名探偵クロメ
「マップ、マップ~」
「コ~ン♪」
黄色いモフモフであるスズネを胸に抱き、マップの売ってそうなお店を探す私達であった。
私たちの周囲からは、食料雑貨店や定食屋、外観のお洒落なカフェなどを確認できるが、マップの売ってそうな建物はどこにもなかった。
さらに先に向かって進んでみるも、やはり食べ物関係のお店ばかりがあるだけだった。
「マップが売ってそうな店がないよ、カオリン……」
「そうなんだよね~。この辺りにはマップの掲示もないみたいだし、困ったね」
食事関連以外の店があるのを祈って、私たちは脇道へと進むことに決めた。
ここが脇道……狭くて薄暗い場所だな。人も全然見かけないし、ちょっと怖い。
建物の後ろ側により作られた寂しい通路は、進んでいるとどんどん不安な気持ちになってくる。この脇道から、ちょうどいい道につながればいいんだけれど。
あれ? 一つだけ脇道側から入れるカフェがある。こんなところじゃあ客なんて来ないんじゃないのかな?
ところが、カフェの窓から店内をのぞいたところ、客がぼちぼちと存在する。こういうのを隠れた名店、って言うんだよね。ってあれ、行き止まり?
カフェから目を離して前を見てみると、そこは行き止まりとなっている。引き返さなきゃ。
はぁ。やっぱり私は、誰かに頼らないと何もできないのかなぁ……
マップが全然見つからないので、心はどんどんとネガティブなものになっていく。そして、そんな私をスズネが慰める。
「コンコ~ン♪」
スズネのかわいらしいボイスに、私の心が癒される。
「スズネ、ありがとう」
私の胸の中にいるスズネの背中を、わしゃわしゃと撫でて感謝を伝える。黄色のモフモフを撫でるたび、お日様のような温かい香りが周りに広がり、心地よい気分になれる。ってわあ!
「コオ~ン♪」
スズネが、逆さまに‼
とろけるような表情のスズネが、私の両腕に支えられる形で逆さまに寝転がっている。スズネのお腹の白いモフモフがあらわに!
私が恐る恐る白い部分に触れてみると、
「コ~ン♪」
スズネの可愛い鳴き声が発生する。
スズネが逆さ、逆さ、逆転……
そうか、逆転の発想をすればいいのか!
まず、マップを販売してそうな店はこの辺りにはなく、また、マップが掲示されていない。この辺でマップを買える可能性は低いだろう。
そして、この辺りには、食事をとれる店が多い。お腹がすいたらいつでも食べに行ける。
更に、脇道にあったカフェ。人目につかなそうな場所にあるのにそこそこ客はいた。
あんなに人目につかないところにあるカフェの場所なんて、ほとんどの人は知らないだろう。だがあのカフェには客がいた。
つまり、マップがどこかに隠されているはず。
マップが隠されている場所、それは…………
「配られるティッシュの中に違いない!」




