりゃあ!」


 気合をいれて叫びながら、電気の壁が壊れないように魔力を込める。




 ……




 よし! 青い光の衝撃を、電気の壁の許容量が上回った。



「やった! この調子ならいける!」

「コ~ン♪」

「……」


 気合を入れなおしエネルギーを注いだ結果、シールドルームが青い光を受け止められるようになった。私が力尽きるまでに、このまま勢いが落ちて消滅してくれれば……




 ゴゴゴゴゴ……





 !? 青い光の衝撃が、強まった? やばい! このままじゃ受け止められない!


 急に強くなった光が、グイグイと電気の壁を押しのける。私の魔力が、急激に失われていく。だいぶふらふらしてきた。このままじゃ……




 ……




 あれ? 今度は光が弱くなった? 衝撃が少なくなったことにより、私の魔力減少が少なくなり体調も良くなってくる。



 衝撃が強くなったり弱くなったり、一体どうしたんだろうか?



 ……衝撃が、弱くなる? そういえば。




 ……




「……無理だよ。あの技を一度発動させると、彗星を小さくすることはできても、もう完全には消せなくなっちゃう。国の破滅は防げても、私たちはもう……」


 確か、こんな感じのことを彼女は言っていた。もしかしたらこのことが関係あるのかも。












 !! そうか、そういうことか。私は大事なことを忘れていたんだ。私は彼女の事、ちゃんと考えてあげれなかったんだな。





「エメラルドちゃん、いや、ラルちゃん! 気づいてあげられなくて、ごめん……」


 私は、前の少女を抱きしめ、彼女の頭をやさしくなでる。



「ク、クロメェっ、ぐすん。わたし……」


 彼女は振り返って私を見つめる。両目に涙をためた、ウルっとした表情で。



「私、とっても不安だったんだ。よくわからない精霊の、厄介な能力を持つ私が、生まれたこの地で、周りとうまくやっていけるか」


「試しもしてないのに、できないって決めつけて諦めてた。代わりに自分の持つ力で、周りを滅茶苦茶にしてやろうと思うようになったの」


「クロメに捕まった時は、もうダメかと思った。悪い私は罰されてしまうんじゃないかと思って」


「けど、クロメは受け入れてくれた。クロメみたいな人と、仲良くなりたいと思った」



「私、分からないの。この国を滅茶苦茶にしたいのか、みんなと仲良くなりたいのか」


「今も不安なの。私より強い人が現れて、私は罰せられちゃうんじゃないか。みんなと仲良くしようとしても、私の力を恐れて遠ざかってしまうんじゃないか」


「クロメェ、本当に、ぐすっ、ごめん。彗星を弱めようとしても、心のどこかでは彗星を強くしたい! って思っちゃった」


「ごめんなさい……」


 号泣しながら申し訳なさそうな表情をこちらに向け、自分の思いを話してくれるラルちゃん。つらかったね。


 それじゃあ私から言えることは一つ。




「そっか。それじゃあ、滅茶苦茶にしながらみんなと仲良くなればいいじゃん」



「……滅茶苦茶にしながら、みんなと仲良く?」


 泣きながら驚くラルちゃん。


「記憶改変を使わずに、そんなことができるの?」



「うん! 罰せられないギリギリの悪事を行うのが上手な、ほかの四天王と仲良くなれば、イイ感じに悪さができると思う」


 私の話を聞き、少し表情が曇るラルちゃん。



「確かに他の四天王と一緒なら、なんだってできると思う。色々と楽しいと思う。けど、それは叶わないよ」


「どうして?」



「……四天王たちに、ありもしない嘘を本当のことだと思わせて遊んだことがあるから。たとえば私が人を殺しまくったとか、実は私はおじさんだったとか」


 ……ずいぶん無茶苦茶やってたみたいだね。



「私が、一緒について行ってあげる。ラルちゃんが実はいい子だってこと、みんなに教えてあげる」


「グロメェェ!」



 涙と鼻水を垂らしながら、ラルちゃんが強引に抱き着いてくる。操縦者がいなくなり、不安定になる精霊馬。カオリンが風魔法で支え始める。







 上空では電気の壁と青い光が衝突している。


 実は私、ラルちゃんと話している間ずっと壁に魔力を贈っていたのだ。話を聞きながら、器用に青い光を抑えていた。


 ラルちゃんの気持ちが落ち着き、光がより小さくなった今がチャンス。



「カオリン、スズネ、力を貸して!」


「うん!」

「コン!」








「「「アクアサンダートルネイド!!!」」」



 カオリンの風、スズネの水、私の雷、三つ合わさり最強に。




 ドッカ~ン!





 一面の夜空に、きれいな青色の光が飛び散る。その光は、とてもきれいだった。

 第二章 四天王狩り編 完


 

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