長年の計画
学校の教室のようなところで、木器の色塗りをしながら何やら会議のようなことを行っている非リア工業の人たち。スライド式のドアに、深い緑色の黒板、そして掃除当番表と、室内の様子を見ているとなんだか懐かしい気分になる……中にいるのはオッサンたちだが。
「非リア遊園地、建築計画!」
黒板には、大きな白い文字でそう書かれている。数年前から立てていた計画らしいが、一体どんな計画なのだろうか。そんなことを考えていると、リーダーであると思われる坊主のおじさんが、計画の詳細について話し始める。
「この町に、巨大な遊園地を作り上げる。それも非リア向けだ。そして、遊園地をきっかけにどんどんと非リア向けの施設を立てる。そうすることにより、非リア達の権威がどんどんと高まっていくというわけだ」
彼の話を聞き、座っている人たちも首を縦に振りながら同意する。
「素晴らしい計画です」
「凄く、惹かれる。これ以上の政策はない」
「最高じゃないか、この計画は」
なんか、凄くどうでもいい計画だった。でも、あと少しで何かを思い出せる。もう少し色塗りを見ていこう。
相変わらず遊園地について話し合っている工業の人たちの塗っている木器に注目してみる。やはり工場で働いているだけあって、みんなきれいに色を塗れているがやはり、二人は別格だ。
坊主頭の男性は、自然の威厳を感じ取れるような深い緑色の木器を作成していて、クリーボと呼ばれてたおかっぱ頭の男性は、鮮やかな水色による美しさを重視した木器を作っている。
二人の作品は見ているだけで心が動かされ、私が小さかった時のことが頭に浮かんでしまう。そう、それは私が初めて漆塗りの作品を完成させたときのことだった。腕のかゆみに耐えながら、頑張って作ってたな……ってあ!
「思い出した!」
思わず大きな声で騒いでしまった。私たちの姿は見られてないものの、教室の中にいる人たちは声のあった私たちのいる方向を見ている。何やらみんな困惑しているようだ。
「おい、クリーボ。立ち入り禁止の看板とカギはどうした!」
「はっ、申し訳ございません。忘れていました」
「忘れるなよ。まあいい……」
坊主の男性はクリーボの発言に呆れながらも、軽く流す。そして……
「そこの見物客よ、許せ」
机の中から赤いボタンを取り出し、スイッチを入れる坊主男性。
スイッチが押されたとたん、私たちの足元の床が消える。これはちょっとまずい。
「ひゃぁああああ!」
「きゃああああ!」
「コ~ン……」
空中に投げ出される。ジェットコースターで風を切ったときの、何倍もの恐怖と浮遊感が私を襲う。もうダメだ、そう思った時、衝撃と共に私の落下が止まり、私は何かに横たわる状態になった。これは、網?
黒い網の様なものに、私たちは乗っけられた。そして、網が移動する。
移動した先は、先ほどの教室の中心。下を向けば、オッサンたちが色塗りの手を止め私たちのことを見ているのが確認できる。
「お前は私たちの計画を知ってしまった。生かして帰るわけにはいかない」
坊主の男性が、恐ろしいことを口にする。




