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第三の四天王、キンジロウ



「キンジロウなら、この道をまっすぐ行ったところさ」


「この道をまっすぐだね、ありがとう。それじゃあまたね」



 坊主の男性が、キンジロウの居場所を教えてくれる。それに従い私たちはまっすぐ進んで行く。



「あ! あの扉、なんか豪華だよ。もしかしたらあそこにキンジロウがいるのかも♪」


 カオリンが、少し先にある目立つ扉を指さして、私に教えてくれる。確かにあの扉は何かありそうだな。とりあえず開けてみよう。


 私は扉を開き、その中を確認……


 

 人だ。人がいる。


 



 


 





「妖美! 可憐! 激烈! ……美しい。素晴らしい! 最高だよ。きっとこの出会いは神様からの贈り物に違いない。なんて素敵なんだ、君たちは」


 

 目の前にいる男性が目をやばいほど見開き、とてつもない表情で私たちに言い寄る。彼からはとてつもない気迫を感じるよ。この気配は、おそらく四天王だろう。ゴンドラ国四天王、キンジロウ!


 教室を抜け出した私たちは、教えられた道を進んでようやくキンジロウのもとへとやって来たようだ。




「私はどうやら、君たちに愛情を経験し始めてしまったようだね。この気持ち、受けとってくれるかい?」



 真顔で自分の気持ちを伝えるキンジロウ。彼は私たちに恋をしちゃったみたい。急に告白みたいな事されても、困惑しちゃうよ。


 隣を見てみると、カオリンは呆れた表情で胸に抱いているスズネを撫でている。



 非リア工業の主にして、ゴンドラ国四天王のうちの一人キンジロウ。ほっそりとした体形で、身長が高い。まるで漆の木の様な姿だね。顔の肉もあまりついていないため、不細工ともイケメンとも言えない、なんとも言えない顔だ。そんな彼が今、告白まがいのことをしてきた。



「そんな急に言われても、困っちゃうよ」


「そうだよ♪」

「コ~ン♪」



 私たちは、彼の気持ちをやんわりと流す。けれども彼は、諦めていないみたい。にこやか笑顔で両手をY字にしながら私たちに問いかける


「おお! 何と美しい声。例外的だ。驚異的だよ。私の身体から、あなた方への愛情があふれてくるのが分かります。どうですか? 私との素晴らしいひと時を過ごしてみませんか?」



 素晴らしい、ひと時? どんなひと時なんだろう? あまり良いものとは思えないけれど。



「私とあなたたち、愛を分かち合いましょう。愛を分かち合うことにより、私たちは究極の存在となるのです」



 笑顔のまま愛について語るキンジロウ。究極の存在に? どんな存在なの! 



「クロメ、なんだかやばそう♪ さっさと倒しちゃおうよ!」

「コ~ン♪」



 二人は戦う気満々だ。確かにこのまま彼の話を聞いていても仕方ないし、このまま倒しちゃうのもありかな。私はアイスソードを構え、戦闘態勢に入る。









「なんと、いうことでしょうか。そんなことが、あり得るのでしょうか」


 私が剣を構えると、キンジロウの表情が曇り、なんだか様子がおかしくなってきた。一体どうしたのだろうか。



「私の愛を、受け取ってくれないなんて……」

「私の愛は、受け取ってもらえないのですか」

「私の愛は……」



 かなり様子がおかしい。大丈夫だろうか。



「いっけ! 風の谷!」

「コ~ン♪」



 ザッ、シュシュッザザザザザ。

 ブッシュウ。



 鋭い音と共に、カオリンの風魔法がキンジロウの体を切り刻み、スズネの放出する水が彼の体を水浸しにする。みんな容赦ないなぁ……私もやっちゃおう!



 私が攻撃に参加しようとした時、キンジロウの様子がさらにおかしくなり私は思わず警戒態勢に移る。



「うわあぁぁぁ! あああああ」

「ぐあぁあ!」

「私の、愛を……」



 キンジロウの表情が崩れ、彼の頭に両手が添えられる。彼は、一体どうなってるの?











「私の愛情は……あああああああああああああああああああああああ!」

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