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流行対決 もちもちVSフレッシュ



「カオリンとスズネ、時間稼ぎをお願い」


「何か思いついたんだね! クロメ♪」

「コ~ン!」


 カオリンとスズネが、元気な笑顔で時間稼ぎを引き受けてくれる。



 二人が時間を稼いでいる間に、準備を進めなきゃね。








 戦いの舞台は、程よく薄暗い倉庫。中はとても広いが、あちこちに荷物が散らばっている。まだ水蒸気が残っているのか、辺りはジメジメとしていて生暖かい。この倉庫の中で、カオリンとスズネがハワイアンと対面している。


 カオリンとスズネの手には戦うための武器となるものがない。非物理攻撃を得意とする彼女たちにとっては不要なものなのだろう。一方ハワイアンの右手には、見事な短剣が握られている。何故か持ち手がピンク色だが。


 今まではピンクの短剣をスルーしていたカオリンだったが、時間稼ぎのついでに話題に出してみることにした。



「かわいらしいピンク色の刃物だね。それも流行の物なのかな?」

「まあ、そうとも言えるな」



 曖昧なハワイアンの返事に、カオリンは首をかしげる。



「そうとも言える?」

「正確に言えば、ピンク色の小物が、流行の物なんだ」


 彼の言葉に、カオリンは納得した様子だ。



「私のアイテム袋の中身は、ピンク色の小物が大半。女の子のかわいらしさが詰まっているのだ!」



 男にもかかわらず、女の子の可愛らしさについて語るハワイアン。これにはスズネもあきれ顔。


「コォン……」





「さて、そろそろお終いだ。お前たちの勝率は、微レ存しかない」


「そんなことない! クロメが、きっとこの状況を打開してくれるよ」



 そろそろ戦いを終わらせようと、ハワイアンが短剣に力を込める。カオリンの魔法では、今の彼を止めることはできない。だが、クロメのことを信じている彼女はまだ、勝負を諦めてはいなかった。


 

 ピンクの短剣を持つ男が、謎のオーラを放ちながらカオリンめがけて突進する。あのオーラに彼女の風魔法は通用しない。このままではカオリンはやられてしまう。


「コンコンコンコンコ~ン!」


 スズネが助走をつけてからハワイアンに突撃する。


「コン……」


 軽く吹き飛ばされてしまう。





「これでお終いだあぁぁぁ」


 カオリンの心臓めがけて短剣が振るわれようとする。




「させないよ!」



 豪快な音を立てながら、液体がハワイアンに襲いかかる。この液体を発射した人は……何とクロメだ。



「クロメ! 流行の物を作れたんだね♪」

「こ~ん」

「ごめんね。ちょっと遅れちゃって」



「何だこの液体は! ん? この固形物……がはははは。そういうことか」


 液体を食らい、カオリンとの距離を離されたハワイアンが、体に着いた固形物を見たとたん何か納得したようにガハハと笑いだす。


「これは……タピオカミルクティーだな? 少しは流行を知っているということか。まさか、この場で作り上げるとはな」


「これであんたを倒すよ!」



 クロメの目の前には、調合用の万能鍋。そこに万能蛇口を付けることにより、遠距離射撃を可能にしたのだ。


 でんぷんを含むカンパン、氷砂糖、水、スキムミルク。これらを万能鍋で調合することによりタピオカミルクティーを作成することが出来たのだ。鍋の中には大量のタピオカミルクティー。惜しまずに非常食をつぎ込んだ結果、ものすごい量を作ることに成功したようだ。


「これでも、食らえ!」


 蛇口を最大まで緩め、激しい勢いのタピオカをハワイアンのもとに発射する。



「ふっふっふ」


 タピオカがやってくるのにもかかわらず、余裕そうなハワイアン。



「タピオカなど、すでに時代遅れだわい。これを見てみろ」



 ハワイアンが取り出したのは、なんと一本のバナナ。彼はそのバナナに謎のオーラを注ぎ込む。

 

 オーラを浴びたバナナは突然巨大化し、ドロドロに溶けていく。



「今は、バナナジュースの時代だ」



 ドロドロに溶けたバナナがタピオカと衝突する。












 うそ、私のタピオカが押されてる? タピオカはもう、時代遅れだというの?


 いや、まだだ、諦めたらだめだ。なにか、きっと手はあるはず。




 タピオカの時代が終わり、バナナジュースの時代になったのなら……タピオカに何かをプラスして、バナナジュース以上のものに変えればいいんだ。


 カンパンも水もすべてタピオカミルクティーに使ってしまった。残ったもので使えそうなものは……スキムミルクだ。これを使えば……











 バナナジュースとタピオカミルクティーの衝突は、バナナジュースの圧倒的優勢だ。バナナとタピオカの化合物が、クロメに襲い掛かろうとしている。このままではまずいと感じたカオリンが、風魔法によりタピオカを支えるのだった。


「やった! 少し押し返せた……ってええ! 二本目のバナナ? まずい、これ以上増えたら……」


 二つ目のバナナが巨大化、液体化し合流する。すると、風魔法も虚しくバナナがタピオカを飲み込んでいく。


「うわあぁぁ。もうダメだぁ」

「コォン……」


 もうダメだ、このバナナジュースはだれにも止められない。そう覚悟するスズネとカオリンだった。

















「遅くなってごめんね」


 突然、クロメが謝りだした。





 クロメが謝ると、突然タピオカの勢いが増した。どんどんとバナナジュースを吸収していく。



「な、な、なんだそれは!」

 

 ハワイアンが急に取り乱した。 








「なぜ、なぜタピオカに……大量のチーズがのってるんだあぁぁぁぁ!」


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